知的財産管理技能検定®1級はどのような資格試験なのでしょうか。
まず、以下3つの項目を見ていきましょう。
知的財産管理技能検定®1級の試験概要は、以下の通りです。
種類 | 特許専門業務、コンテンツ専門業務、ブランド専門業務 | |
実施方式 | 学科 | 筆記試験(マークシート方式・4肢択一式) |
実技 | 筆記試験・口頭試問 | |
出題数・試験時間 | 学科 | 45問・100分 |
実技 | 5問・約30分 | |
合格基準 | 学科 | 満点の80%以上 |
実技 | 満点の60%以上 |
知的財産管理技能検定®1級は、各専門業務に分けて実施されるのが特徴です。
それぞれの専門業務において、学科・実技の試験が実施されます。
知的財産管理技能検定®は年3回実施されますが、以下のように各回ごとに実施内容が異なります。
受検したい専門業務の実施日を逃さないよう、スケジュールをチェックしておきましょう。
知的財産管理技能検定®1級の受検資格は、学科・実技試験によって異なります。
それぞれの受検資格について見ていきましょう。
▼学科の受検資格
知的財産管理技能検定®1級の学科試験の受検資格は、以下の通りです。
※1:合格日が試験の行われる日の属する年度及びその前年度並びに前々年度に属するものに限る
※2:合格日が技能検定が実施される日の属する年度及びその前年度並びに前々年度に属するものに限る
知的財産管理技能検定®1級の学科試験を受けるには、まず上記のいずれかを満たす必要があります。
▼実技の受検資格
知的財産管理技能検定®1級の実技試験の受検資格は、以下の通りです。
※当該合格したほうの試験の合格日の翌々年度までに行われる技能検定についてに限る
各専門業務の試験日を確認したうえで、必要な受検資格が得られるようスケジュールを組みましょう。
知的財産管理技能検定®1級における各専門業務の出題範囲は、以下の通りです。
種類 | 学科/実技 | 出題範囲 |
特許専門業務 | 学科 | 1.管理
1-1 リスクマネジメント 2.創造(調達) 3.活用 4.関係法規
5.特許専門業務 |
実技 | 1.特許専門業務
イ 戦略 |
|
コンテンツ専門業務 | 学科 | 1.管理
1-1 リスクマネジメント 2.創造(調達)
3.活用 4.関係法規
5.コンテンツ専門業務 |
実技 | 1.コンテンツ専門業務
イ 戦略 |
|
ブランド専門業務 | 学科 | 1.管理
1-1 リスクマネジメント |
実技 | 1.ブランド専門業務
イ 戦略 |
合格基準を満たすためには、幅広い出題範囲をカバーする必要があります。
次に、知的財産管理技能検定®1級の合格率を見てみましょう。
実施回 | 特許 | コンテンツ | ブランド | |||
学科 | 実技 | 学科 | 実技 | 学科 | 実技 | |
第46回(2023年11月) | 16.9% | - | - | 30.8% | - | - |
第45回(2023年7月) | - | - | 2.5% | - | - | 73.7% |
第44回(2023年3月) | - | 57.1% | - | - | 9.2% | - |
第43回(2022年11月) | 5.1% | - | - | 52.4% | - | - |
第42回(2022年7月) | - | - | 3.3% | - | - | 81.5% |
第41回(2022年3月) | - | 87.1% | - | - | 7.1% | - |
第40回(2021年11月) | 12.9% | - | - | 76.4% | - | - |
第39回(2021年7月) | - | - | 26.7% | - | - | 72.2% |
第38回(2021年3月実) | - | 69.0% | - | - | 4.9% | - |
第37回(2020年11月) | 4.7% | - | - | 87.5% | - | 90.5% |
学科試験の合格率は10%を下回ることが多く、難易度の高さがうかがえます。
知的財産管理技能検定®2級学科試験の合格率は約40%程度となっているため、大きく難易度が上昇しているといえます。
関連記事:知的財産管理技能検定®(知財検定)2級の難易度・合格率・勉強方法について
