マンション管理士と管理業務主任者はどちらもマンション管理に関わる仕事のようですが、それぞれの仕事ではどのような能力が求められるのでしょうか? | |
どちらも住民と密接に関わる仕事であるため、コミュニケーション能力は大切といえるでしょう。ここでは、仕事の特性からそれぞれの仕事において「求められる能力」を探っていきます。 |
マンション管理士は、管理コンサルティングの側面が強い反面、管理組合や居住者と接する場合も多いため、コミュニケーション能力や対人関係を構築する力も求められます。管理組合やマンション住民に信頼されるとともに、協力を得ながら管理運営するには、人当たりの良さや誠実さ、相手の立場を尊重する懐の深さなども重視すべき資質と言えるでしょう。
また、区分所有者同士がいさかいを起こした際、仲介に入って解決に導くのもマンション管理士の役目のひとつ。どちらか一方に肩入れすることなく、中立的な立場に立ってうまく処理する能力が求められます。そのためには、単純に知識があるだけでは足りません。物事を多角的な視点で捉える視野の広さ、マニュアルに縛られず柔軟に対応できる順応性、誰が見ても納得できるような合理主義に基づく決断力も大切な要素です。
民法や不動産関係法、マンション管理の適正化に関する法律など、マンション管理に欠かせない法知識と、それを実際の業務現場で生かす実務処理スキルが求められます。必須業務である長期修繕計画の作成や管理規約の改定、予算策定など、事務作業が多いため、一定レベルのパソコンスキルや数字を見る力も必要です。
また、マンションの適性管理には入居者の協力も必要不可欠であり、ルール改定などがあればすみやかな周知徹底が求められます。そのための情報発信力や細やかな気配りも求められるでしょう。
管理会社からすれば、マンション住民はお客さまという存在に近いかもしれません。コミュニケーション能力やソフトで愛想のよい対応など、接客業に求められる資質や能力はそのまま管理業務主任者にも必要とされるでしょう。住民の要求や難題、クレームに対しても柔軟に対処するためには、忍耐力や我慢強さ、ストレス耐性も必要不可欠と言えるかもしれません。
また、管理業務主任者は人を相手にするだけではなく、マンション設備などの機械も相手にしなければなりません。設備不良や故障が起きた際の対処能力も必要なことから、メカに対する苦手意識が強いと苦しい思いをするかもしれません。
管理業務主任者にしかできない独占業務があります。それは、「委託契約に関する重要事項の説明と重要事項説明書への記名押印」「管理委託契約書への記名押印」「管理事務の報告」です。これらの独占業務をこなすには、委託契約に記載される重要事項に精通していることが求められます。つまり、マンション契約に関する法的知識の習得が重要なウェイトを占めるわけです。
独占業務以外にも、修繕計画の策定や予算書の作成など、さまざまな事務作業が発生します。マンション管理士と同じく、管理業務主任者にも一定のパソコンスキルや事務処理スキルがないと、管理業務の遂行は難しくなるでしょう。
マンション管理士・管理業務主任者に必要な知識やスキル、それらの活かし方は、両資格の試験勉強の過程や、マンション管理業界に就職した後の実務経験の中で習得できる部分も多いと言えます。
いずれの資格も実務経験なしで受験が可能ですので、必須スキルが足りないからと言って焦る必要はないでしょう。対人関係スキルやコミュニケーション術などは、社会人経験の中で育まれる部分も大きいため、今ある環境の中で自分に隠された能力を延ばす努力を忘れないことが大切です。
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