
経済産業省の国家試験であるネットワークスペシャリスト試験は、IPAが実施する情報処理技術者試験の一区分です。
そもそも情報処理技術者試験とはどんな試験で、実施団体のIPAはどんな組織なのでしょう。
合格後に試験について適切に説明できるようになるためにも、こうした情報について一通り知っておきましょう。
情報処理技術者試験とはなにか?
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験というITに関する国家試験の一区分です。
この情報処理技術者試験には、代表的なものとしてはITエンジニアの登竜門「基本情報技術者試験」などがあり、スキルの分野や難易度の異なる多くの試験区分から構成される試験です。
ここでは、情報処理技術者試験の成り立ちや試験区分について解説しましょう。
IT系で唯一の国家試験
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準にあることを認定するために作った国家試験です。
昭和44年に試験制度が発足し、時代とともに試験区分などに変更を加えながら、現在まで実施され続けています。
発足当時は通商産業省、現在は経済産業省が認定する、IT系で唯一の国家試験として広く知られています。
スキルレベル、専門分野の異なる14の試験区分
情報処理技術者試験には、対象とするスキルレベルや専門分野の異なる、14もの試験区分があります。
このなかには、ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験のような、情報システム利用者(エンドユーザー)向けの区分までも含まれていますが、
一般的に「情報処理技術者試験」と聞いて思い浮かべるのは、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験のような、エンジニア・システム開発者を対象とした試験でしょう。
そして、さらに高度で専門的なスキル・知識を証明する試験として、高度区分と呼ばれる試験群が存在します。
これら高度区分は、ネットワークやデータベース、組み込みシステム(エンベデッドシステム)といった専門領域、
あるいはプロジェクトマネージャ、ITサービスマネージャ、システムの構築や監査といったスペシャリスト職種などに求められる高度に専門化されたスキル・知識を問われる試験です。
さらに情報セキュリティ分野の高度区分試験であり、かつ国家資格でもある情報処理安全確保支援士という試験も実施されています。
春期試験、秋期試験、通年試験。試験区分によって異なる試験実施日
情報処理技術者試験は、試験区分によって実施時期が異なります。
ITパスポート試験、基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験は、試験会場のコンピュータで解答する「CBT方式」の試験を通年実施しているため、
受験しやすい試験会場の受験スケジュールを確認し、オンラインで申し込みをすることで、いつでも都合のいいタイミングで受験が可能です。
それ以外の試験区分は春期(4月)か秋期(10月)いずれかの試験日に受験することになりますが、応用情報技術者試験と情報処理安全確保支援士試験は春期・秋期の両方実施(年2回実施)です。
そして春期のみ実施されるのはITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、ネットワークスペシャリスト試験、ITサービスマネージャ試験。
秋期のみ実施されるのはプロジェクトマネージャ試験、データベーススペシャリスト試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、システム監査技術者試験です。
ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ、NW)は、春期のみ年1回実施の試験。申し込みは忘れずに
ネットワークスペシャリスト試験は、春期のみの試験実施のため、受験のチャンスは年に1度しかありません。
申し込みを忘れると次回の受験チャンスはさらに1年後となるため、受験希望の際は忘れずに申し込みをするようにしましょう。
受験申し込みはオンラインで行ないます。受験手数料は全区分共通で7,500円です。
試験対策では無料で配布されている過去問が効果的
情報処理技術者試験は、全般的に過去に出題された問題の傾向をよく理解しているほど有利になる傾向があります。小問形式の択一選択式問題では特に、過去問題の類問が出題されやすい傾向が顕著です。
そのため、試験対策においては過去問題の練習・分析が必要不可欠。公式サイト上では各試験区分の過去問題が自由に利用できるように用意されていて、問題冊子や解答例などをダウンロード可能です。
受験希望者なら、あらかじめ過去問題をダウンロードしておくことをおすすめします。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)とは?
情報処理技術者試験を実施・運営しているIPA(独立行政法人情報処理推進機構)とは、どういった組織なのでしょうか。試験以外の活動も含め、その取り組みについて知っておきましょう。
試験運営だけでなく、IT全般を手掛ける独立行政法人
情報処理技術者試験の実施団体であるIPAの正式名称は「独立行政法人情報処理推進機構」。試験の運営だけでなく、国のIT社会の実現に向けた施策を全般的に担当する、独立行政法人です。
情報処理技術者試験をはじめとした、優れたIT人材を育成するための活動から、IT基盤の整備、コンピュータウィルスや不正アクセスなどへ対処する情報セキュリティ対策の強化など、ITに関する幅広い活動を行なっている組織です。
IPAの取り組みはメールニュースや広報誌でわかる
IPAが行なっている取り組みは、定期刊行されている広報誌「IPA NEWS」や、メールニュースにて知ることができます。
IT人材の育成や情報セキュリティのトレンドについてのレポートが掲載されているので、IT分野についてより深く知りたい人は読んでみるとよいでしょう。
また、登録することで配信を受けることができるメールニュースは、IPAの活動についてだけでなく、
情報処理技術者試験の最新スケジュールや、受験申し込みの案内といった、受験者にとって有意義な情報が発信されるので、受信登録をしておくと役立ちます。
ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)の合格を目指すなら、スタディングの講座がオススメ
この記事では、ネットワークスペシャリスト試験をはじめとする情報処理技術者試験の実施団体、IPAについて、知っておきたいことを紹介しました。
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