情報セキュリティマネジメント試験の合格率は? 過去の推移もあわせて解説

情報セキュリティマネジメント試験は、情報処理技術者試験の難易度的にはITパスポート試験よりスキルレベルが1つ上で、基本情報技術者試験と同じスキルレベル2に相当する試験です。

2023年に試験制度の変更がありましたが、合格率はどれくらいなのか、これまでに実施された試験の推移とあわせて解説していきます。

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目次 Contents

情報セキュリティマネジメント試験の合格率は? 過去の推移もあわせて解説


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旧方式のころの合格率は概ね50%~60%台

原則として試験の難易度や他の受験者との平均点に関わらず、旧制度では午前・午後試験共に60点、現在の制度では科目A・B試験共に600点の合格基準点を超えた受験者が合格となります。

合格率は一律ではありませんが、令和4年度までの旧方式では概ね50%~60%台で推移していました。

一方で、新方式になった2023年度は従来よりも合格率が高い傾向にあります。


過去7年間の情報セキュリティマネジメント試験合格率の推移は?

情報セキュリティマネジメント試験の過去の合格率の推移をみていきます。

試験がスタートした2016年度(平成28年度)から、合格率が発表されている直近の年度である2022年(令和5年度)までの推移を見ると、実施年度によってばらつきもありますが、創設直後を除くと、基本的には50%~60%前後の間に収まる傾向でした


一方、新試験方式となった2023年4月以降は、70%台となっています。

2023年8月時点では、旧方式のころよりも易化傾向にあるといえそうですが、油断は禁物です。

年度 合格率
平成28年春期 88.0%
平成28年秋期 70.3%
平成29年春期 66.4%
平成29年秋期 50.4%
平成30年度春期 53.7%
平成30年度秋期 46.3%
平成31年度春期 51.9%
令和元年度秋期 47.0%
令和2年度10月 66.6%
令和3年度春期 52.4%
令和3年度秋期 53.9%
令和4年度春期 61.2%
令和4年度秋期 52.0%
(試験方式変更)
令和5年度4月 76.2%
令和5年度5月 78.2%
令和5年度6月 72.4%
令和5年度7月 73.3%
令和5年度8月 75.5%

【出典】情報処理推進機構「統計情報(全試験区分)」、「統計情報(情報セキュリティマネジメント試験)


試験制度の変更と試験通年化で合格率に変化は?

情報セキュリティマネジメント試験は2020年度(令和2年度)4月以降、試験会場にあるPCで受験するCBT方式が採用され、さらに2023年度(令和5年度)4月には試験制度が変更されました。

これに伴い合格率や難易度に変化があったのか見ていきます。


IPAが公開している統計情報によると、2023年度(令和5年度)4月に実施された情報セキュリティマネジメント試験の合格率は76.2%でした。

これは創設当初の平成28年度春期に次ぐ数字であり、従来の平均的な合格率から考えると1.3~1.4倍程度の合格率であったことがわかります。

仮に今後もこの水準の合格率が出続けるのであれば、情報セキュリティマネジメント試験は易化傾向にあると言えるかもしれません。


ただし、2023年8月段階では新試験制度の統計情報が少なく、上記の公表結果をもって試験の難易度が下がったと判断するのは早計です。

2023年度(令和5年度)の制度変更初年度は、制度変更に伴い難易度があえて低めに設定されていた可能性や、その合格率を受け今後の試験の難易度が調整されるような可能性も考えられます。過去の試験でも、高い合格率を記録した翌年は難易度の調整が行われていました。

今後の動向も確認しながら難易度の変化についても改めて確認すると同時に、合格率が高くなったからと油断せず、もしくは今後調整で難易度が上がった場合であっても対応できるように試験対策を進めることが重要です。


他の試験との合格率の比較

情報セキュリティマネジメントの合格率は50%~70%前後ですが、この水準は同じ情報処理技術者試験のカテゴリの中の他の試験と比較してどの程度の水準なのでしょうか。

代表的な試験としてIT資格の入り口である「ITパスポート試験」、情報セキュリティマネジメントと同じくスキルレベル2に属し、情報処理技術者資格の基本知識が問われる「基本情報技術者試験」、および情報セキュリティマネジメントの上位資格ともいえる難関資格「情報処理安全確保支援士」の3つと比較しながら解説していきます。


IT資格の入り口であるITパスポート試験と合格率を比較すると?

まず、情報セキュリティマネジメントの下位資格であり、IT資格の入り口ともいえるITパスポート試験と比較します。


ITパスポート試験の新制度累計(平成21年度春期からの累計)の統計を見ると、平均合格率は54.0%です。

一方で2023年4月-8月間の情報セキュリティマネジメント試験の平均合格率は75.1%のため、両者は平均合格率でみると情報セキュリティマネジメント試験の方が易しい試験のように感じられるかと思います。

ただし、情報セキュリティマネジメント試験は試験制度変更の初年度であり、今後調整が入る可能性がある点と、2つの試験の難易度が同等であるということを意味するわけではない点は注意しましょう。


ITパスポート試験は社会人として求められるITリテラシーの証明としての位置づけであり、業種や職種を問わず多くの社会人が受験するだけでなく、就職や学業での利点を考え大学生や高校生まで受験するケースもあるような試験です。

