中小企業診断士と販売士のそれぞれの違いを、次の表にまとめました。
中小企業診断士 |
販売士 |
|
資格の種類 |
国家資格 |
民間資格 |
試験の合格率 (2019年度) |
1次試験:30.2% 2次試験:18.3% |
1級:21.3% 2級:60.3% 3級:67.5% |
更新の有無 |
あり。 |
あり。 |
業務内容 |
経営コンサルティング |
商品の販売や店舗管理 |
中小企業診断士の資格と販売士の資格で明確な違いは、「国家資格」か「民間資格」かという点です。
販売士試験の合格率は、受験するレベルによっても大きく異なりますが、中小企業診断士は資格の中でそういったレベルの違いはありません。
中小企業診断士の試験は1次試験と2次試験に分かれており、1次2次を1年で合格するとなると、その合格率は1桁台となる年もあります。
基本的なスキルや業務内容、活躍シーンなどは異なりますが、試験内容などで一部類似したものがあります。
販売士検定では、中小企業診断士1次試験で出題される「運営管理」「企業経営理論」「財務・会計」などに相当する内容が出題されます。また、販売士試験1級で習得できる知識は、中小企業診断士試験の勉強をすれば一通りカバーできると言われます。
販売士試験1級では、店長・経営者として通用する知識の習得を目指しているため、同じく人事管理や組織経営、財務会計などの知識が問われる中小企業診断士試験とは親和性が高く、同時に学習しても無駄になることはほとんどないでしょう。
中小企業診断士とは、企業経営におけるさまざまなアドバイス提供を通して、組織の再生や健全経営をサポートする専門家です。
なおかつ、「中小企業支援法」第11条にもとづき、経済産業大臣が登録する国家資格です。
中小企業診断士は、経営コンサルタントとして広く世間に認知されている職業です。つまり、経営に関する幅広い知識を有して、成長を見据えた事業戦略の策定や実行のためのアドバイスを行います。
それにとどまらず、自治体などの行政機関や、金融機関との太いパイプを駆使して、事業活動に有効な制度情報の提供や活用促進につなげる役割も担います。
中小企業診断士としての活躍フィールドは、大きく分けてふたつあります。
販売士は、「日本商工会議所」が認定する民間資格です。資格を取得すれば、流通業界で通用する販売のスペシャリストとして認知されます。
商品に関する豊富な知識と高い販売スキルで、ユーザーに対して適切な商品・サービスの案内・説明に務めます。販売に関する知識・技術だけでなく、商品の仕入れ管理や在庫管理、売り場の統括、人材育成やマーケティング分析などのスキルも習得できます。
また、販売士1級を取得すると、店長・経営者クラスの経営能力とマネージメント能力があると認められます。
商業施設の売り場担当などを任されます。スキルアップにともない、現場のマネージャーや仕入れ担当、商品企画の立案など、企画から販売までの業務を統括するポジションに就くことも。就職・転職に向いている業種は小売り・卸売りがメインである一方、製造業やIT業界で活躍する例も少なくありません。
先述の通り、中小企業診断士と販売士は試験内容で重複する部分が多く、同時学習しても無駄にならないため、ダブルライセンスの取得に励む方も多い傾向にあります。
中小企業診断士として活動しながら、販売やマーケティング分野でより深い知識を習得したければ、販売士取得がおすすめですし、販売士でありながら経営によりコミットメントした活動を重視したいなら、中小企業診断士の資格を取得して損はありません。
受験勉強も合理的に学習できるため、機会があればぜひ同時取得を検討してください。
中小企業診断士について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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