
変数とは、数字や言葉などのデータを一時的にしまっておく「箱」のようなものです。
本記事では、「変数がよくわからない」「難しそう」と感じている方に向けて、変数の仕組みや使い方をわかりやすく解説します。
最後まで見れば、変数の基本が理解でき、プログラミングの基礎を楽しく学べるようになるでしょう。
この記事で分かること
- 変数の概要
- 変数を作る際の注意点
- 変数と定数の違い
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変数とは?小学生でも分かりやすく概要を簡単に解説
ここでは、以下4つの項目を通じて、変数について解説します。
- 変数は「数字や言葉をしまう箱」
- 箱には必ず中身を示す「名前ラベル」を貼る
- 箱の中身はあとで入れ替えられる
- 変数があるとゲームや計算が便利に
上記の内容は、変数の基礎的な知識です。
変数はプログラミングの基礎知識のため、学んでおきましょう。
変数は「数字や言葉をしまう箱」
変数とは、「データを一時保存するための箱に似たもの」です。
コンピューターの中で、部屋のように区切られたメモリ領域が変数です。
それぞれの部屋には担当があり、中では忙しなくコンピューターが仕事をします。
部屋の大きさは決められており、他の部屋が干渉することはできません。
「メモリ領域」という言葉は難しいため、「変数=箱・入れ物」と考えてください。
プログラミングでは、文字列や数値をはじめ、多くの情報を扱います。
情報処理を行う際は、保管しておく場所が必要です。
変数は、必要なときに情報を取り出すこともでき、まさに入れ物のような働きをします。
箱には必ず中身を示す「名前ラベル」を貼る
変数には、必ず名前をつける必要があります。
例えば、箱に何かの道具を収納するときは、必ず外に名前を書くでしょう。
書いておかないと、何が入っているかを忘れたとき、中身を確認する作業が生じます。
変数に名前が必要なのも、同じ理由です。
名前をつけないと、その変数が何の役割を果たすのかがわかりません。
自分は知っていても、他の誰かがみたときに解らないこともあるでしょう。
名前は必ず、必要な情報が伝わることを意識します。
例えば、「system01」という名前では、何のシステムなのか伝わりません。
「sex_code(性別)」「full name(フルネーム)」など、誰が見てもわかる名前をつけましょう。
箱の中身はあとで入れ替えられる
変数は何度でもデータ設定を変えることができ、中身の交換が可能です。
変数の中身を入れ替えることを「代入」と呼びます。
日常では耳慣れない言葉ですが、プログラミングの世界では何度も出てくるため、必ず覚えておきましょう。
また、他にも「変数にデータを設定する」という表現があります。
これはGUI(Graphical User Interface)設定などで、変数にデータ代入を行う際に使用される言葉です。
「代入」「変数にデータを設定する」の両方を覚えておきましょう。
変数の代入では、変数full name「山田太郎」を、次の処理で「山田花子」にするなどの変更が可能です。
変数があるとゲームや計算が便利に
変数は複雑な印象があり、「どうして必要なのか」「なぜ覚える必要があるか」に悩むかもしれません。
しかし、変数を使用すれば、ゲーム作成も可能です。
例えば、「count」という変数では、クリックした回数を数えられます。
countは、クリックごとにボタンの色を変えたり、キャラクターを大きくしたり、さまざまな効果を発揮します。
クリックごとに鳴き声を入れ、効果音をつけることもできるでしょう。
変数を上手く利用すれば、ゲーム内での表現や管理が簡単になるのです。
変数の習得は計算にも役立ちます。
例えば、エクセルの複雑な計算式も、変数を用いれば簡略化でき、より使いやすくなります。
変数には作業を楽にする効果があるため、覚えて損はないでしょう。
変数を作る際の3つの注意点
変数をつくるときは、以下の3つの点に注意が必要です。
- 意味がひと目で分かる名前を付ける
- 使う前に宣言し、初期値を決める
- スコープを意識し「どこから見えるか」を管理する
