
データベーススペシャリスト試験(DB)は、「情報処理技術者試験」の中で「高度試験」に分類されている、非常に難易度が高い試験です。
午前I試験・午前II試験・午後I試験・午後II試験の4試験で構成されており、それぞれ問われる問題や出題形式が異なります。
ここでは、データベーススペシャリスト試験の午前II試験の概要や効果的な勉強法、試験当日の注意点について解説します。
DBの午前II試験とは?
はじめに、データベーススペシャリスト試験の午前II試験の概要について解説します。
データベーススペシャリスト試験の受験を検討している方、これから午前II試験の対策を始める予定の方は、ぜひ参考にしてください。
データベーススペシャリスト試験の構成・午前II試験の位置づけ
まずは、データベーススペシャリスト試験の構成について見ていきましょう。
データベーススペシャリスト試験は、午前I・午前II・午後I・午後IIの4つで構成されています。
それぞれの内容は以下のとおりです。
午前I試験
出題範囲 | テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3分野 |
試験時間 | 9:30~10:20(50分) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) |
出題数 | 30問 |
解答数 | 30問 |
配点 | 100点満点 |
基準点 | 60点 |
免除制度 | あり |
午前II試験
出題範囲 | コンピュータ構成要素、システム構成要素、データベース、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術の6分野 |
試験時間 | 10:50~11:30(40分) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) |
出題数 | 25問 |
解答数 | 25問 |
配点 | 100点満点 |
基準点 | 60点 |
免除制度 | なし |
午後I試験
出題範囲 | 1.データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること 2.データベースシステムの運用・保守に関すること 3.データベース技術に関すること |
試験時間 | 12:30~14:00(90分) |
出題形式 | 記述式 |
出題数 | 3問 |
解答数 | 2問 |
配点 | 100点満点 |
基準点 | 60点 |
免除制度 | なし |
午後II試験
出題範囲 | 1.データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること 2.データベースシステムの運用・保守に関すること 3.データベース技術に関すること |
試験時間 | 14:30~16:30(120分) |
出題形式 | 記述式 |
出題数 | 2問 |
解答数 | 1問 |
配点 | 100点満点 |
基準点 | 60点 |
免除制度 | なし |
午前II試験の出題範囲・形式・問題数
午前II試験では、データベース分野の問題を中心に25問が出題されます。
出題範囲については「午前I試験」と重複している部分がありますが、システム開発技術やソフトウェア開発管理技術など、より高度な内容も問われます。
また、午前I試験のスキルレベルはレベル3となっていますが、午前II試験は最も高度なレベル4が設定されています。
そのため、午前I試験よりも難易度は高いといえるでしょう。
出題範囲 | コンピュータ構成要素、システム構成要素、データベース、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術の6分野 |
試験時間 | 10:50~11:30(40分) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) |
出題数 | 25問 |
解答数 | 25問 |
配点 | 100点満点 |
基準点 | 60点 |
免除制度 | なし |
午前II試験は免除対象ではない
データベーススペシャリスト試験には免除制度がありますが、午前II試験は免除の対象となっていません。
免除対象となっているのは、午前I試験のみです。
たとえば「午前II試験に合格できたけど、午前I試験は不合格」というケースの場合、次回の試験で免除の対象外となるため注意しましょう。
データベーススペシャリスト試験は長丁場の試験になります。
試験時間を少しでも短縮し、余裕を持って試験に臨みたい方は、免除制度の活用がおすすめです。
DBの午前II試験の勉強方法
午前II試験は出題範囲が広く、難易度も高いため、どのように学習を進めればよいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
ここでは、午前II試験の効率的な勉強方法を2つご紹介します。
- 頻出テーマを重点的に学習する
- 過去問を使って出題パターンに慣れる
これからデータベーススペシャリスト試験の対策を始めようとしている方は、ぜひ参考にしてください。
頻出テーマを重点的に学習する
