販売士1級・2級・3級の違いは?勉強時間・合格率は?

リテールマーケティング(販売士)検定試験には、1級・2級・3級があり、問題数やレベル、試験時間、合格率で違いが見られます。

とりわけ、1級と2級・3級では難易度の面で大きな差が認められるところに注目です。

難易度が異なるということは、必要な勉強時間も変わってきます。

そこで今回は、販売士1級・2級・3級の違いを説明するとともに、受験のポイントや試験対策も合わせてご紹介します。

1級・2級・3級で何が違う?各級ごとの販売士試験内容

リテールマーケティング(販売士)検定試験の1級・2級・3級の主な違いを以下にまとめました。
2021年7月からのネット試験(CBT)方式への変更に伴って、各級の試験方法が統一されるなどの変更がありました。

12級3級
受験資格なし
試験日2021年7月より全国のテストセンターで随時試験実施
合格率約20%50%~60%程度
合格基準各科目70点以上平均の得点が70点以上で、1科目ごとの得点が50点以上
試験時間90分70分60分
試験方法全国のテストセンターで実施されるCBT方式の試験(ネット試験)
受験料(税込)※8,800円6,600円4,400円
求められる能力店長・経営者レベル店舗・売り場マネジメントレベル売り場の販売担当レベル

※受験料のほかに、別途事務手数料として受験者1名につき550円(税込)がかかります。

1級・2級・3級ともに、出題科目は次の通りです。

  1. 小売業の類型
  2. マーチャンダイジング
  3. ストアオペレーション
  4. マーケティング
  5. 販売・経営管理

すべての級で同じ科目が出題されますが、それぞれの時間配分や問題の量、レベルは異なります。

販売士合格に必要な勉強時間・勉強方法とは?

販売士の試験内容については前述の通りです。

ここからは試験に合格するために必要な勉強時間の目安や勉強方法を解説します。

級ごとにご紹介していきますので、これから販売士の勉強を始める方はぜひ参考にしてください。

  • 3級合格に必要な勉強時間・勉強方法
  • 2級合格に必要な勉強時間・勉強方法
  • 1級合格に必要な勉強時間・勉強方法

3級合格に必要な勉強時間・勉強方法

販売士3級の合格に必要な勉強時間は、30時間程度といわれています。

1日1時間勉強するとしたら、1か月程度の期間が必要となります。

なお、3級は販売士の中で最も難易度の低い級です。

小売業やマーケティングなどの実務経験がある人や前提知識のある人なら、もっと短い勉強時間で合格できる場合もあるでしょう。

3級に合格できるレベルの知識を身につけるには、以下のような勉強法がおすすめです。

  • テキストを読んで、わからない用語が出てきたら意味を調べて理解する
  • 問題演習を行う
  • 間違えた問題やわからなかった問題を復習する

問題演習を何度も繰り返すことで科目ごとの特徴や出題傾向などがつかめると、合格も近づくでしょう。

2級合格に必要な勉強時間・勉強方法

販売士2級の合格に必要な勉強時間は、60時間程度といわれています。

3級と比べて難易度は大きく上がるため、2倍程度の勉強が必要となります。

ただこちらも実務経験や前提知識があるかどうかや、3級に合格しているかどうかで必要な勉強時間は変わってくるでしょう。

ただ2級の出題科目は3級と同じですし、重なる部分も多くあります。

そのため2級に合格できるレベルの知識を身につける場合も、3級と同じく以下のような勉強方法がおすすめです。

  • わからない用語が出てきたら意味を調べて理解する
  • 問題演習を行う
  • 間違えた問題やわからなかった問題を復習する

また過去問や模擬試験などを活用して自分の苦手を潰すようにしていくと、さらに合格が近づくでしょう。

1級合格に必要な勉強時間・勉強方法

販売士1級の合格に必要な勉強時間は、100時間程度といわれています。

1級は販売士の中で最も難易度の高い級です。

合格率は平均20%程度で、国家資格レベルの試験と言ってもよいでしょう。

また合格者のデータには小売業や卸売業、メーカー出身者などが多く、販売や流通に関する予備知識が必須の試験だといえます。

1級に合格するには、まずしっかりと学習スケジュールを考えた上で計画的に学習を進めていく必要があります。

また1級では2・3級ではなかった記述式の問題も出題されるため、その対策も欠かせません。

1級の試験問題は、公式のテキストである販売士ハンドブック(1級)の中からの出題が70%です。

そのため対策自体はしやすいといえるでしょう。

ハンドブックを入手して、読み込んだり問題を繰り返し解たりすることで理解を深めていきましょう。

販売士検定に関するよくある質問とは?

