ソフトウェア特許・回路配置利用権とは?

ソフトウェア特許と回路配置利用権は、一般的な特許権や商標、意匠などと比べると知名度が低く、耳なじみがないと感じる方も多いでしょう。パソコンやインターネットが欠かせない現代社会において、ソフトウェアと半導体は私たちの生活を支える重要な技術。これらの知的財産権を守る取り組みも必要です。

ソフトウェア特許とは?

ソフトウェア特許とは、パソコンに欠かせないソフトウェア創作に要した技術・アイデアに認められる特許です。独自のアイデアと技術に基づいて設計されたソフトウェアは、特許として独占的排他的権利を有します。

ソフトウェアには、著作権と特許権がある

ソフトウェアは、その権利を特許制度で守られると同時に、著作権制度で保護される部分もあります。ソフトウェアはもともと、プログラミング言語で構成されているため、「自然法則の利用によって創作された技術的成果」とは言えないわけです。つまり、ソフトウェアにおけるプログラムの部分は、特許法ではなく著作権法によって保護され、ソフトウェアのアイデアを権利として守りたいときは、特許庁に出願して特許を取得することになります。

ソフトウェアが特許化されると、そのアイデアを使ってソフトを開発するごとに、制度による制約を受けることになります。それはIT業界の発展を阻害するものとして、ソフトウェア特許に反対する声も少なくありません。

ビジネス方法の特許とは?

ソフトウェア特許は、最近その権利が認められるようになった、比較的新しい知的財産権です。とはいえ、ソフトウェアの開発が絡む特許権というのは以前から存在していました。例えば、金融機関の取引決済装置や、有価証券用複合データ処理システム、あるいは自動車などの競売システムなどです。これらの特許事例は、ソフトウェアとしての技術的特徴に乏しいため、ビジネス上のアイデアという評価によって、特許権が付与されています。これらの特許はビジネス方法の特許と呼ばれ、いわゆるソフトウェア特許とは区別して考える必要があります。

回線配置利用権とは?

回線配置利用権とは、IC(半導体集積回路)の配線パターンを創作した第一人者の権利を保護するための知的財産権です。新たに開発された半導体集積回路は、「半導体集積回路の回路配置に関する法律」に基づく利用権登録制度によって保護されます。

回線配置利用権の目的

半導体技術は、あらゆる電子製品に使用されており、人々の生活や社会インフラへの影響は計り知れません。また、高度で独自の半導体技術を持つことは、国際競争力の源泉ともなり得ます。半導体は何万とあるトランジスタやダイオードなどの回路素子の配置が異なるだけで、大きな性能の差を生じる点も見逃せません。企業や技術者が先端技術の粋を集めて生み出した回線配置利用権をきちんと保護することは、技術者の正当な権利を保護し、技術を守ることにつながるのです。

回路配置利用権の登録制度

回路配置利用権は、一切の登録業務を行う「一般社団法人ソフトウェア情報センター(SOFTIC)」に申請し、登録許可を受けることで、第三者に対する独占的権利を保有できます。登録の設定によって、半導体集積回路を利用するビジネスの権限が与えられ、専用利用権として認められます。また、他人に通常利用権を許諾することも可能です。権利侵害者に対しては、損害賠償や差し止めなどの請求を起こせます。その権限は排他的独占的であり、特許と同質の権利と言えるでしょう。権利の保護期間は、設定登録した日から10年間です。

回路配置利用権の登録は、登録申請の2年前までに対象の半導体集積回路を譲渡・利用していないことが条件で、登録機関のSOFTICが内容を審査して問題がないと判断された場合のみ、登録が認められます。

IT技術の進歩により、高くなった知財専門家のニーズ

ソフトウェアや半導体集積回路の権利をめぐる企業間争いや訴訟はたびたび起きています。特にソフトウェア特許は比較的新しい知的財産権だけに、認知度も高まっておらず、ソフトウェアに対する考え方の相違から、今後も権利侵害などのトラブルが容易に起こることも予想されます。自社が制作したソフトウェアの技術を保護するためには、知的財産という観点から権利を守る体制作りが不可欠であり、知財スペシャリストである知的財産管理技能士などがその役割を担うことになるでしょう。


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