冒頭で述べたように、中小企業診断士の合格に必要な勉強時間は1,000時間が目安とされています。1,000時間もの勉強時間が必要なのは、中小企業診断士が国家資格の中でも難易度の高い資格だからです。
試験の合格率から中小企業診断士の難易度を見てみましょう。
中小企業診断士の筆記試験には1次試験と2次試験があります。平成21年度(2009年度)から令和3年度(2021年度)に行われた試験の合格率は次のとおりです。
合格率 | 平均 | 最高 | 最低 |
1次試験(A) | 24.8% | 42.5% | 15.9% |
2次試験(B) | 19.7% | 25.0% | 17.8% |
試験合格率(A)×(B) | 4.8% | 7.8% | 3.1% |
なお、2次試験には筆記試験を通過後、口述試験(面接)もあります。ただし近年の口述試験では、2次の筆記試験を突破した人のほぼ全員が合格しています。
1日あたりの勉強時間・勉強スケジュール
では、1,000時間を1日単位の勉強時間に落とし込むと、どの程度の時間になるのでしょうか。2つのケースを見ていきましょう。
なお、「1,000時間」はあくまで目安です。すでに深い知識・経験がある科目は1,000時間よりも勉強時間を少なくできます。逆に、はじめて学ぶ科目は勉強時間が見立てよりも多く必要になる場合もあるため、勉強時間は参考としてお考えください。
「1,000時間」を基準に考えると、1年(約50週)でストレート合格を狙う場合、1週間あたり20時間の勉強が必要です。平日・休日それぞれで1日あたりの勉強時間を割り出すと、次のようになります。
▼1日あたりの勉強時間
平日(5日) | 休日(2日) |
2時間 | 5時間 |
2時間30分 | 3時間45分 |
3時間 | 2時間30分 |
3時間30分 | 1時間15分 |
1年の勉強期間でストレート合格を目指す場合には、平日・休日とも1日あたりの勉強時間は長めになります。ただ、仕事と両立する期間は短くてすむため、短期間で集中して資格取得を狙いたい方には適しているでしょう。
また、転職や昇進などを目指す場合には、短期間での資格取得は次のステップへ早く進めることにもなります。
前述のような1日あたりの勉強時間を確保できない場合は、中小企業診断士の特徴である科目合格の制度を活用し、2〜3年程度かけて資格取得を目指す方法もあります。
科目合格とは「満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率」の場合に認められる制度です。申請を行うことで、翌年度と翌々年度の1次試験で当該科目の試験が免除されます。
1次試験は7科目あるため、たとえば1年目は4科目に「科目合格」し、2年目は残り3科目と2次試験の合格を狙うといったイメージです。
1,000時間を基準に考えると、2年(約100週)でストレート合格を狙う場合には、1週間あたりの勉強時間は10時間です。こちらも平日・休日それぞれ1日あたりの勉強時間を割り出しましたので、参考にしてみてください。
▼1日あたりの勉強時間
平日(5日) | 休日(2日) |
1時間 | 2時間30分 |
1時間30分 | 1時間15分 |
1年の勉強期間でストレート合格を目指す場合よりも、1日あたりの勉強時間は少なめです。そのため、仕事との両立をはかりやすいでしょう。
合格に向けた総勉強時間を1,000時間とする場合、1次試験の勉強時間は800時間程度が目安です。1次試験(7科目)の科目別勉強時間は、2次試験との関連性が高い科目の優先度をあげ、時間を長めに確保することをおすすめします。
2次試験との関連度 | 試験科目 |
高 | 企業経営理論、財務・会計、運営管理 |
中 | 経営情報システム |
低 | 中小企業経営・中小企業政策 |
1次のみ | 経済学・経済政策、経営法務 |
ここからは、科目別の勉強時間の目安と勉強のポイントを、優先度が高い試験科目順に解説していきましょう。
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1次試験は選択式(マークシート)で行われます。一方、2次試験の筆記試験は記述式で行われ、中小企業の診断および助言に関する実務について4つの事例が出題されます。
科目 | 内容 |
事例Ⅰ | 組織(人事を含む) |
事例Ⅱ | マーケティング・流通 |
事例Ⅲ | 生産・技術 |
事例Ⅳ | 財務・会計 |
まず「与件文」として、A4用紙2〜3枚程度に、中小企業における状況や課題などが提示されます。各事例で大問が5問程度出題され、字数制限(30〜200文字程度)に応じて文章を書いて解答します。
合格に向けた総勉強時間を1,000時間とする場合、2次試験の勉強時間は200時間程度が目安です。試験本番ではじっくり考える時間はありません。あらかじめ解答の手順をパターン化して練習しておくことが重要になります。
2次試験(4科目)の科目別勉強時間は下記のとおりです。
科目 | 勉強時間 |
事例Ⅰ〜Ⅲ | 100時間 |
事例Ⅳ | 100時間 |
事例Ⅳは、経営指標やキャッシュフローなどの計算問題が多く出題されます。計算が苦手な人は、過去問を多く解いて解説を読み、答えを導く能力を磨いておきましょう。
また、事例Ⅳは数値で答えるため正誤が明確です。ゆえに部分点が期待できず、解答できないと大きく得点を落としてしまいます。事例Ⅳの攻略が2次試験突破の鍵を握っていますので、十分に時間を確保して勉強しておくことが大切です。
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難易度の高い中小企業診断士試験に「短期間で」合格するためには、効率的に勉強することが重要です。下記の4つのポイントをおさえておきましょう。
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資格試験は合格ラインさえ超えれば合格できるため、すべてを完璧に学ぶ必要はありません。力を入れるべき部分、抜くべき部分を明確にした学習戦略があれば、効率的に学習を進められるでしょう。
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知識のインプットは、文字を読むだけでなく映像や音声なども使うと効率的です。それに加え、何度もくり返し復習することで知識が定着します。
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記述式の2次試験に合格するには、知識量よりも整理された知識をすばやく引き出せることがポイントです。短期間で合格を目指すなら、はじめから2次試験を意識して、頭の中を整理しながらインプットしておく必要があります。
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また「ここまで何時間勉強したか」「問題練習のくり返しでどれだけ得点が上がったか」など努力を「見える化」する機能や、勉強仲間と励まし合う機能もあり、モチベーションをあげながら学習ができるでしょう。
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今回は、中小企業診断士の試験合格に必要な勉強時間についてご紹介してきました。
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監修 市岡 久典
中小企業診断士 |
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