
販売士資格は取得すると就職や転職に役立つ資格です。
しかし、実際にどのような仕事や業界で必要とされる資格なのかがわからないという方も多いのではないでしょうか。
結論、販売士資格は小売業やメーカーの営業職、マーケティング・販売促進業務など、幅広い分野で生かせる資格です。
本記事では、販売士が生かせる仕事や具体的な活用方法、就職を有利に進める方法をご紹介します。
販売士資格を生かせる仕事は何?具体的な活用方法とは?
販売士資格を取得することで、接客技術や商品管理、店舗運営の知識が身につきます。また、小売業だけでなく、さまざまな分野で生かせるのが魅力です。
販売士資格の具体的な活用方法について、詳しく解説します。
- 小売業(百貨店・スーパーマーケット・専門店など)
- メーカー・卸売業の営業職
- 各企業のマーケティング・販売促進業務
小売業(百貨店・スーパーマーケット・専門店など)
販売士資格は、小売業界でのキャリアアップに役立つ資格です。
百貨店やスーパーマーケットなどの小売業では、社員やパート・アルバイトの方に販売士資格の取得を推奨している企業も少なくありません。
売り場のマネジメントや接客のスキル向上を重視する企業では、販売士資格を取得した社員が優遇されるケースもあります。
そのため、面接の際に販売士資格を取得したことをアピールすれば、熱意と意気込みが伝わりやすくなります。
リテールマーケティング(販売士)検定では、「ストアオペレーション」と呼ばれる販売行動の基本手順を学ぶため、店舗運営に必要な知識を体系的に習得可能です。
この知識を生かし、店舗の配列や接客スタイルに魅力を感じたことを伝えることで、面接官に好印象を与えられるでしょう。
また、アパレルや家電などの専門店では、接客スキルとともに商品知識の深さが求められます。
販売士資格を生かせば、顧客のニーズに合った提案ができるプロとして活躍できます。
リテールマーケティングの知識を生かし、売れ筋商品の分析や店舗ごとの販売戦略を考えられるようになれば、就職後のキャリアアップにもつながるでしょう。
メーカー・卸売業の営業職
メーカーや卸売業の営業職では、商品の企画開発から流通・販売までの知識が求められます。
販売士資格を取得すれば、仕入れ管理や流通の知識を生かし、取引先の発注傾向を分析した適切な商品提案が可能です。
下記のように、データにもとづいた提案ができれば、営業成績の向上につながるでしょう。
- この地域ではこの商品が売れやすい
- この時期に需要が高まる
また、商品の展示方法や販売戦略を理解することで、単なる納品ではなく、売上を最大化するサポートができるのも強みです。
面接では、販売士資格で学んだ経営理論や組織論を生かしてアピールしましょう。
流通の最適化や販売戦略の提案など具体的な課題解決の方法を提案できれば、好印象を与えられます。
資格を活用し、営業職としての差別化を図ることがポイントです。
各企業のマーケティング・販売促進業務
販売士資格は、企業のマーケティングや販売促進業務にも生かせる資格です。
とくに1級では、市場分析や競合調査の知識を習得でき、効果的なマーケティング戦略の立案が可能になります。
企業の販促活動において、的確なアプローチを行えるでしょう。
たとえば、小売業では、ターゲット層に合わせた商品配置や販促キャンペーンが重要視されます。
販売士資格を取得すれば、顧客の購買心理を理解し、売り場づくりやプロモーション設計に生かせます。
そのため、店舗運営の現場だけでなく、企画や営業職においても強みとなるでしょう。
また、ECサイトの運営やデジタルマーケティング分野にも、販売士の知識は役立ちます。
商品ページの最適化や購買導線の改善を通じて、オンライン販売の売上向上に貢献できます。
データ分析を活用したマーケティング施策ができる点も強みです。
商品開発部門と連携し、市場のニーズを分析しながら、新商品の企画や販売戦略も行えます。
このように、マーケティング視点をもつ販売士は、企業の売上向上に貢献できる人材として期待されるでしょう。
就職にも役立つ?販売士3級は学生が目指すべき資格って本当?
