情報セキュリティマネジメント試験の合格に必要な勉強時間は?
情報セキュリティマネジメント試験合格に必要な勉強時間は、200時間程度といわれています。
ただし、ITの基礎知識をどれだけ持っているかによって必要な勉強時間は異なりますし、ITパスポート試験といった試験に合格していれば、さらに短時間の勉強で合格を目指すこともできるはずです。
どの程度の勉強時間が必要か、一般的な目安を知り、自分ならどのくらいかかるかをイメージして、勉強するスケジュールを組み立てましょう。
一般的には200時間くらいの勉強時間が必要とされる
情報セキュリティマネジメント試験に合格するには、IT初学者の場合200時間程度の勉強時間が必要だといわれています。
IT知識がまったくない状態から学習をスタートさせる場合は、試験本番までに200時間の勉強時間を確保するスケジュールを立てましょう。
毎日欠かさず3時間勉強すると2カ月と1週間ほどで200時間に達し、1日2時間の場合は3カ月と10日ほどで200時間の学習が可能です。
適度に休みを設ける場合はもう少し余裕を持った期間を確保し、ライフスタイルにあわせて具体的に計画を立てましょう。
1日に何時間勉強できるか、試験本番までの日数を計算して、タイトになり過ぎないスケジュールを作ることが重要です。
試験日までどれだけ時間があるかイメージできたら、目標に向けてコツコツ勉強しましょう。
ITパスポート試験などに合格していればさらに短時間で合格を目指せる
情報セキュリティマネジメント試験は、IT分野の基礎知識を持っているかいないかで、必要な勉強時間が大きく変わります。
たとえば「ITパスポート試験」に合格しているといった場合、200時間よりもさらに短時間で合格を目指せるでしょう。
ITパスポート試験とは、情報セキュリティマネジメント試験と同じくIT利活用者向けの試験で、すべてのビジネスパーソンを対象にしたITの基礎知識を問う試験です。
ITパスポート試験に合格しているなら基礎知識はすでに習得しているので、初学者よりも少ない勉強時間で試験範囲を網羅できます。
ベースの知識を使うことによって、新たな勉強時間は50~100時間程度まで短縮できるでしょう。
また、「基本情報技術者試験」に合格していれば、さらに短時間の勉強で対応できるはずです。
試験実施団体のIPA(情報処理推進機構)によると、基本情報技術者試験はスキルレベル(CCSFレベル)2に設定されており、これは情報セキュリティマネジメント試験と同じレベルです。
両試験ともスキルレベル(CCSFレベル)は2ですが、基本情報技術者試験はITエンジニアや開発者を対象としている試験なので、情報セキュリティマネジメント試験よりも難易度はやや高いといえるでしょう。
基本情報技術者試験に合格している人であれば、ITパスポート試験合格者よりもさらに短時間での合格を目指せます。
情報セキュリティマネジメント試験に1カ月で合格するのは難しい?
