情報セキュリティマネジメント試験は合格しても意味がない資格なのか?

情報処理技術者試験のなかでは取り組みやすいレベルの情報セキュリティマネジメント試験。比較的新しい試験区分であることや、難易度がそれほど高くないこともあってか、「就職・転職活動にあたって評価されにくい」といった声を耳にすることもあります。

実際のところ、情報セキュリティマネジメント試験は合格しても意味がない資格なのでしょうか。実施団体が想定する受験者像、出題範囲などから分析してみましょう。

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目次 Contents

情報セキュリティマネジメント試験は合格しても意味がない資格なのか?


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そもそも情報セキュリティマネジメント試験とは?

情報セキュリティマネジメント試験とは「情報処理技術者試験」に属する国家試験のひとつで、試験では企業や組織の情報セキュリティを確保し、サイバー攻撃といった脅威から組織を守るスキルが問われます。

ITの高度化によってサイバー攻撃の手口は巧妙化・複雑化し、今や社会や企業にとっての大きな脅威となりました。

そのため、情報を守り管理する人材の需要は高まっており、そのニーズに応えて創設されたのが情報セキュリティマネジメント試験です。


情報セキュリティマネジメント試験で認定されるのは、情報セキュリティマネジメントの計画や運用、評価、改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルです。

受験の対象は組織内の情報管理を担当する人や、情報セキュリティ管理の知識・スキルを身に付けたい人、またITパスポート試験合格からさらにステップアップしたい人などです。

試験の手数料は税込み7,500円で、CBT(Computer Based Testing)方式で、年間を通じて随時受験できます。


情報セキュリティマネジメントを担う人材のスキルを認定するのに役に立つ

情報セキュリティマネジメント試験に合格すれば、情報セキュリティに関する基本的な知識やスキルを持っている証となります。

そのため、試験は情報セキュリティマネジメント人材のスキルを認定するのに役立っているといえるでしょう。

情報セキュリティマネジメント人材の需要は高まっており、ITに関わる専門的な企業だけでなくさまざまな業種や職種、また営業・企画・製造・総務・人事・経理といった部門で必要とされています。

情報セキュリティマネジメントの知識を持つ人材がいれば、組織全体の情報セキュリティ意識を高められ、サイバー攻撃を受けるリスクを軽減できるでしょう。

そのような情報セキュリティマネジメント人材が一定以上の知識・スキルを持っているかの指標として、情報セキュリティマネジメント試験の合格が目安になるのです。


情報セキュリティマネジメント試験は取得しても意味ない資格なのか?

情報セキュリティマネジメント試験では多くの組織や企業で必要とされるスキルが問われますが、なぜ合格しても意味がないといわれるのでしょうか。

「意味ない」といわれる要因のひとつには、就職・転職においてメリットが多くないことが考えられます。

その点を見ていきましょう。


就職・転職においてはメリットが多くはない情報セキュリティマネジメント試験

就職や転職においては、情報セキュリティマネジメント試験に合格してもメリットは多くありません。

情報セキュリティマネジメントの受験対象は技術者ではなく「ITを利活用する人」で、ITパスポートと同様、試験内容はセキュリティの入門レベルです。

これらの試験に合格しただけでは、就職や転職の選考で有利に働く可能性は低いでしょう。


就職や転職で有利に働くのは、ITサービスマネージャやITストラテジストといった技術者向けの高度な資格です。

しかし、これらの資格は難易度が桁違いに高いので、IT初学者が合格を目指すのは現実的ではありません。

その点、情報セキュリティマネジメント試験はIT初学者でも合格に手が届きやすく、現代社会に必須の知識を学べます。

就職や転職に有利に働くことはないものの、合格した証を所持していることで情報セキュリティへの関心の高さや、試験合格のために努力できる姿勢もアピールできるでしょう。

情報セキュリティマネジメント試験合格のメリット・デメリットを整理すると、以下のとおりです。


▼メリット

  • 合格に手が届きやすい
  • 現代社会に必須の知識を学べる
  • 情報セキュリティへの関心の高さや努力できる姿勢をアピールできる


▼デメリット

  • 就職や転職に直接有利に働かない


就職活動を第一に考えるなら、難易度の高い技術者向けの試験を検討するのもひとつの方法です。

メリット・デメリットを考慮して、目指す試験を定めましょう。


ITやセキュリティの知識は、履歴書だけで一概に評価できない

情報セキュリティマネジメント試験は問われる知識やスキルのレベル設定が低いため、試験に合格していることを履歴書に記載しても、就職や転職で高く評価されることはありません。

