リテールマーケティング検定の資格試験は1級・2級・3級と3種あり、それぞれ求められるスキルレベルが異なります。一般的に、3級は売り場販売員のレベル、2級は商品管理ができるマネージャーレベル、1級は店舗運営が任せられる店長レベルです。
リテールマーケティング検定3級の試験内容は、接客・販売に関する基礎的な問題が中心となります。
基礎と言っても、そのレベルを習得しなければお客さまを満足させられる販売活動は展開できません。販売員は、売り場の最前線に立ち、直接お客さまと接する担当者。販売員の接客が、そのまま会社への印象につながるだけに、基本的なマナーと接客技術は不可欠です。
リテールマーケティング検定2級では、基礎を押さえると同時により専門的な内容に踏み込んで学習することになります。
販売・接客に関する知識と技術だけでなく、商品の仕入れや在庫管理、人材育成など、現場を統括するマネージメント能力も問われます。流通業界への就職・転職を希望するなら、最低でも2級の資格は取っておきたいところです。
リテールマーケティング検定の最上位レベルである1級に合格すれば、店長・経営者レベルの知識と技量があると評価されます。
中・長期的視野に立った経営戦略の立案、緻密なマーケティング分析に基づく販売計画のプランニングなど、経営者としての資質の有無を問う試験だけに、難問が多く、2級・3級と比較してもその難易度には格段の違いが認められます。
リテールマーケティング検定は、3級・2級が毎年2月と7月に、1級が毎年2月に実施されます。受験者数と合格者数、および合格率は試験を主催する「日本商工会議所」のホームページにて公表されています。過去数年間の合格者データを見てみましょう。
3級検定の受検者はここ数年、減少傾向にあります。合格率は40%~70%台とやや開きがある傾向です。
CBT試験受験者データ
期間 |
実受験者数 |
合格者数 |
合格 |
2022.4.1~2023.3.31 |
8,981名 |
5,130名 |
57.1% |
統一試験受験者データ(令和3年以前)
開催日 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
87回 | 9,613名 | 6,863名 | 71.4% |
85回 | 8,125名 | 4,441名 | 54.7% |
84回 | 7,534名 | 5,082名 | 67.5% |
83回 | 9,244名 | 6,370名 | 68.9% |
82回 | 8,418名 | 5,293名 | 62.9% |
81回 | 10,485名 | 5,492名 | 52.4% |
80回 | 9,335名 | 6,095名 | 65.3% |
79回 | 10,540名 | 5,025名 | 47.7% |
78回 | 9,291名 | 6,445名 | 69.4% |
77回 | 11,038名 | 6,375名 | 57.8% |
76回 | 10,010名 | 4,506名 | 45.0% |
75回 | 12,201名 | 6,517名 | 53.4% |
74回 | 12,034名 | 7,720名 | 64.2% |
73回 | 13,010名 | 7,932名 | 61.0% |
72回 | 12,371名 | 5,391名 | 43.6% |
71回 | 13,240名 | 9,112名 | 68.8% |
リテールマーケティング検定2級の試験は、平成27年度までは年1回の試験でしたが、現在は3級と同じく年2回の実施となっています。
合格率は平均50%前後です。直近のCBTの試験データを見ると合格率はやや減少傾向にあります。
CBT試験受験者データ
期間 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格 |
2022.4.1~2023.3.31 | 6,920名 | 6,374名 | 55.4% |
統一試験受験者データ(令和3年以前)
開催日 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
87回(令和3年2月) | 5,149名 | 3,778名 | 73.4% |
85回(令和2年2月) | 4,916名 | 2,979名 | 60.6% |
84回 | 4,702名 | 2,836名 | 60.3% |
83回 | 5,175名 | 3,553名 | 68.7% |
82回 | 5,071名 | 2,981名 | 58.8% |
81回 | 5,632名 | 2,474名 | 43.9% |
80回 | 5,239名 | 2,748名 | 52.5% |
79回 | 5,917名 | 2,999名 | 50.7% |
78回 | 4,976名 | 2,573名 | 51.7% |
44回 | 4,374名 | 2,557名 | 58.5% |
43回 | 7,532名 | 4,084 名 | 54.2% |
42回 | 9,483名 | 4,705名 | 49.6% |
41回 | 10,129名 | 4,366名 | 43.1% |
1級レベルとなると、合格率は20%台まで落ちこんでいるのが分かります。5人受験して1人合格するレベルです。合格率はCBT試験になってからも大きく変わっておらず、難易度が高い試験と言えるでしょう。
CBT試験受験者データ
期間 |
実受験者数 |
合格者数 |
合格 |
2022.4.1~2023.3.31 |
1,033名 |
218名 |
21.1% |
統一試験受験者データ(令和3年以前)
開催日 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
87回 | 695名 | 174名 | 25.0% |
85回 | 909名 | 194名 | 21.3% |
81回 | 979名 | 199名 | 20.3% |
79回 | 1,038名 | 237名 | 22.8% |
43回 | 1,144名 | 220名 | 19.2% |
42回 | 1,012名 | 289名 | 28.6% |
41回 | 929名 | 206名 | 22.2% |
40回 | 1,149名 | 221名 | 19.2% |
合格者データを見れば分かる通り、比較的合格しやすい傾向にある2級・3級に対し、1級の難易度は突出しており、容易に取得できるレベルではありません。しかし、それだけ1級資格の取得者は販売スキルが高く、高度な人材という見方もできるのです。
販売と店舗運営のスペシャリストを目指すなら、1級はチャレンジしがいのある資格と言えるのではないでしょうか。
試験の特徴や短期合格法をわかりやすく解説します。
「販売士試験突破の攻略法」
リテールマーケティング(販売士)検定に短期合格する方法をベテラン講師が解説します。
・販売士とは?
・販売士試験の特徴
・販売士試験突破の攻略法
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