情報セキュリティマネジメント試験の合格にはおよそ200時間の勉強時間が必要とされており、1カ月で合格するのは難しいといえます。
ただし、ITの基礎知識を持っている、もしくはITパスポートといった試験にすでに合格している場合は、200時間よりも短時間の学習で合格を目指せます。
また、情報セキュリティマネジメント試験は令和2年よりCBT方式で実施となり、さらに令和5年からは、上期・下期実施の年2回実施から通年試験へ変更となりました。
随時受験できるようになったことで、学習スケジュールが組み立てやすくなっています。
ここからは、通年試験に変更となり随時受験できるようになったことと、初心者・独学者の目安の学習期間を解説します。
CBT方式とは
CBTとは「Computer Based Testing」の略称で、テストセンターに行きコンピューターを利用して受験をする方式です。
通年実施のCBT方式のメリットは、年間を通じて好きな日時で受験でき、従来の試験よりも受験者にとって利便性や公平性が高い点です。
テストセンターの会場も自分で選択できるため、自宅や職場から近い会場を選べます。
CBT方式では、試験終了後にはコンピューターの画面上に成績が表示され、総合評価点をその場で確認できます。
おおよその結果が試験終了後にわかるのも、CBT方式のメリットといえるでしょう。
受験日時を柔軟に選べるようになった
制度が変更となり自分で受験する日程を決められるようになったので、仕事や他の学業のスケジュールと調整しながら計画的に受験することが可能となりました。
いつでも好きなときに学習を始められ、試験に合格する自信がついたところで受験できるため、学習予定は組み立てやすくなったといえるでしょう。
初心者や独学の場合、3カ月から半年くらいを目安に学習プランを組み立てる
初心者や独学の場合、3カ月から半年くらいを目安に学習プランを組み立てましょう。
制度変更前の情報セキュリティマネジメント試験は上期(4~5月)、下期(10~11月)の年2回実施だったため、おおむね3カ月から6カ月程度の学習期間を想定している受験者が多かったようです。
毎日2時間休みなく勉強すると3カ月強で200時間に到達するので、適度に休日を設けても4~6カ月で200時間勉強して試験に臨めます。
ライフスタイルに合わせて学習時間を考えた場合の参考例を以下にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
▼平日5日に2時間勉強し、土日は休む場合
平日5日のみ2時間勉強すると、1週間で10時間勉強できます。
200時間に達するには20週必要で、5カ月程度の期間がかかります。
▼平日に1時間、土日に4時間勉強する場合
平日1時間・土日は4時間勉強すると、1週間で13時間勉強できます。
200時間に達するには15.4週必要で、4カ月程度の期間がかかります。
スクールに通ったり、1日あたりの勉強時間をさらに多く確保したりと工夫することが可能な状況であれば、勉強時間は3カ月程度に短縮できるでしょう。
なお、すでにIT基礎知識がある人の場合、さらに短い勉強時間で取り組むことも不可能ではありません。
情報セキュリティマネジメント試験対策の効率的な進め方は?
一般的に200時間程度の勉強時間が必要とされる情報セキュリティマネジメント試験ですが、勉強の進め方を工夫することでさらに効率よく学習を進められます。
試験対策の効率的な進め方は、まずは科目A試験の対策をすることで、試験まで1週間となったら過去問演習の反復を中心に行うことです。
ここからは、情報セキュリティマネジメント試験対策の効率的な進め方を解説します。
まずは科目A試験対策、科目B試験対策はその後で
情報セキュリティマネジメント試験科目は、「科目A試験(旧制度での午前試験に相当)」「科目B試験(旧制度での午後試験に相当)」の2科目です。
科目A試験は情報セキュリティマネジメント試験対策をする上で基礎・土台となる領域なので、まず科目A試験の勉強からスタートさせ、基本知識と用語の理解を深めましょう。
科目A試験の出題内容には「重点分野」と「関連分野」があり、詳細は下表のとおりです。
▼科目A試験「重点分野」
情報セキュリティ全般 | 機密性・完全性・可用性、脅威、脆弱性、サイバー攻撃手法、暗号、認証等 |
情報セキュリティ管理 | 情報資産、リスク、ISMS、インシデント管理などの各種管理策、CSIRT等 |
情報セキュリティ対策 | マルウェア対策、不正アクセス対策、情報漏えい対策、アクセス管理、情報セキュリティ啓発等 |
