販売士資格の活用方法
リテールマーケティング検定(販売士)の合格率は、2級・3級ともに50%~60%と高く、比較的短期間での勉強でも合格しやすいのが特徴です。
そのため、働きながら資格の勉強に励むビジネスパーソンはもちろん、大学生・専門学校生・高校生にも人気の高い資格です。
学生の受験率が高いのが特徴
販売士2級・3級に限って言えば、特に目立つのが学生の受験率の高さです。
検定を主催する日本商工会議所によれば、2017年7月に実施されたリテールマーケティング検定2級・3級の受験者のうち、学生の占める割合は3級で46.3%、2級で31.9%でした。
このデータは、高校生や大学生の就職活動に、販売士資格が活用されていることを物語っています。
本格的に社会に出て働いた経験のない高校生や大学生にとって、資格はとても大きなアピール材料となります。
資格の勉強を通して、流通業界の仕組みや販売管理・商品原価に関する知識、あるいは接客技術などを身に付けることで、商業施設を営む企業において貴重な戦力と見なされるでしょう。
小売りや卸売り、流通全般の知識を広げることで、面接官の質問に対しても核心を突いた鋭い回答を返すことが可能となります。
販売士資格アピールのポイント
就職活動において、百貨店やメーカー、小売業など、販売士資格をアピールできる業種や企業はさまざまです。
履歴書やエントリーシートに資格を書き込んでアピールする際、どんな点を意識してアピールすればよいでしょうか?
百貨店志望の場合
百貨店では、社員や現場の販売員に販売士資格の取得を推奨しているところも少なくありません。
その意向に沿って販売士資格を取得したことをPRすれば、熱意と意気込みも伝わるでしょう。
リテールマーケティング(販売士)検定では、「ストアオペレーション」と呼ばれる販売行動の基本手順などを体系化したシステムを学びますが、その観点から店舗の配列や接客スタイルに魅力を感じたことを伝えることで、面接官の関心を引かせることができるでしょう。
大手流通業志望の場合
商品の企画開発から製造、卸売り・小売りまで流通全般を担う流通業では、組織論や経営理論といった大きな観点からどのような発注や商品の陳列、仕入れ管理が妥当であるかと言う考えが重要です。
そのため、面接では、リテールマーケティング(販売士)検定で学んだ経営理論や組織論に関する知識を生かした課題解決の方法を提案してみるとよいでしょう。
資格取得後の就職先と職種
販売士資格の取得で企業に認められ採用となれば、その知識と技術、理論は実際の売り場や小売りの現場で生かされます。
就職先として考えられるのは、スーパーや百貨店、コンビニチェーン、小売り・卸売業者、商品メーカーなどです。
特に高級百貨店などは、洋服やジュエリーなどの売り場に特定の顧客層を抱えている場合が多く、より格式の高い接客技術やマナー・作法、商品情報を的確に伝える技量が求められますので、資格の取得で学んだことが実践に役立つでしょう。
職種では、販売員のほか、商品企画の開発部員や仕入れ担当、営業などが考えられます。
経験を積んで着実にスキルアップすれば、リーダーやマネージメントなどを任されることも。販売士資格の活用シーンは単に販売現場に限定されず、さまざまな部署や部門に広がっています。