ITエンジニアの資格・試験14種類について解説!試験内容や勉強方法も紹介

ITエンジニア向けの資格・試験にはさまざまな種類があり、試験内容や実施時期、受験方式は試験によって異なります。

この記事では、IT系の資格・試験の種類や違いについて解説します。

IT系の資格・試験の種類と試験内容

ITパスポート試験や基本情報技術者試験などといった情報処理技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施しています。

この情報処理技術者試験は国家試験であり、IT業界では認知度も高いため、合格すると就職・転職で評価される可能性も高まります。

情報処理技術者試験の難易度

情報処理技術者試験は、IPAが定めた共通キャリア・スキルフレームワークによって以下のようにレベルがわけられています。

どの試験がどのレベルにあたるかは、のちほど説明します。

レベル定義
レベル4・高度な知識・スキルを持ち、プロとして業務遂行できる
・経験や実績に基づいて作業指示ができる
・経験を言語化して他者に説明し、部下の育成に応用できる
レベル3応用的知識・スキルを持ち、要求された作業について全て独力で遂行できる
レベル2基本的な知識・スキルを持ち、一定程度の難易度、または要求された作業の一部を独力で遂行できる
レベル1ITに関する最低限の知識を持ち、指導を受けて作業を遂行できる

情報処理技術者試験の種類と概要

ここからは、各試験の種類と実施概要について説明します。

▼基本情報技術者試験

基本情報技術者試験に合格すれば、IT業界で働く際に必須とされるITの基礎知識やスキルが証明できます。エンジニアを目指している人は、まず合格すべき試験だと言えるでしょう。

・試験日

通年

希望する会場と日時を選んで、空席があれば随時申し込みが可能です。

・試験方法

CBT方式

パソコンの画面上に表示された問題に対し、マウスやキーボードを使用して解答する受験方法です。

・難易度

レベル2

▼ITパスポート試験

ITパスポート試験は、ITに関する知識やスキルを証明できる資格です。セキュリティやネットワーク、経営戦略やマーケティング、財務や法務などの知識が問われます。

・試験日

通年

・試験方法

CBT方式

・難易度

情報処理技術者試験のうちもっとも難易度が低いとされています。

ITパスポート試験は、あくまで利用者としてのリテラシー的な知識を問う試験です。そのため開発者側となるエンジニアの採用試験では、合格していてもほとんど評価されません。

エンジニアを目指している人は、次のステップとして基本情報技術者試験の合格を目指すとよいでしょう。

▼情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して、組織の情報セキュリティ確保に貢献し、継続的に組織を守るために必要なスキルを認定する試験です。

・試験日

通年

・試験方法

CBT方式

・難易度

レベル2

基本情報と同じくらいの難易度です。

▼応用情報技術者試験

基本情報技術者試験から、さらに難易度や出題範囲を広げた試験が応用情報技術者試験です。基本情報技術者試験に合格したあと、よりステップアップしたい人向けの試験だと言えます。

・試験日

春期(4月)・秋期(10月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル3

▼ITストラテジスト試験

ITストラテジストとは、経営戦略に基づいて企業が抱える課題を抽出し、その解決に役立つIT戦略の策定から提案、推進までを担う仕事です。こうしたスキルを証明するのがITストラテジスト試験です。

・試験日

春期(4月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼システムアーキテクト試験

情報システムや組込みシステム、IoTシステムに関するエンジニアが対象の試験です。IoTシステム開発のための要件定義や、アーキテクチャの設計をするために必要な知識やスキルが求められます。

・試験日

春期(4月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークに関する固有技術を活用できるネットワーク管理者やネットワークエンジニアを対象とした試験です。主に通信・ネットワーク技術に関する知識やスキルが問われます。

・試験日

春期(4月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼ITサービスマネージャ試験

ITサービスマネージャとは、サービス運用のチームリーダーとして、安全性と信頼性の高いサービスを提供する仕事です。ITサービスマネージャ試験では、サービスマネジメントシステムの計画や運用、管理を行う知識とスキルが求められます。

・試験日

春期(4月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼情報処理安全確保支援士試験

情報セキュリティマネジメントや情報セキュリティインシデント、情報システムのセキュリティ確保など、さまざまなサイバーセキュリティ業務を円滑に遂行するための専門知識と技量が求められる試験です。

