情報セキュリティマネジメント試験、科目B試験は制度変更前の午後試験とどう違う?

2023年度(令和5年度)における情報セキュリティマネジメント試験の制度変更を受けて、午後試験から大きく様変わりした科目B試験。出題範囲には変化がありませんが、出題形式が全く異なるので、今までとは異なった対策が必要です。

この記事では、具体的に科目B試験がどのように変わったのかや、効果的な試験対策について解説していきます。試験合格のために必要な情報をチェックし、効率的に合格を目指しましょう。
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情報セキュリティマネジメント試験、科目B試験は制度変更前の午後試験とどう違う?


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2023年度(令和5年度)の試験制度変更を受けて、情報セキュリティマネジメント試験は従来の「午前試験」「午後試験」から「科目A試験」「科目B試験」への試験構成が変わりました。

これによって大きく様変わりしたのが、長文問題から小問へと出題形式も変更になった「午後試験」から「科目B試験」への変化です。

従来の午後試験問題と現在の科目B試験問題はどのように違うのか、午後試験問題の過去問題は現在どの程度役に立つのか、などを分析してみましょう。


【解説】旧・午後試験と科目B試験は出題形式がまったく違う?

2023年度(令和5年度)に試験制度が変更され、従来の午後試験問題と現在の科目B試験問題は出題形式が大きく変化しました。

そこで、まずは旧試験制度の概要を以下の表から確認してみましょう。


▼午前試験(旧試験)

試験時間 90分
出題数 50問(小問)
解答数 50問(小問)
出題形式 多肢選択式(四肢択一)
満点 100点
合格点 60点



▼午後試験(旧試験)

試験時間 90分
出題数 3問(大問)
解答数 3問(大問)
出題形式 多肢選択式
満点 100点
合格点 60点


上記の表からわかるように、旧試験制度においては、四肢択一の「午前試験」と長文多肢択一の「午後試験」にわけて試験を実施していました。

午前試験と午後試験のそれぞれの試験で合格ラインに達すると、情報セキュリティマネジメント試験に合格となります。


次に、現行の情報セキュリティマネジメント試験制度の概要を確認していきましょう。


▼科目A・B試験

試験時間 120分
出題数 科目A:48問(小問)

科目B:12問(小問)

回答数 科目A:48問

科目B:12問

出題形式 科目A:多肢選択式(四肢択一)

科目B:多肢選択式

満点 1,000点
合格点 600点


科目A試験が旧午前試験の範囲に該当し、科目B試験が旧午後試験の範囲にあたります。

120分の試験時間内に科目A試験と科目B試験がまとめて実施され、両科目の総合評価点が基準点である600点に達すれば合格です。

旧試験制度においては、午前試験と午後試験の両方で合格点を満たさなければ合格にならなかったため、大きな変更点といえるでしょう。


さらに、旧試験の合計時間が180分であるのに対し、現行の試験は試験時間が120分と大幅に短縮されています。

科目A試験は問題数が50問から48問に減りましたが、それ以外の大きな変化はなく、その一方で科目B試験は大問3問から小問12問の出題になりました。

科目A試験と科目B試験の合計60問を解くことになるため、単純計算では1問当たりに2分かけられる計算となります。

しかし、科目B試験は科目A試験に比べ問題文が長くなるため、科目A試験は2分以下でスピーディーに解答し、科目B試験にじっくりと時間をかけられるようにしたほうが良いでしょう。


「午後問題難しい」と言われていた長文読解の出題が、科目Bの小問化で変化

科目A試験には大きな変化はない一方、科目B試験は大きな変化があったことがお分かりいただけるのではないでしょうか。


上記の表からわかるように、旧・午後試験の問題は、90分で大問3問の問題を解く形式でした。

つまり、大問1問あたりに30分もの時間をかける計算で、旧・午後試験は情報セキュリティの知識に加えて文章読解力も必要な長文問題だったのです。

そのため、一般的に旧・午前試験よりも旧・午後試験のほうが難しいといわれていました。

とりわけ長文読解に対して苦手意識を持っている人にとっては、試験合格に向けての大きな壁でした。


しかし、試験制度が変更された現行の科目B試験においては、小問での問題形式に変化し、ケーススタディ問題ではあるものの、旧・午後試験に比べ文章が短めとなり、コンパクトな出題となりました。

科目A試験が多肢選択式(四肢択一)なのに対し、科目B試験は多肢選択式という違いはあるものの「科目A試験と科目B試験の難易度が近付いた」と感じる人もいるかもしれません。

科目Bは情報セキュリティ管理における以下のようなケーススタディ問題が出題され、より実践的な知識が問われます。

  • 情報資産管理
  • リスクアセスメント
  • IT 利用における情報セキュリティ確保
  • 委託先管理
  • 情報セキュリティ教育・訓練 など

科目Aは知識問題がほとんどを占める一方で、科目Bでは具体的な事例をもとにした問題など、より実務に即した内容が出題されるでしょう。


旧・午後試験の過去問はまだ対策勉強に使える?

科目B試験の出題範囲と旧・午後試験の出題範囲はほぼ同一で、大きな変化がありません。

「出題範囲が一緒なら、過去問題を解けば試験対策ができる」と考える人もいるでしょう。

ここからは、旧・午後試験の過去問題を解くことは、そのまま科目B試験の対策として有効なのか、詳しく解説していきます。


旧・午後試験の過去問も科目B試験対策に活用しよう

小問のケーススタディ問題となった科目B試験と、長文読解が必要だった旧・午後試験では出題形式が大きく異なり、試験問題がコンパクト化されたため、1問あたりに30分もの時間をかける長文問題に慣れることの重要性は低いです。

しかし出題範囲は変わっていないため、科目B試験対策として、旧・午後試験の過去問題も積極的に活用していきましょう。

ただしその場合、問題文のボリュームの違いにより、解答にかかる時間が異なることには注意が必要です。受験直前の時期には旧・午後試験の過去問題ではなく新制度のサンプル問題で答案練習を行うようにして、解答時間のペースをつかんでおきましょう。


新制度の情報セキュリティマネジメント試験、科目別勉強法のコツは?