ただし、知的財産管理技能検定®1級はそもそも受検者数が少ないため、合格率の変動も大きい傾向にあります。
合格率はあくまで目安の1つにとどめておきましょう。
知的財産管理技能検定®1級の合格には、どれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。
1級・2級・3級の対策に必要な時間の目安は、以下の通りといわれています。
2級と3級では、必要な勉強時間はそこまで大きく変わりません。
一方、1級では必要な勉強時間が大幅に増えており、難易度の高さがうかがえます。
学習効率によって必要な勉強時間は異なるため、あくまでも目安ではありますが、知的財産管理技能検定®1級の取得には長期にわたる対策が必要といえるでしょう。
知的財産管理技能検定®1級に挑戦する場合、まずは2級や3級などの受検を通してベースとなる知識を身につけるのがよいでしょう。
資格試験の勉強方法といえば、テキストでの独学や通信講座・オンライン講座の利用、スクールへの通学などが挙げられます。
しかし、知的財産管理技能検定®1級の対策講座は少ないのが現状です。
前述の通り、知的財産管理技能検定®1級の学科試験は難易度が高く、合格率は10%を下回ることが少なくありません。
実務経験が浅い方や、知財関連の資格をほかに取得していない方は、まず3級や2級に挑戦するのがよいでしょう。
知的財産管理技能検定®1級を取得するメリットは、以下の通りです。
順番に見ていきましょう。
知的財産管理技能検定®1級を取得することで、知財に関する高度なスキルを有していることを証明できます。
知財の専門家として活躍の幅を広げられるでしょう。
IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)といった新たな技術の登場・浸透により、産業構造や人々のライフスタイルは大きく変化しています。
企業においては、知的財産(技術・コンテンツ・デザイン・ブランドなど)を駆使し、継続的に利益を生み出すことが求められています。
知的財産管理技能検定®1級を取得すれば、知財の専門家として多くの企業で重宝される人材になれるでしょう。
知的財産管理技能検定®1級は、就職や転職の際にも役立つ資格です。
技術が発展するなか、知的財産管理の専門的な知見を有することは大きな価値を持ちます。
既存事業において自社の技術やブランドを守ったり、新規事業における知的財産権の取得・保護を図ったりするには、知財のスペシャリストが社内に必要です。
知的財産管理技能検定®1級の難易度は高いため、誰でも簡単に合格できるわけではありません。
特に企業の知的財産部門やコンテンツ制作の会社などにおいて、即戦力として重宝される存在になるでしょう。
ただし、2級レベルでも実務に必要な知識を有することの証明にはなります。
まずは2級の取得を目指し、必要に応じて1級への挑戦を検討するのがよいでしょう。
知的財産管理においては、弁理士も人気の資格です。
弁理士も知財のスペシャリストといえる存在ですが、必要な勉強時間の目安が3,000時間ともいわれ、400時間以上が目安の知的財産管理技能検定®1級と比べて非常に難易度の高い試験であることがわかります。
関連記事:弁理士合格に必要な勉強時間と期間の目安|1年で合格するためのスケジュールも紹介!
そのぶん、弁理士には特許・実用新案等に関する申請代行業務などの「独占業務」があります。
弁理士の資格保有者のみが対応可能な業務であり、キャリアの選択肢も特許事務所での勤務や企業内弁理士、将来的な独立開業など幅広いのが特徴です。
知的財産管理技能士は、どちらかといえば企業の知的財産部門やコンテンツ制作の会社などが主な勤務先になるでしょう。
将来的にどのようなキャリアを築きたいか考えたうえで、挑戦する資格を決めていきましょう。
本記事では、知的財産管理技能検定®1級について、試験概要や受検資格、合格率、難易度について解説しました。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
知的財産管理検定®1級への挑戦を見据え、まず3級や2級を取得したいという方は「スタディング 知的財産管理技能検定®講座」の無料体験をぜひお試しください。
スキマ時間にオンラインで手軽に学べるため、効率よく学習を進められます。