・試験日

春期(4月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼プロジェクトマネージャ試験

システム開発プロジェクトの全体計画の作成、および必要資源と人員の確保、予算・スケジュールに基づきプロジェクトを実行・管理する人材を対象とした試験です。プロジェクトの実行・管理を円滑に遂行するための知識とスキルが求められます。

・試験日

秋期(10月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼データベーススペシャリスト試験

データベースに関する技術を使って、最適な情報システム基盤を構築できる人材を対象とした試験です。高品質なデータベースの企画や要件定義、開発・保守のための知識とスキルが求められます。

・試験日

秋期(10月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼エンベデッドシステムスペシャリスト試験

IoT知識や組込みシステムの開発技術を使って、最適な組込みシステム開発基盤の構築・設計・製造ができる人を対象とした試験です。ハードウェアとソフトウェアの適切な組み合わせや、特定の技術・製品分野に関する深い理解が求められます。

・試験日

秋期(10月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼システム監査技術者試験

情報システムや組込みシステムへの総合評価を、独立した立場から行える人材が対象の試験です。脅威となるリスクを排除するための施策提案や改善ができる知識とスキルが求められます。

・試験日

秋期(10月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

▼情報処理安全確保支援士試験

サイバーセキュリティのスペシャリスト輩出を目的とした試験です。情報セキュリティマネジメントや情報セキュリティインシデント、情報システムのセキュリティ確保など、サイバーセキュリティに関するさまざまな専門知識とスキルが求められます。

・試験日

春期(4月)・秋期(10月)

・試験方法

筆記

・難易度

レベル4

情報処理技術者試験に合格するには?

各情報処理技術者試験の概要は、前述の通りです。

ここからは、情報処理技術者試験に合格するための注意点や勉強方法について解説します。

試験日・申し込み時期に注意

年間を通じて随時実施されている試験もありますが、中には春期のみ、秋期のみと年1回しか実施されない試験もあります。

年1回の試験の場合、申し込みを忘れてしまうと次に受験できるのは一年後となってしまいます。

例年の試験日程や申し込み期間を確認した上で、準備をしておくとよいでしょう。

学習計画と勉強時間の確保

情報処理技術者試験は実施頻度が少ない試験も多いため、しっかりとした学習計画を事前に組み立てておくのが重要です。

なお各試験において合格に必要な勉強時間は、すでにあるIT知識によって大きく変わります。

また試験によって難易度は異なりますが、どの試験も出題範囲が非常に広範となっています。

そのため気が向いたときだけ無計画に勉強しても、すべての範囲を網羅することはできません。

それどころか、合格レベルの実力が身につく前に試験本番を迎えることになってしまうでしょう。

学習計画は、受験する試験の出題範囲を把握した上で、試験日から逆算して立てるのが重要です。

試験日から逆算すれば、「この日までにこの分野を終える」「この週までに過去問を解く」といったこともわかりやすくなるでしょう。

未経験者は段階的にステップアップするのがおすすめ

未経験者が高度試験の合格を目指すことは不可能ではありませんが、非常に多くの勉強が必要となります。

未経験者の場合、まずはスキルレベルが下の試験から合格を目指していくのがよいでしょう。

回り道だと感じるかもしれませんが、九九も覚えていない小学生が高校数学レベルの問題を解くことはできません。

それと同じで、高度な知識を身につけるにはまず土台となる基礎知識を習得する必要があるのです。

IT初心者の場合、まずはITパスポート試験や基本情報技術者試験の合格を目指すのがよいでしょう。

さらに次のステップアップとして応用情報技術者試験に合格できれば、効率よくスキルアップができます。

まとめ

この記事では、エンジニア向けの資格・試験について解説しました。

  • 情報処理技術者試験にはさまざまなレベルと種類がある
  • エンジニアを目指す未経験者へのおすすめは基本情報技術者試験
  • 基本情報に合格したら応用情報技術者試験を目指すとよい
  • 年1回のみの試験も多いため申し込み期間の確認と学習計画が重要

未経験者がエンジニアを目指す場合、資格だけでなくプログラミングの勉強も始めておくとよいでしょう。

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