一方で情報セキュリティマネジメントは何らかの受験資格までは求められないものの、業務上一定のレベルでITスキルを求められる層や、もしくはこれからそういった職種への就職・転職を考える層が挑戦する試験です。

必然的に、ITパスポート試験と比較してもそもそもの受験者のレベルが異なるとも考えられます。

ITパスポートと同水準の合格率といっても、よりレベルが高いと思われる受験者の中での競争の結果である点には注意が必要です。


同じスキルレベル2に位置する基本情報技術者試験との合格率の比較

基本情報技術者試験は情報処理技術者試験の中でも情報セキュリティマネジメントと同じく「スキルレベル2」にカテゴライズされる試験であり、ITパスポート取得からの次のステップアップとしても人気の高い資格の一つです。

2023年4月から8月までの新試験制度の統計で見た場合、情報セキュリティマネジメント試験の平均合格率は75.1%であるのに対し、基本情報技術者試験の平均合格率は52.3%です。単純に合格率だけで比較するのならば、およそ1.4倍程度の差があることがわかります。


スキルレベル(CCSFレベル)の難易度が同一の「レベル2」に属することや、初学者が合格に必要な時間が200時間程度と言われているなかで、資格取得の難易度としては、基本情報技術者試験より情報セキュリティマネジメントの方が低いと言えそうです。

ただし、資格は取得自体を目的とするのではなく、業務に活用したり、キャリア形成に生かしたり、より上位資格の足掛かりにするなど、有効活用することで大きな価値が生まれます。

資格取得にあたっては、合格しやすそうな資格を手あたり次第取るのではなく、自分自身にとって必要な資格、必要になる可能性の高い資格を見極めながら計画を立てていくことも重要です。


上位資格とも言える難関試験・情報処理安全確保支援士との合格率比較

情報処理安全確保支援士は情報処理技術者のカテゴリの中でも最も難易度の高い「スキルレベル4」に位置する試験で、情報セキュリティマネジメント試験の上位資格と言えます。

試験形式は上記の試験で用いられるCBT方式ではなく、多肢選択式および記述式の試験であり、公表されている直近の数値である2022年度(令和4年度)春期の合格率は19.2%です。過去の統計を遡ってみても合格率は20%以下で推移しており、情報処理技術者試験のなかでも難関の部類に入ることがわかります。

情報処理安全確保支援士も受験資格が求められる試験ではありませんが、そもそも資格の専門性が高く受験者のレベルも高いであろうことも考慮すると、やはり最難関のスキルレベル4に位置するに相応しい狭き門であると言えるでしょう。


そんな情報処理安全確保支援士と比較すると、情報セキュリティマネジメントの試験は試験の難易度も低く、合格しやすい試験であることがわかります。

情報処理安全確保支援士のようなより専門性の高い上位資格を目指すべきかは、思い描く理想のキャリアによっても異なりますが、情報セキュリティマネジメントは一定の専門性を持っているだけでなく、こういった上位資格を将来目指すにあたっての足掛かりとしても重宝します。

特別に難易度の高い試験ではないため、まず情報セキュリティマネジメントの取得を目指すことは、今後のキャリア選択における有効な戦略と言えるでしょう。


合格点は1000点満点中で何点取ればいい?

情報セキュリティマネジメント試験は1000点満点中600点以上、つまり60%得点すれば合格です。

IPAが実施する他の情報処理技術者試験でも多くの試験でこの60%という水準が用いられています。

ただし、採点が素点方式ではなくIRT方式となっており、正答数が60%であっても、場合によっては得点が600点に届かないことがある点には注意が必要です。


情報セキュリティマネジメント試験では科目A試験、科目B試験の2科目が出題されますが、どちらかの科目で一定水準を下回った場合、総合点に関わらず無条件で不合格となるような仕組みはありません(ITパスポート試験の場合、3科目のうち1科目の得点率が30%を切った場合、総合点で60%を超えていても不合格とされます)。

情報セキュリティマネジメント試験の学習を始めたばかりの方にとって、この600点という点数はハードルが高く感じられるかもしれません。

しかし、実際の統計を見ると毎年の受験者のうちの50~60%前後がこの水準に達している通り、決して実現困難な高い水準の学習が求められているわけではないことがわかります。

着実に学習を積み重ねて行けば、初学者からでも短期での合格が十分に目指せる試験のため、計画を立てて効率的に学習を進めていきましょう。


まとめ

本記事では情報セキュリティマネジメント試験の合格率、そして基本情報技術者試験やITパスポート試験、そして上位資格とも言える難関試験・情報処理安全確保支援士との比較や合格点について解説しました。

  • 2023年4月-8月間の情報セキュリティマネジメント試験の合格率は70%台
  • 現段階でITパスポートより合格率は高い傾向にあるが、一概に比較できる試験ではない
  • 単純な合格率では基本情報技術者のほうが合格率は低い傾向
  • 情報処理安全確保支援士は合格率20%以下の狭き門
  • 情報セキュリティマネジメント試験の合格基準点は、総合評価点1,000点満点中600点

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