それでは、効率よく勉強を進めて情報セキュリティマネジメント試験に合格するためにはどのような対策をすればいいのでしょうか。

科目ごとの対策におけるコツを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。


科目A試験対策から始めて科目B試験対策、問題演習へ進むのが効率的

情報セキュリティマネジメント試験に合格するための勉強は、まずは科目A試験から対策を開始しましょう。

科目A試験も科目B試験も出題範囲は同一なので、基本的な知識を身につけやすい科目A試験から勉強を始めたほうがスムーズに取り組めます。

科目A試験の受験勉強には、参考書や問題集を活用するのもいいですが、過去問題を繰り返し解く対策が有効です。

なぜなら、2023年4月からの制度変更後の試験内容を示したIPAの「情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について」において、科目Aの出題範囲は「(旧)午前試験に準じる」とされており、問題数は50問から48問になっただけで、出題形式もほとんど変わらないからです。

科目Aに必要な知識のインプットとアウトプットを繰り返し、着実に知識を定着させましょう。


科目Aの問題演習である程度の得点が獲得できるようになってから、科目Bの対策を始めるのがおすすめです。

試験の制度変更によって出題形式が大きく変わった科目B試験ですが、旧・午後試験における過去問題もうまく活用しながら学習を進めるとよいでしょう。

情報セキュリティマネジメント試験を実施するIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の公式サイトには、試験問題の一部と解答例が紹介されているので、試験前に解いておくことをおすすめします。


情報セキュリティマネジメント試験対策のポイントは、コンピューター画面で解答する「CBT方式」に慣れること。

特に科目B試験は旧・午後試験と比較して問題文が短くなったとはいえ、科目A試験と比較すると問題の文章は長い傾向があります。

長文の中から問題を解くのに必要な情報を抽出し、解答を導き出すのは至難の業です。

コンピューターの画面上で長い文章を読み取るのは、紙での読解よりもさらに難易度が高いと考えられます。

そこで、情報セキュリティマネジメント試験までには、コンピューター上で試験を解く形式に慣れておくことが大切です。


試験の制度変更に対応した参考書や問題集であれば、コンピューター上で問題を解く練習ができるように、問題のPDFを付録としてつけている教材もあります。

IPAの公式サイトにおける試験問題も活用し、コンピューター上で問題を解く練習をしておきましょう。


行き詰まったら、通信講座など質問できる学習環境の検討を

試験対策にあたって、科目B試験は勉強に活用できる過去問題やサンプル問題などの数が不足しがちです。

コンピューター上での長文読解にも慣れなければならず、科目B試験は対策が難しい科目であるといえます。

学習を進める過程で、どうしてもわからない出題があったり「自分の学習方法やペースで合格できるのか?」と不安に感じたりすることもあるでしょう。


そのような場合には、充実した教材や質問ができる環境が整った通信講座を活用するのがおすすめです。

通信講座であれば勉強の順番などを一から考える必要がないので、効率的に学習を進められます。

学習を進める中でわからないことがあったらすぐに質問ができるので、わからない問題に対して必要以上に時間を費やすこともありません。

また、パソコンを活用する通信講座であれば、通信講座での勉強がそのままCBT方式で問題を解く対策につながるでしょう。


情報セキュリティマネジメント試験は、決して独学での合格ができないわけではありません。

しかし、効率的に勉強を進め、時間を有効に活用したいのであれば通信講座を活用するのがいいでしょう。

仕事や家事、子育てで忙しい人は、通信講座の活用を検討してみてください。


情報セキュリティマネジメント試験、旧・午後問題と科目B試験の違いまとめ

最後に、情報セキュリティマネジメント試験の「旧・午後試験の問題」と「科目B試験」の違いをおさらいしておきましょう。

旧・午後試験の問題と科目B試験の具体的な相違点は以下のとおりです。


▼旧・午後試験の問題と科目Bの違い

試験時間 出題数 解答数 満点 合格点
旧・午後試験 90分 3問(大問) 3問(大問) 100点 60点
科目B 120分(科目Aとあわせて) 12問(小問) 12問(小問) 1,000点(科目Aとあわせて) 600点(科目Aとあわせて)


大きな相違点は、120分の試験時間内に科目Aと科目Bがまとめて実施されていること。

それにともない、情報セキュリティマネジメント試験の合計時間が180分から120分へと大幅に短縮されました。

また、従来の試験制度では旧・午前試験と旧・午後試験の両方で合格点を満たさなければ、試験合格となりませんでした。

しかし、現行の試験制度においては科目Aと科目Bの合計が600点以上であれば試験合格となります。

必要であれば通信講座を活用し、効率的に勉強を進め、情報セキュリティマネジメント試験に合格してスキルアップにつなげてください。


まとめ

本記事では情報セキュリティマネジメント試験の旧・午後問題と現在の科目Bの違いについて解説しました。

  • 出題形式のコンパクト化で、問題文を読解する負担が軽減された
  • 旧・午後問題の過去問題も、科目B試験対策としてうまく活用したい
  • まず科目A対策を仕上げてから科目Bに取り組むのが効率的な学習法

基礎からしっかりと情報セキュリティマネジメント試験の対策を進めたい方、スキマ時間で効率的に学習したい方にはスタディング 情報セキュリティマネジメント講座がおすすめです。

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