販売士3級は、小売業やサービス業を志望する学生にとって、目指すべき資格とされています。
接客技術や商品管理、店舗運営の基礎知識を習得でき、就職活動において自己アピールの材料となります。
また、比較的短期間の学習で合格が可能なため、学生にも挑戦しやすい資格です。
販売士3級は、学生が目指すべき資格かどうかを詳しく解説します。
- 販売士3級は受験生の過半数が学生!
- 就活でアピールするとプラスの評価になることも!
販売士3級は受験生の過半数が学生!
販売士3級は、学生が取得しやすく、就活にも生かせる資格です。
商工会議所のデータによると、販売士3級の受験者の56.5%が学生です。
小売業や卸売業の受験者を大きく上回っており、多くの学生が就職活動やキャリア形成の一環として、販売士資格の取得に取り組んでいます。
職業 | 実受験者数 | 構成比 |
---|---|---|
小売業 | 2,219人 | 23.1% |
卸売業 | 529人 | 5.5% |
製造業 | 232人 | 2.4% |
学生 | 5,429人 | 56.5% |
サービス業・飲食業 | 363人 | 3.8% |
コンサルタント業 | 36人 | 0.4% |
無職 | 102人 | 1.1% |
その他 | 703人 | 7.3% |
【参考】商工会議所|第87回3級リテールマーケティング(販売士)検定試験の結果
また、年齢別の構成比では10代と20代の受験者が全体の約78%を占めており、販売士資格は若年層に人気があるとわかります。
年齢 | 実受験者数 | 構成比 |
---|---|---|
10代 | 3,748人 | 39.0% |
20代 | 3,716人 | 38.7% |
30代 | 1,020人 | 10.6% |
40代 | 769人 | 8.0% |
50代 | 293人 | 3.0% |
60代 | 67人 | 0.7% |
【参考】商工会議所|第87回3級リテールマーケティング(販売士)検定試験の結果
上記のデータから、販売士3級は学生が目指しやすい資格といえます。
なぜ販売士3級が目指しやすい資格なのか、具体的な理由は下記のとおりです。
- 比較的短期間の学習で取得できる
- 就職活動の自己PRに活用できる
- 実務に生かせるスキルを身につけられる
販売士3級を取得することで、販売の基礎を学びながら、小売業・流通業への就職を有利に進められます。
さらに、2級・1級へステップアップすれば、店舗運営やマーケティングの知識を深め、キャリアの可能性を広げられるでしょう。
就活を控えている学生は、販売士3級に挑戦し、将来のキャリアに役立てることをおすすめします。
就活でアピールするとプラスの評価になることも!
販売士3級の平均合格率は約60%と難易度もそれほど高くないため、取得しやすい資格といえます。
その分、多くの人がもっている資格でもありますが、生かし方次第では就職活動のプラス材料になります。
たとえば、小売業や流通業を志望する場合、業界への関心や基礎知識をもっていることをアピールできる点が強みです。
実際に、ある企業では新入社員に販売士3級の取得を奨励しており、業界内での評価の高さがうかがえます。
店長・副店長・チーフ職には、販売士2級の取得を推奨している企業もあるため、キャリアアップの武器にもなるでしょう。
就活では資格取得を単に伝えるのではなく、取得理由や学んだことを具体的に説明するのが効果的です。
職種に合わせたアピールをすれば、効果的に資格の取得を生かせるでしょう。
販売士資格は役に立たない説は本当?もっと就職を有利に進めるには?