変数を作成する際は、使用するときのことも考える必要があります。
誰が見ても意味が伝わり、使用しやすい変数をつけましょう。
ここでは、変数を作る際の注意点を詳しく解説します。
意味がひと目で分かる名前を付ける
変数には好きな名前をつけられます。
ただし、変数をより便利に使用するためにも、適当に名付けることは避けましょう。
データの内容・効果・役割に関連した名前をつけることが重要です。
分かりやすい名前をつけることは、作業効率をアップする上で必要なことです。
円の面積を計算する際、変数名が「A」「B」など抽象的だと、わかりにくさを招きます。
このため、「面積」「半径」など、一目でわかる名前選びが大切です。
また、わかりやすい名前は「一緒にチームを組んでいる人への配慮」でもあります。
複数人でプログラムを共有する場合、代行や引継ぎをすることもあるでしょう。
その際、「A」「B」といった抽象的な名称だと、何の変数かが伝わりません。
自分以外の誰かが困らないよう、わかりやすい名前をつけてください。
使う前に宣言し、初期値を決める
変数の宣言では、以下2つの指定を行います。
- 変数に名前をつける
- 変数の型の指定
この2つの指定により、コンピューターのメモリには領域(箱にあたるもの)が確保されます。
領域を利用すれば、さまざまな処理の開始が可能です。
コンピューターの中に部屋を作り、そこに名前を付けるイメージで覚えてみてください。
変数の宣言をした直後は、箱に何も入っていない状態です。
変数に数値を入れるには、代入演算子である「=」を用いる必要があります。
一般的に、整数型の「int」を用いることが多いです。
例えば、変数の名前を整数型・年齢にしたい場合は、以下のように名付けます。
int age;
さらに「18歳」と代入したいときは、以下のように明記します。
int age;
age=18;
int型には整数しか入れられないことに注意してください。
スコープを意識し「どこから見えるか」を管理する
変数のスコープとは、変数がアクセスできる範囲を指します。
指定された範囲以外の変数は「スコープ外」と呼ばれ、見ることはできません。
この状況を「ローカル変数(関数内)」といいます。
ローカル変数は値が変更されないため、プログラムの正確性を保ちやすいです。
スコープは変数をどこで宣言したかにより、有効範囲も異なります。
変数の宣言を関数の外側で行う場合、「グローバル変数(関数外)」になり、有効範囲はプログラム全体となります。
つまり、プログラム内のどこでも呼び出せます。
主に、プログラム全体でデータを共有する場合は、グローバル変数が用いられます。
しかし、汎用性が高いメリットがあるぶん、動作不良やバグを招きやすいです。
プログラミング言語によって変数の違いはあるのか?わかりやすく解説
プログラミング言語による変数の違いには、以下の4点が挙げられます。
- 静的型付けと動的型付け
- 宣言キーワードの違い
- スコープのルール
- 命名規則の差
処理には、プログラミング言語の種類に合った変数を選ぶ必要があるため、注意しましょう。
ここでは、上記4点について詳しく解説します。
静的型付けと動的型付け
プログラミング言語には、「動的型付け」「静的型付け」の2種類があります。
「型」とはデータの種類を指します。
例えば、人間は「3+三」と見れば「6」と答えを出せますが、コンピューターは理解できません。
なぜなら、コンピューターは数字と漢字を分けられないためです。
「3+3」あるいは「三+三」に言語を変更する必要があります。
このように、コンピューターに必要なデータの種類が「型」です。
「静的型付け」「静的型付け」の特徴は以下のとおりです。
静的型付け | 変数を定める際に型を宣言するデータの種類を限定する処理をしない限りデータの型は変わらない | java c#など |
動的型付け | データの型を宣言しない複数の言語コードを使用可能 | JavaScript PHPなど |
動的型付けのほうが難易度が低く、初心者向けといえますが、バグが出やすいなどのデメリットがあります。
宣言キーワードの違い
宣言キーワードとは、「これは変数です」とコンピューターに宣言するためのキーワードを指します。