同じく「ITを利活用する人」向けの試験であるITパスポート試験もそのようにいわれています。

しかし、情報セキュリティは情報化が進む現代において「知らない」では済まされない知識なので、しっかり学ぶことは非常に大切です。

もし、どうしても就職・転職活動で有利になるような資格を優先して取得したい場合は、技術者・開発者向けの基本情報技術者試験にチャレンジするのもおすすめです。

自分の目指すキャリアプランに合わせた目標設定を心がけ、難易度も考慮して目標への近道となる試験を検討しましょう。


情報セキュリティマネジメント試験を目指す意味がある人、有利な人ってどんな人?

情報セキュリティマネジメントの知識は現代のビジネスパーソンには必要である反面、転職や就職にはそれほど有利ではないと解説しました。

では、どのような人が情報セキュリティマネジメント試験を目指すべきなのでしょうか。

以下の項目にそって、情報セキュリティマネジメント試験を目指すべき人を解説します。

  • 情報セキュリティに関わるすべての人に価値がある試験
  • ITパスポート試験から次のステップを目指す人にも
  • 対象はITパスポートと同じIT利用者、難易度は基本情報技術者と同等のスキルレベル(CCSFレベル)2
  • 上位資格は「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」


情報セキュリティに関わるすべての人に価値がある試験

情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティに関わるすべての人に価値がある試験です。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)によると、情報セキュリティマネジメント試験は次のような人に受験をすすめています。

  • 業務で個人情報を取り扱うすべての人
  • 業務部門・管理部門で情報管理を担当するすべての人
  • 外部委託先に対する情報セキュリティ評価・確認を行うすべての人
  • 情報セキュリティ管理の知識・スキルを身に付けたいすべての人
  • ITパスポート試験合格から、さらにステップアップしたいすべての人

情報セキュリティマネジメント試験に合格すれば、情報管理やセキュリティに関する知識とスキルを持っていることを証明できます。

セキュリティに関する知識があれば、情報管理業務において安全な判断が可能になるでしょう。


ITパスポート試験から次のステップを目指す人にも

情報セキュリティマネジメント試験は、ITパスポート試験から次のステップを目指す人にもおすすめです。

ITパスポート試験とは、ビジネスパーソンが知っておくべきITの基礎知識や活用するスキルを問う試験で、試験の難易度はスキルレベル(CCSFレベル)1に該当するやさしい試験です。

情報セキュリティマネジメント試験はレベル2に設定されていることから、ITパスポート試験のほうが難易度は低いといえます。

情報セキュリティマネジメント試験は、ITパスポート試験の上位資格という位置付けなので、ITパスポート試験に合格してさらにステップアップしたい人は、積極的にチャレンジするとよいでしょう。