販売士資格は、小売業やサービス業での基礎知識を証明する資格です。
しかし、資格をもっているだけでは就職活動でのアピールとしては限定的かもしれません。
就職を有利に進めるためには、実践的なスキルや経験を積むことが効果的です。
販売士資格を武器に、就職を有利に進める方法を詳しく解説します。
- 販売士2級以上の資格を目指す
- 簿記とのダブルライセンスを目指す
- アルバイトで接客業を経験して即戦力としてアピールする
販売士2級以上の資格を目指す
就職活動で資格のアピールをするのであれば、販売士2級以上の取得を目指しましょう。
販売士2級は、店舗や売り場のマネジメントレベルの知識を証明する資格です。
3級が売り場の販売担当者レベルの知識が対象なのに対し、2級は高度な知識をもっていることを示します。
さらに、1級は店長や経営者レベルの知識を身につけられるのが特徴です。
そのため、2級以上の資格を取得できれば、就職時に高い評価を受けられる可能性があります。
2021年から開始されたネット試験における各級の合格率は、下表のとおりです。
級 | 合格率 |
---|---|
1級 | 約19% |
2級 | 約54% |
3級 | 約59% |
【参考】日本商工会議所・各地商工会議所|販売士 受験者・合格率データ|ネット試験
2級の合格率は約54%で、受験者の半数が合格しているとわかります。
そのため、まずは2級取得を目指し、勉強をはじめるとよいでしょう。
簿記とのダブルライセンスを目指す
販売士と簿記の両方の資格をもつことで、スキルアップに役立ちます。
簿記では、企業の取引やお金の流れを正確に記録し、財務状況を貸借対照表や損益計算書といった形で可視化する力が身につきます。
そのため、経営判断に必要な情報を読み解くスキルやコスト管理・利益分析などの実務にも生かせる知識を習得可能です。
商品の仕入れ計画を立てる際は、商品原価の知識や利益構造についての理解が必要です。
そこで簿記の知識があれば、仕入れ値を抑え、損益リスクの軽減につなげられます。
また、販売士と簿記は日本商工会議所が主催しているため、関連性が高い資格です。
簿記2級以上の資格を取得できれば、経理や営業事務など、さまざまな職種での活躍が期待できます。
さらに、ダブルライセンスは就職や転職の際に大きなアドバンテージとなります。
キャリアアップやスキルアップを狙うのであれば、ダブルライセンスの取得がおすすめです。
以下の記事では、販売士と簿記の組み合わせについて詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

販売士と簿記の組み合わせで就職も有利になる?
一見つながりのないように見える販売士と簿記の資格ですが、実は共通点もあります。原価や収益の仕組みを理解することで、販売業務にとって重要な商品仕入れの計画がス…
一見つながりのないように見える販売士と簿記の資格ですが、実は…
アルバイトで接客業を経験して即戦力としてアピールする
小売業や販売の仕事に興味があるなら、アルバイトでの接客業の経験もアピールポイントになります。
実際の現場での経験は、即戦力としての評価だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力の向上にもつながります。
また、接客業の経験は、就職活動において強力な武器となります。
お客様対応や売り場運営の経験を具体的に伝えることで、仕事への適性や意欲をアピールできるでしょう。
また、語学力やコミュニケーション能力も評価ポイントです。
外国語を使った接客ができると、インバウンド需要のある企業では、とくに高く評価されます。
これらのスキルや経験を積極的にアピールすることで、就職活動を有利に進められます。
アルバイト経験を積極的に活用し、自分の強みとしてアピールしましょう。
まとめ
販売士資格は、小売業やサービス業での基礎知識を証明する公的資格です。
2級以上の取得は、就職活動での強力なアピールポイントとなります。
とくに小売・流通業界を志望する学生には、業界理解や実務スキルの証明になるメリットがあります。
また、簿記とのダブルライセンスや接客業のアルバイト経験を積むことで、実践的なスキルが身につくため、就職活動を有利に進められる点も魅力です。
販売士資格を取得できれば、ビジネスの現場で即戦力となる能力を養い、将来のキャリア形成にも役立ちます。
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