JavaScriptの宣言キーワードは以下の3種類です。
const | ・再宣言と再代入どちらも不可・根が上書きされる心配がなく、安全に処理できる点がメリット・宣言する際に値を代入する必要がある |
let | ・再宣言不可能、再代入可能・後から値の代入も可能だが、多くの場合は宣言時に実施する |
var | ・再宣言や再代入が可能 |
基本的に、変数宣言はconstがおすすめです。
Constは再代入が不可のため、値の変更トラブルを防げます。
決められた処理を繰り返す「繰り返し構文」には、letが良いでしょう。
再代入ができる一方、再宣言は不可のためエラーを減らせます。
スコープのルール
スコープルールとは、変数が関与できる有効範囲のルールです。
スコープ内で変数を定義すると、その内部にしか関与できません。
プログラムは制御構造や関数の定義など、多くの構造により成り立ちます。
その際、変数の定義がどこまで及ぶのかを、スコープルールで区切らなければなりません。
変数の有効範囲がない場合、間違えて同じ変数を作ると、バグなどのトラブルが生じるためです。
代表的なスコープには、ローカルスコープとグローバルスコープがあり、ローカルスコープはさらにブロックスコープ、関数スコープの2種類に分けられます。
ブロックスコープ | ・関数(function)ごとに作られるスコープ・変数宣言により関数の内側からのみ参照が可能になる |
関数スコープ | ・ブロック({})ごとに作られるスコープ・変数宣言により、変数の外側からはアクセスできず、内側からのみ参照可能 |
命名規則の差
命名規則とは、簡単にいえば「名前付けのルール」です。
変数およびプログラミングに使用する名前は、チーム全員で共有できて、解りやすいものを選びます。
手分けして作業をする際、自分だけにわかる名前では、第三者が把握できません。
また、数人でプログラムを組むときも、名前はわかりやすく統一します。
誰が見ても、意味が通じる名づけが必要です。
プログラミングで使用される名前には、以下4つの命名規則があります。
パスカルケース | 名前の先頭に大文字を使用する例:Name |
キャメルケース | 名前の先頭を小文字にする例:name |
スネークケース | 各単語を小文字・アンダーバーでつなげる |
コンスタントケース | 各単語を大文字・アンダーバーでつなげる |
命名規則を使用すると、視覚的な解りやすさが得られるメリットがあります。
Javaでは変数・関数にキャメルケース、定数はコンスタントケースが用いられ、すぐに名前の把握が可能です。
変数と定数の違いをわかりやすく解説
変数と定数の違いは、「後から中身の入れ替えができるか・できないか」にあります。
変数 | 何度でも中身を変えられる |
定数 | 中身を変えることはできない |
プログラミングでは、「変えてはいけない設定」が存在します。
たとえば、現在の消費税は10%です。
手違いで8%や5%で計算されると困るでしょう。
万が一に備え、「絶対に変わらない設定にしたい」という場合は、定数を用います。
特に複数人でプログラム処理をする場合、コード変更にトラブルが生じやすくなるでしょう。
定数を使用すれば、間違えて中身を入れ替えるなどのトラブル予防になります。
後にプログラミングの変更が予想される際、使用するのは「変数」です。
プログラミングは定数と変数の違いを理解し、適切な使い分けが必要です。
まとめ
変数はプログラミングの基本です。
最初は複雑に思えますが、繰り返すうちに馴染むため、心配せずに取り組みましょう。
変数を学べば、データの代入により再利用も可能です。
同じデータを複数個所で使用できるため、運用が楽になるでしょう。
また、コードの意図や目的が把握でき、開発におけるコミュニケーションも楽になります。
プログラム変更も容易になるため、使用するうちに変数の便利さに気付くはずです。
コードを用いないノーコードツールでも、変数の理解は必要になります。
基本を押さえてこそ応用も可能になるため、ぜひ最初に変数を学んでください。
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