1つ目のポイントは、頻出テーマを重点的に学習することです。
前述したとおり、午前II試験の出題範囲は、コンピュータ構成要素・システム構成要素・データベース・セキュリティ・システム開発技術・ソフトウェア開発技術の6分野です。
その内、問題の80%前後はデータベース分野から出題されています。
特にSQLやトランザクション処理、分散データベース、障害回復処理等などの頻出テーマを重点的に学習しましょう。
これらのテーマは、毎年のように出題されている重要な分野です。
また、午前II試験の対策で基礎知識を固めることで、記述式の午後試験対策につながるメリットもあります。
過去問を使って出題パターンに慣れる
2つ目のポイントは、過去問を繰り返し解いて出題パターンに慣れることです。
午前II試験では、全体の半数近くが過去問と同じ、または類似した内容から出題されている傾向があります。
実際に過去の問題がほぼそのまま出題されることもあれば、内容や構成を少し変えた類似問題が出題されることもあります。
IPA(情報処理推進機構)の公式サイトでは、過去のデータベーススペシャリスト試験の問題や解答例、採点講評などが公開されています。
これらをダウンロードして試験対策として活用しましょう。
過去問を繰り返し解くことで、出題パターンや自分の苦手分野を把握できます。
午前II試験を受ける際の注意点
午前II試験は難易度が高いため、あわてず落ち着いて問題に取り組むことが合格への鍵となります。特に注意したいのが以下の2点です
- 時間配分に注意する
- 確実に解ける問題を取りこぼさないようにする
それぞれの内容について解説していきます。
時間配分に注意する
1つ目のポイントは、時間配分を意識することです。
前述したとおり、午前II試験の試験時間は40分間、出題数は25問となっています。
すべての問題に解答するためには、1問あたり1分30秒(90秒)程度で解き進める必要があります。
40分という時間は思っている以上に短く、問題をじっくり考えているとあっという間に時間が足りなくなる可能性があります。
限られた時間の中で、いかに正確に問題を解くかが合格するためのポイントです。
ペース配分の感覚を身につけるためには、過去問を使って時間を測りながら解く練習が効果的です。
日頃から時間を意識して問題に取り組むことで、試験本番でもあせらずに落ち着いて解答できるようになります。
確実に解ける問題を取りこぼさないようにする
2つ目のポイントは、確実に解ける問題を取りこぼさないようにすることです。
午前II試験の合格基準は60%以上となっているため、25問中15問以上に正解すれば合格となります。
そのため、高得点を目指すよりも、まずは合格ラインを確実に超えることを意識することが大切です。
試験本番では、難しい問題に時間を使いすぎず、自信のある問題から優先して解くようにしましょう。
このように戦略的に解答することで、時間のロスを防ぎ、精神的にも落ち着いて試験に臨めます。
なお、午前II試験は四肢択一式です。
わからない問題があった際は、明らかに誤っている選択肢や、設問の趣旨と合わない選択肢を除外することで、正解にたどり着ける可能性が高まります。
【Q&A】DBの学習でよくある質問
ここでは、データベーススペシャリスト試験の学習でよくある質問と回答をまとめました。
勉強時間の目安や勉強方法について解説しますので、学習に関する疑問や不安がある方はぜひ参考にしてください。
DB試験に合格するための勉強時間の目安は?
データベーススペシャリスト試験に合格するまでに必要な勉強時間は、一般的に200時間程度が目安とされています。
ただし、業務経験の有無や前提知識によって、必要な勉強時間の目安は大きく異なります。
初心者や未経験者の場合は、さらに多くの時間を確保する必要があるでしょう。
DB試験の勉強方法は?
以下の手順で自分に合った学習方法を見つけるのがおすすめです。
自分のIT基礎知識のレベル感を知る
まずは、自分にどれくらいのIT基礎知識があるのかを確認しましょう。
データベーススペシャリスト試験は、スキルレベル4の非常に難易度が高い試験です。
合格するためにはどれくらいの勉強が必要になりそうか、もっと難易度の低い試験から挑戦すべきなのかを判断しましょう。
午前I試験の過去問を解いてみる
自分のレベル感を把握するには、午前I試験の過去問に挑戦してみるのが効果的です。
過去問の内容をほとんど理解できなかった場合、スキルレベル2の基本情報技術者試験や、スキルレベル3の応用情報技術者試験などから受験するのも一つの手です。
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今回は、データベーススペシャリスト試験の午前II試験について解説しました。
最後に本記事のポイントをおさらいしましょう。
- 午前II試験の試験時間は40分間、出題数は25問
- 午前II試験の問題の80%前後はデータベース分野から出題されている
- 頻出テーマを重点的に学習しつつ、過去問で出題パターンに慣れるのがおすすめ
- 試験時は時間配分に注意しつつ、確実に解ける問題を取りこぼさないようにする
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