また、情報セキュリティマネジメント試験の問題が難しいと感じたら、まずはITパスポート試験の合格から目指していくのも、ひとつの方法です。


対象はITパスポートと同じIT利用者、難易度は基本情報技術者と同等のスキルレベル(CCSFレベル)2

情報セキュリティマネジメント試験は、受験対象がITパスポート試験と同じIT利用者で、難易度は基本情報技術者試験と同等のスキルレベル(CCSFレベル2)です。

基本情報技術者試験はスキルレベル(CCSFレベル)2に該当する試験ですが、こちらは受験対象が「IT利活用者」ではなく、「情報処理技術者」です。

つまり、プログラマーやエンジニアといった開発者を対象とした試験であり、情報セキュリティマネジメント試験よりも試験内容が専門的で難易度は高いといわれています。

そのため、ITパスポート試験からのステップアップを考えた場合、同じIT利活用者対象の試験である情報セキュリティマネジメントが有力な選択肢となります。


上位資格は「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」

情報セキュリティマネジメントの上位資格には、情報処理安全確保支援士(登録情報セキュリティスペシャリスト、略称:登録セキスペ)が該当します。

情報セキュリティマネジメント試験と、情報処理安全確保支援士試験の難易度を比較してみましょう。


情報処理安全確保支援士試験はスキルレベル(CCSFレベル)4で、スキルレベル(CCSFレベル)2の情報セキュリティマネジメント試験よりも難易度の高い試験です。

情報処理安全確保支援士試験の受験対象は、サイバーセキュリティの専門知識を持ち、情報システムの企画や設計、開発、運用、推進をする人材です。

試験に合格後、所定の登録手続きをすれば、情報処理安全確保支援士(登録情報セキュリティスペシャリスト)を名乗ることができ、サイバーセキュリティに関する高度な専門知識や技能を持っている証として資格を提示できます。

情報セキュリティマネジメントの上位資格といえる情報処理安全確保支援士は、独占業務こそないものの名称独占資格であり、難易度の高さに見合った社会的な信用や信頼が得やすい資格といえるでしょう。


情報セキュリティマネジメントが生かせる仕事って?

情報セキュリティマネジメントは、情報セキュリティに関わるすべての人や、ITパスポート試験から次のステップを目指す人におすすめの試験です。

では、情報セキュリティマネジメントを生かせる仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。

情報セキュリティマネジメントは、IT技術者・開発者というよりもIT利用者側向けの資格で、生かせるのは情報管理を担当する人、情報セキュリティ評価・確認を担当する職種の人です。

本章で詳しく解説していきます。


IT技術者・開発者というより、IT利用者側向け

情報セキュリティマネジメント試験はIT技術者や開発者向けの試験ではなく、IT利用者側向けの試験です。

試験に合格すれば、サイバー攻撃や情報漏洩といった脅威から組織を守り、トラブルが発生しても適切に対応することで被害を最小限に食い止められる人材になれます。

「情報セキュリティに関わるすべての人に価値がある試験」の項でも述べたように、情報セキュリティに関わるすべての人に意味のある知識を得られる試験だといえるでしょう。


情報管理を担当する人、情報セキュリティ評価・確認を行う人にもおすすめ

情報セキュリティマネジメント試験は、情報管理を担当する人のみならず情報セキュリティを評価・確認を行う人にもおすすめです。

受験で得た知識を生かせるのは、次のような職種です。

  • 企業の情報管理やセキュリティ部門
  • システムエンジニア
  • プログラマー
  • ITコンサルタント

企業の情報管理やセキュリティを担当する人や、システムエンジニア、プログラマーといった職種の人は情報セキュリティ対策の知識は必須といえるでしょう。

企業のIT戦略を策定してシステムの提案や開発を行うITコンサルタントも、情報セキュリティの知識は不可欠であり、業務遂行に役立ちます。

情報セキュリティマネジメントはITに関わる職種の人には有用な試験であり、情報セキュリティの知識はさまざまな業種・職種のビジネスパーソンにとっても知っておいて損はないといえます。


まとめ

本記事では「就職・転職活動にあたって評価されにくい」といった声が聞かれることもあった情報セキュリティマネジメント試験の「試験を目指す意味がある人」や「受験者像」について解説しました。

意味がないどころか、情報セキュリティマネジメント人材の需要は高まっており、ITに関わる専門的な企業だけでなくさまざまな業種や職種、また営業・企画・製造・総務・人事・経理といった部門で必要とされています。

  • 就職・転職においてメリットが多くないことが「意味ない」と言われてしまう理由なのかも
  • ITパスポート試験から次のステップを目指す人には最有力候補となる試験
  • ITに関わる職種の人に有用。さまざまな業種・職種でも情報セキュリティの知識は必須

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