情報セキュリティ関連法規 | サイバーセキュリティ基本法、個人情報保護法、不正アクセス禁止法等 |
▼科目A試験「関連分野」
テクノロジ | ネットワーク、データベース、システム構成要素 |
マネジメント | システム監査、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント |
ストラテジ | 経営管理、システム戦略、システム企画 |
科目A試験の対策がある程度進み、過去問演習の正解率が上がったら、応用力を問われる科目B試験の対策に入ります。
科目B試験では、情報セキュリティ管理や情報セキュリティ教育、訓練等のケーススタディによる出題を通して情報セキュリティ管理の実践力が問われます。
科目A試験で出題される用語を理解していないと解けない問題が多いので、科目A試験の分野をある程度理解してから着手したほうが、効率よく学習を進められるでしょう。
優先順位をつけて学習できていれば、直前1週間は過去問演習を反復
試験直前の1週間は、過去問の演習を反復しましょう。
過去問を繰り返し解けば、問題文の読解力や応用力を鍛えられます。
科目A試験と科目B試験それぞれの領域を十分に理解できたら、試験直前は過去問演習に集中して、出題形式に慣れるのが有効です。
特に科目B試験は制限時間内に問題を正確に読み解いていく必要があるため、積極的に過去問に取り組んでアウトプットする学習がおすすめです。
ただし、科目B試験はまだ過去問演習ができるほどの過去問が蓄積されていないため、IPAのサンプル問題や、過去の午後試験の問題を解くなどの方法で、問題演習の回数を重ねていくことになります。
試験直前の1週間はしっかりと問題演習と見直しを反復すれば、応用力や実践力が磨かれるだけでなく、本番への自信にもつながるでしょう。
勉強時間の確保、ペース配分に悩んだら通信講座などの活用も検討
前章では、情報セキュリティマネジメント試験の対策には目安として200時間の勉強時間が必要で、3カ月から6カ月の期間で合格を目指すスケジュールを紹介しました。
このスケジュールでもし独学での合格は難しいと感じた場合は、通信講座やeラーニングの活用がおすすめです。
通信講座には専門知識を持つ講師が在籍しているので、疑問点が解消しやすくなるメリットがあります。
講師がかみ砕いてわかりやすく解説してくれるので内容を理解しやすく、独学よりも知識を深くインプットできるでしょう。
また、通信講座を利用すれば受験までのスケジュール管理が容易になります。
独学で勉強するとスケジュールを組み立てるのが大変ですが、体系だったカリキュラムのある通信講座を利用すれば、学習計画も整えやすくなります。
講座の無料体験を実施しているところもあるので、積極的に受講して自身に合ったサービスを選択しましょう。
参考書、学習アプリや試験情報Webサイトも有効活用して
IT初学者の場合、専門用語や試験範囲の内容を理解できるか不安になることもあるでしょう。
その場合は、参考書や学習アプリ、試験情報が掲載されたWebサイトなども活用するのがおすすめです。
参考書は、図解が多くて内容が理解しやすい本を選ぶのがポイントです。
ITに触れるのが初めてであれば、文章だけの書籍よりも図やイラストが豊富なテキストのほうがイメージしやすく、飽きずに勉強を継続できるでしょう。
また、参考書がどこまで網羅されているのかチェックすることも重要です。
問題演習が掲載されていない場合は、参考書の他に問題集を購入することも検討してみてください。
勉強中にわからないことが出てきたら、参考書や学習アプリ、Webサイトを活用して調べましょう。
わからないポイントはそのままにせず、都度調べる習慣をつけることが合格への近道です。
まとめ
本記事では情報セキュリティマネジメント試験に合格するために必要な勉強時間、学習スケジュールの立て方、効率的な勉強法について解説しました。
- 情報セキュリティマネジメント試験合格に必要な勉強時間は、一般的に200時間程度といわれている
- 3カ月程度の学習スケジュールを立てるのがオススメ。すでにIT知識がある受験者ならもっと短縮可能
- まずは科目A試験対策、科目B試験対策はその後という進め方が効率的
- 試験直前は過去問題やサンプル問題の演習を反復して問題パターンを覚える
基礎からしっかりと情報セキュリティマネジメント試験の対策を進めたい方、スキマ時間で効率的に学習したい方には「スタディング 情報セキュリティマネジメント講座」がおすすめです。無料のお試し講座もありますのでぜひご利用ください。