
情報処理技術者試験のネットワークスペシャリスト試験には、ネットワーク関連のベンダー資格であるCCNAやCCNPにはないメリットがあります。
それは、有効期限がなく、一度合格してしまえば更新が不要であるということです。
また、経済産業省の認める国家試験であるという点にも、スキル証明として有利だと感じる人は多いかもしれません。
この記事では、各資格の有効期限や更新について解説します。
CCNAやCCNPとは異なり、ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)には有効期限がない?
CCNAやCCNPとは異なり、ネットワークスペシャリスト試験(通称:ネスぺ)には有効期限がありません。
有効期限がなく更新が不要であることや受験手数料など、ベンダー資格と比較した場合にネットワークスペシャリスト試験のコストパフォーマンスが優れていると感じる場面もあることでしょう。
具体的な数字を見ていきましょう。
シスコ技術者認定に対するネスぺの優位性は、有効期限の定めがないこと
ネットワークに関連する資格・試験では、情報処理技術者試験のネットワークスペシャリスト試験と並んで、
ベンダー資格であるシスコ技術者認定の「CCNA(Cisco Certified Network Associate、シスコ認定ネットワークアソシエイト)」や、
「CCNP(Cisco Certified Network Professional、シスコ認定ネットワークプロフェッショナル)」が有名です。
CCNAやCCNPでは、資格の有効期間が試験合格後3年間と定められており、その都度更新が必要となります。
その理由は、シスコの生涯学習プログラムに参加してスキルを磨き続け、認定を最新の状態に保つことや、再受験や上位資格の取得が求められているからで、資格の維持には追加の費用や新たな勉強が必要不可欠です。
これに対して、ネットワークスペシャリスト試験は一度合格してしまえば、有効期限等の定めはないため、更新の必要はありません。
当然、更新や再受験料といった追加費用がかかることもありません。
もちろんネットワークスペシャリスト試験は難関試験なので、勉強や合格までの道のりは簡単なものではありませんが、
一度取ってしまえば生涯有効であるため、考え方によってはコストパフォーマンスのよい試験だというとらえ方ができるかもしれませんね。
ネスぺの受験手数料は7,500円。シスコはアソシエイトレベルでももっと高い
受験にかかる手数料においても、ネットワークスペシャリスト試験はシスコ技術者認定に比べ、コストパフォーマンスが高いと言えます。
ネスぺの受験手数料は7,500円。資格試験の種類にもよりますが、国内の他の試験と比較しても、それほど高額な料金設定ではありません。
これに対してシスコ技術者認定の受験料は、CCNAが含まれるアソシエイトレベルでも300ドル。日本円にして、4万5,000円強です(20204年10月25日時点)。
さらに、CCNPはコア試験が400ドル(同・6万円強)、集中試験300ドル(同・4万5,000円強)となっており、為替の変動こそあれ、ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)の7500円よりもかなり割高な価格設定です。
有効期限なし、受験料もベンダー資格ほど高くはない国家試験のネスぺ。注意すべきポイントはある?
有効期限がなく、受験料もそれほど高くないネットワークスペシャリスト試験。
非常に優れた試験に思えますが、注意すべきポイントもあります。
時間をかけずに合格するための注意点、合格後にその成果を無駄にしないための注意点を解説します。
有効期限はないが新技術の情報収集は欠かせないネットワークの世界
ネットワークスペシャリスト試験には有効期限や更新といった考え方はありませんが、一度合格してしまえば安泰というものでもありません。
なぜなら、コンピューターネットワークをはじめとする情報処理の世界は、日々新しい技術が登場するためです。
新技術への関心を失ってしまうと、どんどん時代の流れから取り残されていってしまうことにもなりかねないのです。
ネットワークスペシャリスト試験に合格していることは、就職・転職市場からも企業からも高く評価されます。
その一方で、期限や更新がないからといって最新技術の学習を怠ると、肩書が名ばかりのものになってしまい、むしろ「期待外れ」の烙印すら押されかねません。
高度な試験に合格した、ネットワークの専門的な技術者として周囲から期待されるからこそ、期限や更新がなくとも常に技術とともに進歩し続ける姿勢が大切です。
受験料ではベンダー資格より情報処理技術者試験のほうがリーズナブルな傾向
こと受験料においては、通信機器系メーカー主催のベンダー資格と比較して、情報処理技術者試験の受験手数料は低めに設定されている印象があります。
ベンダー資格の場合、先述のシスコ技術者認定をはじめ、数万円単位の受験料が必要となる資格試験も珍しくありません。
一方で情報処理技術者試験の受験手数料は一律で7,500円です。
ただし、受験する機会については、情報処理技術者試験の一部が非常に限定されていることに、注意が必要です。
例えば、ネットワークスペシャリスト試験の場合は、受験できる試験日が春期試験の年1回のみであるため、試験日や申し込みスケジュールに注意する必要があるでしょう。
国家試験であることは必ずしもアドバンテージではないかも?
情報処理技術者試験は経済産業省が認める国家試験であることがメリットに挙げられますが、
特定の機材・機器やネットワーク管理ツールに深く突っ込んだ分野においては、より専門性の高いベンダー資格のほうが評価される場面もあります。
当然、ネットワークスペシャリスト試験もネットワークを中心とする高い専門性を認定する試験ではあるものの、ベンダー資格ほどに特定の機器や具体的なオペレーションにまで試験範囲がおよぶというわけではありません。
そのため、例えば企業がニッチな分野や特定機器に特化した専門人材を採用したいという場合、ネットワークスペシャリスト試験合格者ではなくベンダー資格者を優遇する可能性があるのです。
それぞれの立ち位置を意識しながら、キャリアや業務内容に応じて資格・試験を活かしたスキルアップを目指していきましょう。
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ネットワークスペシャリスト試験の更新などに関する情報をまとめました。
- ネットワークスペシャリスト試験には更新や有効期限の考えはなく、一度合格すればその効力は生涯有効
- 受験手数料は7,500円であり、ベンダー資格などと比較して安価な傾向にある
- 有効期限はないが、目まぐるしい技術の進化にしっかりとついていく必要はある
- 年1回しか受験のチャンスがないため、申し込みスケジュールに注意する必要がある
- 非常に狭い分野の専門性を求められるならばベンダー資格の方が望ましい場合もある
ネットワークスペシャリスト試験は一度合格すれば生涯有効な資格であり、受験料も比較的安価なので、費用対効果の高い国家試験と言えるでしょう。
ただし、目まぐるしく技術が進歩するITの世界において、一度合格すれば安泰というわけではないので、難関資格合格者として市場に価値を出し続けるのであれば日々の学びは合格してからもなお欠かせない点も覚えておきましょう。
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