
IT系の資格・試験としては難関の部類に属するネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ、NW)。
ネットでは「いきなり受験して合格した」といった声を目にすることもありますが、一般的なIT知識レベルの人が受験した場合には決して簡単な試験ではないはずです。
この記事では、自分のITスキルに応じた勉強方法について考えてみましょう。
難易度が高いネスぺ試験。いきなり受験して合格するのはどんな人?
ネットワークスペシャリスト試験は難易度の高い試験で、いきなり合格するのは容易なことではありません。
しかし、実際にいきなり受験して合格する人がいるのも事実であるようです。
どのような人がネスぺ試験にいきなり合格できるのか、特徴を見てみましょう。
元々のIT知識レベルが高く、読解力もある「試験慣れした人」なら可能性があるかも?
まず、以下の条件をすべて満たしている人であれば、いきなり合格できる可能性もあるかもしれません。
- ITについて既に一定レベル以上の知識がある
- 長文問題の読解力が非常に高い
- 試験慣れしている
例えば、午後試験(午後Ⅰ試験、午後Ⅱ試験)の問題文には、解答のためのヒントが隠されていることもあります。
問題にもよるでしょうが、読解能力が高く、かつ問題作成者の意図をとっさに深読みできるような試験慣れしている受験者であれば、
本来ネットワークスペシャリスト試験に求められている水準の知識がなくとも正解にたどり着き、合格点に届いてしまうといったケースも起こりえるのかもしれません。
実際のところ、ネットの合格体験記には「日本語の読解力さえあれば、IT知識なんてなくても受かる」といった声が散見されるのも事実です。
とはいえ、ネットワークスペシャリスト試験は特に難易度の高い「高度区分」に属するスキルレベル4の試験。
仮に問題文にヒントが隠されていたとしても、そもそも問題文を読み解くにあたっては一定レベル以上の高度なIT知識が必要です。
そもそも、合格体験記の著者のIT知識レベルがどの程度であるのか不明である以上、仮に本格的な学習をせずに合格できていたとしても、誰にとっても「IT知識不要」ということにはならないでしょう。
もし長文読解試験を読解力で攻略できるとしても、その前段階で立ちはだかる午前試験の択一式試験はそうはいきません。
択一式、記述式、すべての試験で一定水準を超えなければ合格とはならない以上、やはり高いレベルのIT知識は要求されるのです。
IT業界、特にネットワークの現場で働く実務経験者
ネットワーク機器の設計・保守、運用といった現場で実務経験を積んだエンジニアの場合は、
基礎的なITの知識をおさらいすることで、ネットワークスペシャリスト試験の合格レベルまで達することがあるかもしれません。
すでに現場で実務を積んでいるため、学習上の知識ではなく業務上の知識として試験範囲を網羅できている可能性があるためです。
当然そのようなケースにおいては、いきなり合格できる可能性もあるでしょう。
とはいえ、実際に現場で用いている知識が完全に試験の範囲をカバーしているとは限りません。
また、試験問題の傾向なども把握していないと現場で得た知識が得点に結びつきにくい場合もあるため、やはりしっかりと学習を行う必要はあるはずです。
特に、午前Ⅰ試験の出題範囲はネットワークに限らずIT全般の高度な知識が問われるので、必ず事前学習をしておくように心がけたいところです。
IT業界で働くベテランなら、独学で問題練習中心の勉強方法でも対応可能な場合アリ
すでにIT業界の第一線で働いているベテランエンジニアが腕試しとして受験する場合、いきなり合格できるという場合もあるでしょう。
とりわけ専門領域に長いこと実務で携わっている場合であれば、過去問題とWeb検索などの調べもの中心の簡易な学習でも、試験合格に必要な水準の実力を身につけられるかもしれません。
ただし、このような独学での学習を可能にするのは、長年IT業界での現場で培った知識や応用力があってのこと。
初級のエンジニアやこれからITの技術者を目指したい初学者、学生が同様に合格するのは非常に難しいでしょう。
IT初心者や未経験者、学生がネットワークスペシャリスト試験を目指すための学習方法は?
