
「ネスぺ」や「NW」と通称されることもある、ネットワークスペシャリスト試験。
IPAの情報処理技術者試験の一区分として国家試験にあたる試験ではありますが、「国家試験」と「国家資格」では意味合いが異なることには注意が必要です。
履歴書などに記載する際には、誤った書き方をしないように気をつけましょう。
そもそも情報処理技術者試験とはなにか?
まず、そもそもネットワークスペシャリスト試験をはじめとする「情報処理技術者試験」とは何かについて解説します。
よく混同されがちですが、情報処理技術者試験は「国家試験」であり「国家資格」ではありません。
この差異による注意点や例外的な立ち位置にある国家資格についても見ていきましょう。
経済産業省が情報処理技術者としての一定以上の水準であることを認定する国家試験
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
試験は経済産業省の機関である独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって実施され、認定は経済産業省が行うため、国家試験とされています。
情報処理技術者試験には全部で13の試験があり、それぞれの試験がその難易度や専門性に応じてレベル1から4に区分されています。
より高いレベルの試験に合格していることにより、高いスキルや専門性を持つIT人材であることが証明できます。
これから高い専門性を身につけていきたいと考えている学生、エンジニア志望者、初級エンジニアの場合、いまの自分にあったレベルの試験から徐々にレベルアップするようなプランで学習を進めていくのがおすすめです。
例えば初心者であれば、まずはレベル1のITパスポート試験。多少のIT知識があるならばレベル2の基本情報技術者試験など、
徐々にレベルを上げながら自分がスキルを高めたい領域を見極め、いずれはその分野の最高峰であるレベル4の試験合格を目指すと、段階的に無理のないステップアップができるのではないでしょうか。
国家資格ではなく国家試験であることに注意
よくWeb上などでは、ネットワークスペシャリスト試験をはじめ情報処理技術者試験について「国家資格」と記載されることがありますが、厳密にはこれは誤りです。
正確には「国家試験」であり、試験に合格することにより何らかの資格が付与されるものではありません。「試験」に「合格」したという扱いです。
実際には「国家資格の保有」と「国家試験合格」はそれほど厳密に区別されるものではありません。結局のところ国家試験に合格しているという点では全く同じであり、その実力や努力が対外的な評価対象とされる点については同様ではあります。
とはいえ、不正確な表現を使うとせっかくの試験合格が十分に評価されない可能性もあるので、情報処理技術者の試験合格を「国家資格保有」誤ったアピールをしたり、書類の資格欄にネットワークスペシャリスト保有と書いてしまったりするような誤用がないように注意しましょう。
情報処理安全確保支援士だけは「国家資格」
ネットワークスペシャリスト試験をはじめ、情報処理技術者試験は「国家資格」ではなく「国家試験」ですが、例外的な立ち位置として、情報処理安全確保支援士は登録を行なうことで「国家資格」として認められます。
混同されがちなポイントなので、情報処理安全確保支援士試験の合格を目指す方は覚えておきましょう。
ネットワークスペシャリスト試験の合格者は、履歴書にどう書けばいい?
ネットワークスペシャリスト試験の合格者は、履歴書などにどう記載するのが適切なのでしょうか?
細かい書き方の注意も含めて重要なポイントを解説します。
「試験の正式名称+合格」と書くのが正しい
ネットワークスペシャリスト試験をはじめとする国家試験に合格した場合の正しい記載の仕方は「合格年月」「試験の正式名称」「合格」です。
国家資格や資格の場合には「取得」などの書き方となりますが、試験の場合は「合格」と記載します。
例えば、2024年度のネットワークスペシャリスト試験に合格した場合、合格発表は7月に行われましたので、「2024年(もしくは令和6年)7月 経済産業省 情報処理技術者試験 ネットワークスペシャリスト試験 合格」と記載します。
年月の表記は西暦か和暦かに決まりはありませんが、履歴書の他の記載と統一するように気を付けましょう。
ネットワークスペシャリスト試験は一般的には「ネスペ」などの略称で通じますが、履歴書などに記載する際には上記のような正式名称で記載する必要があります。
やや長いですが、表記を勝手に省略すると相手方から見て心証が悪くなる可能性もありますので、正確な記載を心がけましょう。
ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)の合格を目指すなら、スタディングの講座がオススメ
ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)が「国家試験」である点について、重要なポイントをまとめました。
- ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)をはじめとする情報処理技術者試験は「国家資格」ではなく「国家試験」
- 例外的な立ち位置として情報処理安全確保支援士だけは国家資格である(情報処理技術者試験ではない)
- 履歴書に記載する際には「20●●年(もしくは令和●年●)月 経済産業省 情報処理技術者試験ネットワークスペシャリスト試験 合格」と記載する
ネットワークスペシャリスト試験(ネスぺ)をはじめとする情報処理技術者試験を「国家資格」のように表記されるケースがありますが、これは正確な表現ではありません。
合格が大きな価値をもつことは間違いなく、実際に履歴書などで活用するにあたっての効力としては何か違いがあるわけではありません。
とはいえ、表記を誤るとせっかく難関試験に合格したにも関わらず印象が悪いケースもあります。厳密な立ち位置や記載方法に注意し、試験合格の価値を最大限に活用しましょう。
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