販売士の合格に必要な勉強時間や勉強方法については前述の通りです。

ここからは、販売士検定に関するよくある質問について解説していきます。

販売士検定の受験を検討している方や、試験の制度や勉強方法などに関する疑問や不安がある方はぜひ参考にしてください。

  • 3級を飛び越えて1級・2級に挑戦するのはアリ?
  • 販売士は独学での合格可能?一夜漬けで合格できる?
  • 科目免除制度・科目合格制度って何?
  • 取得するなら何級がおすすめ?

3級を飛び越えて1級・2級に挑戦するのはアリ?

販売士検定は、どの級でも受験資格や条件などは設けられていません。

受験申し込みさえすれば、誰でもどの級でも受験することが可能です。

販売士資格の取得を目指す受験者の中には、3級を飛び越えていきなり2級から挑戦する人も少なくありません。

なぜなら2級と3級の試験科目は同じで、似た内容の問題も多いからです。

たしかに実務経験や前提知識が十分ある人なら、2級から受験したほうが合理的かもしれません。

ただし、2級と3級の難易度には大きな差があります。

前述の通り合格に必要な勉強時間は、3級が約30時間なのに対し2級は約60時間とされています。

単純に考えて、2級に合格するには3級と比べて2倍程度の勉強が必要となるのです。

そのため初心者の場合は、学習計画を立てて確保できる勉強時間を明らかにした上で受験する級数を検討するのがよいでしょう。

なお2・3級を併願で申し込んで、同時期に受験するのもおすすめです。

販売士は独学での合格可能?一夜漬けで合格できる?

販売士検定は、前述のような勉強方法で対策を進めていけば独学でも合格可能な試験です。

また2級と3級の合格率は例年50〜60%程度と、国家試験と比べると高い傾向にあります。

ただし、前提知識のない初心者が一夜漬けで合格できるほど簡単な試験ではありません。

販売士検定は試験範囲が広く、覚えなければならない専門用語なども多くあります。

そのため販売などに関する基礎知識がある人でも、合格するには前述のような勉強時間が必要とされているのです。

もちろん、中には「一夜漬けで合格できた」「販売士検定の試験勉強はほとんど必要なかった」という人もいるでしょう。

しかしその大半は、小売やマーケティングに関する業務経験や豊富な前提知識がある人たちです。

業務経験の浅い人や学生の場合は、きちんと学習計画を立てた上で前述のような試験対策を進めていくのがおすすめです。

無理に一夜漬けでの合格を目指すよりも、そのほうが確実に合格レベルの知識を身につけられるでしょう。

科目免除制度・科目合格制度って何?

販売士検定では、一定の条件を満たすと一部科目の免除を受けることが可能です。

科目免除の対象となるのは、以下のようなケースです。

  • 2級試験において、日本商工会議所が認定する「養成通信教育講座」を修了かつスクーリングを終えた方
  • 2級試験において、日本商工会議所が認定する「養成講習会」を受講かつ予備試験に合格された方
  • 3級試験において、日本商工会議所が認定する「養成通信教育講座」を修了かつスクーリングを終えた方
  • 3級試験において、商工会議所が主催する「養成講習会」を受講かつ予備試験に合格された方
  • 3級試験において、全国商業高等学校協会主催の「商業経済検定試験」に合格した方

上記に該当する方は、受験申し込みの際に免除「有」を選んで登録しましょう。

また「販売士科目免除申請書」に必要事項を記入した上で受験料払い込み受領証を貼付し、定められた規定書類を揃えて商工会議所に送付してください。

上記の通り、免除を受けるには他の資格の取得や講座の受講などが必要となります。

そのため独学で合格を目指している方にはあまり関係ないかもしれませんが、販売士検定を有利に受験したい場合はこうした免除制度を検討するのも一つの手です。

取得するなら何級がおすすめ?

販売士検定でおすすめなのは2級です。

2級は3級よりも難しくなりますが、1級ほど難易度は高くなく、独学でも合格できる試験内容となっています。

2級の試験内容や問題集を見て難易度が高いと感じた場合は、3級から始めて少しずつステップアップしていけば無理なく知識を深められるでしょう。

なお企業によっては、2級以上を取得していると資格手当などを受け取れる場合があります。

履歴書の資格・免許欄にも記載できるため、小売・流通業界への就職・転職で有利になる場面もあるでしょう。

1級に合格するには大規模店舗の店長や経営者クラスの知識が必要となるため、履歴書に書けるとさらに評価が高まる可能性があります。

上位の役職や年収アップを目指している人は、早めに取得できるとよいでしょう。

まとめ

この記事では、販売士検定の級ごとの違いや勉強時間などについて解説しました。

  • 販売士検定の合格に必要な勉強時間は3級が30時間、2級が60時間、1級が100時間程度
  • 販売士検定の合格率は3・2級が50~60%程度、1級が20%程度
  • 試験対策はわからない用語を調べながら問題演習を繰り返し、傾向を掴むのがおすすめ
  • おすすめは資格手当などの対象になりやすい2級

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