IT初心者や未経験者、学生がネットワークスペシャリスト試験にいきなり合格するのは非常に難しいことです。
そのため、いきなりではなく徐々にステップアップしていき、最終的に合格を目指すほうが着実でしょう。学習方法の具体例を見ていきます。
まずは自分のスキルレベルを客観的に把握しよう
情報処理技術者試験の各試験区分には、1~4までのスキルレベルが設定されています。
ネットワークスペシャリスト試験は、そのなかでももっとも高レベルのスキルレベル4の試験であり、一般的に「初心者には難しすぎる」とされています。
まずは自分のスキル・知識がどのレベルにあるのかを正確に把握し、自分に合ったレベルから徐々にレベル4に向けた学習を進めていくのが現実的でしょう。
現在のレベルを把握するのが難しい場合、IPAの公式サイトからレベル別の過去問題をピックアップして順番に解いていくのがおすすめです。
最終的にネットワークスペシャリスト試験合格を目指す受験者のケースでは、まずはレベル3「応用情報技術者試験」の試験を解いてみるのがおすすめです。
仮に応用情報技術者試験が問題なくクリアできるのであれば、ネットワークスペシャリスト試験合格はそれほど遠くはないでしょう。
逆に、このレベルはまだ早すぎると感じた場合、次に解いてみるべきなのがスキルレベル2の「基本情報技術者試験」。
このレベルでも難しく感じるようであれば、レベル1の「ITパスポート試験」と、順々に問題を解いていき、自分のレベルをきちんと把握することが重要です。
勉強時間・学習期間が多くとれるなら下位試験からのステップアップ方式で
現時点での自分のレベルがわかったら、おすすめなのは現在のレベルから一つ上の試験を徐々に目指していく方式です。
そうすることで最終的にネットワークスペシャリスト試験に合格するための実力を着実に身に着けていくことができます。
その過程の中で「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」と、徐々に取得できる資格のレベルが上がっていくことは、
対外的なスキルの証明になるだけでなく、自分の大きな自信にもつながっていくのです。
勉強時間・学習期間が多くとれるのであれば、「徐々にステップアップ」というプロセスが最もおすすめといえるでしょう。
なお、レベル1のITパスポート試験、レベル2の基本情報技術者試験に関しては、CBT方式による通年受験が可能です。
そのため、自分のペースで学習し、試験に必要な基礎力が固まったと思った時点で挑戦するのがよいでしょう。
応用情報技術者試験は春期と秋期の年2回、ネットワークスペシャリスト試験は、春期のみ年1回の試験実施である点には注意が必要です。
効率よく最短ルートでの合格を目指すなら教材選びが重要
上記のような流れをとるのではなく、とにかく最短の短期間で試験合格を目指したいのであれば、学習の量と質、どちらもを担保する必要があります。
日常生活を工夫し、ねん出できるすべての時間を学習に充てるくらいのつもりで学習時間を確保しましょう。
また、とにかく時間を確保すればよいものではなく、効率よく知識を吸収するための教材選びも重要です。
可能な限りの確保した学習時間の効果を最大化する選択が重要といえるでしょう。
ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)の合格を目指すなら、スタディングの講座がオススメ
ネットワークスペシャリスト試験にいきなり合格できるのかについて検証しました。
- IT知識豊富なベテランエンジニアであればいきなり合格できる可能性はある
- 一定のIT知識と読解力があればいきなり合格できる可能性はないわけではない
- 初級エンジニアや初学者、学生がいきなり合格するのは非常に困難
- まずは自分のレベルを正確に把握し、徐々にステップアップするのが最適
- 時間に余裕があるならば段階ごとに各レベルの試験を合格していくのが着実
ネットワークスペシャリスト試験は情報処理技術者試験最高峰のレベル4に位置する試験で、初心者にとっていきなり合格するのは非常に難しい試験といえるでしょう。
真偽や執筆した人物のもともとのレベルも定かではない合格体験記に振り回されるのではなく、正確な情報を得たうえで着実に合格を目指していくことが重要です。
まずは自分の現時点の正確なレベルを把握し、最終合格までに必要な段階がどれほどあるのか理解した上で学習を進めていきましょう。
効率よくネットワークスペシャリスト試験の合格を目指すのであれば、スタディング ネットワークスペシャリスト講座がおすすめです。
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