情報セキュリティマネジメント試験とは?
情報セキュリティマネジメント試験とは、情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から組織を守る基本スキルを認定する試験です。
試験レベルは、共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)のスキルレベル2に相当します。
インターネットが普及しITが高度化する中、サイバー攻撃の手口は巧妙化・複雑化し社会にとっての大きな脅威となっています。
サイバー攻撃から機密を守り情報セキュリティを確保するのは組織の経営課題であり、ITの安全な利活用を推進する人材の需要も高まっているといえるでしょう。
「情報セキュリティマネジメント試験」は情報セキュリティを担う人材のニーズの高まりを背景に、国家試験である「情報処理技術者試験」の新しい試験区分として創設されました。
情報セキュリティ全般の知識が問われるほか、解答にはネットワークやシステム監査、経営管理などセキュリティに関連する幅広い知識が求められます。
情報セキュリティマネジメント試験の受験が推奨されているのは、次のような方です。
- 業務で個人情報を取り扱う方
- 業務部門・管理部門で情報管理を担当する方
- 外部委託先に対する情報セキュリティ評価・確認を行う方
- 情報セキュリティ管理の知識・スキルを身に付けたい方
- ITパスポート試験合格から、さらにステップアップしたい方
情報セキュリティマネジメント試験は、ITに関わる方に有用な試験です。
社会全体のIT化がさらに進めば情報セキュリティマネジメント試験の注目度も高まり、合格者が活躍できる機会は増えるかもしれません。
随時申し込み、試験日の自由な設定が可能なCBT方式の試験
情報セキュリティマネジメント試験は、随時申し込みで試験日を自由に設定ができるCBT方式の試験です。
CBT(Computer Based Testing)とは、全国各地にあるテストセンターに行ってコンピューターを利用して受験をする方式のことです。
メリットはテストを受けられる会場が増えることで、試験終了後にはコンピューター画面上に成績が表示され、その場で総合評価点を確認できるといった利点もあります。
情報セキュリティマネジメント試験は令和2年度(2020年度)にCBT方式になり、令和5年度(2023年度)より制度が変更され随時試験が実施されるようになりました。
2023年の試験概要は、下表のとおりです。
申し込み受付開始日 | 2023年3月15日(水)10時から |
試験開始日 | 2023年4月5日(水)(※1) |
実施方式 | CBT方式 |
試験会場 | 株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ(CBTS)が認定する全国のCBTテストセンター(※2) |
※1:試験会場によって開催する試験日時が異なります。各試験会場における試験日時は、申し込み時にご確認ください。
※2:最新のテストセンターは、申し込み時にテストセンター|CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイトでご確認ください。
試験制度の変更により、情報セキュリティマネジメント試験の受験者は試験日時と会場を自由に設定できるようになりました。
仕事や学業との日程調整がしやすくなり、学習計画も組み立てやすくなったといえます。
演習問題や過去問はどこで手に入る?
情報セキュリティマネジメント試験の対策には、想定問題集や過去問を活用するのが効果的です。問題演習に取り組むことで知識が定着するでしょう。
問題集は書籍のほか、通信講座などを使って入手できます。最新の教材であれば、試験制度変更後の試験形式に対応しているのはもちろん、新しいトピックスへの対応も随時行われています。
また、過去の傾向を知るためにも過去問のチェックもしておきましょう。
情報セキュリティマネジメント試験の過去問題は、試験を運営している独立行政法人IPAが公開しており、公式サイトから入手可能です。
CBT方式になった令和2年度以降、過去問題が公開されなくなっていましたが、令和5年度になり全問ではないものの、一部の問題が公開されるようになりました。
IPAの公式サイト「過去問題|試験情報|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」からダウンロードでき、PDF形式で入手可能です。
初学者が情報セキュリティマネジメントの学習に取り組む場合、まずは講座や参考書などの教材で試験範囲の概要を理解しておくのがおすすめです。
概要を掴んだら問題演習に着手し、間違えた箇所は教材に戻って確認します。
このように問題演習と教材でアウトプットとインプットを繰り返すことで、問題の正解率はアップするでしょう。
情報セキュリティマネジメント試験に合格する近道は多くの問題演習をこなすことです。
手元にある問題集や過去問はすべて一度は解いておく、くらいの気持ちで試験に臨みましょう。
制度変更前の過去問を問題演習にとりいれるには?
IPAが公開している過去問題のうち、多くは制度変更前のもので、かつて「午前試験」「午後試験」と呼ばれていた時代の古い問題です。
令和5年4月の制度変更以降は「科目A試験」「科目B試験」に名称が変わり、試験内容も変化しました。
特に注意したいのは科目B試験で、科目A試験で出題される範囲の知識をベースとした応用問題が出題されます。旧・午後試験の頃の問題とは出題形式が大きく異なります。
科目B試験を突破するには試験の問題文を理解する読解力も必要とされるため、しっかりとした試験対策が必要です。
科目B試験対策に旧・午後試験過去問を使う場合は出題形式と解答ペースに注意
科目B試験の対策に旧・午後試験の過去問題を使う場合は、出題形式の違いと解答するペース配分に注意しましょう。
試験制度の変更によって旧・午後試験が科目B試験に変わったとき、出題形式や問題の出題数も変わりました。
旧・午後試験は大問形式でしたが、科目B試験になった際に出題形式が変わってコンパクトな小問形式になっています。
出題形式が変化したため解答にかかる時間が大きく変わり、解答数や試験時間も変わっているので、解答のペース配分には注意が必要です。
ただし試験の出題範囲は変わっていないため、科目B試験対策に旧・午後試験の過去問題を活用するのは現時点では有効です。
過去問題を解く際は、本番は小問形式であることを念頭に置き、解答するペースは過去問題と科目B試験では異なるという意識を持っておきましょう。
試験直前の対策では問題演習が必須レベル
情報セキュリティマネジメント試験合格までの勉強時間は、一般的に200時間程度必要だといわれています。
学習を進めていると、200時間のうち多くの時間をIPAサイトで入手できる過去問題やサンプル問題、教材の問題集など、問題演習に費やすことになるでしょう。
情報セキュリティマネジメントの試験の勉強は、問題演習を重点的に行うのが効果的です。
参考書で試験範囲の概要を掴んだら早めに問題演習に取り掛かり、試験直前まで演習を繰り返しましょう。問題に慣れておけば、自信を持って試験に臨めるはずです。
まとめ
最後に、情報セキュリティマネジメント試験の過去問題活用法をもう一度振り返ってみましょう。
- 情報セキュリティマネジメントの過去問題は、IPAの公式サイトからダウンロードできる
- 公開されている過去問題に令和2年度~令和4年度実施のCBT問題は含まれていない
- ただし、令和5年度には公開問題として一部の問題が公開された
- 科目B試験対策に旧・午後試験過去問を使う場合は注意が必要
- 試験日の直前は問題演習で仕上げをするのがおすすめ
経済産業省が認定する国家試験でありながら、必要な勉強時間は200時間程度と、比較的合格を目指しやすい情報セキュリティマネジメント試験。
問題演習をしっかり行って試験に臨めば合格に大きく近づきます。
基礎からしっかりと情報セキュリティマネジメント試験の対策を進めたい方、スキマ時間で効率的に学習したい方には「スタディング 情報セキュリティマネジメント講座」がおすすめです。
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