賃貸不動産経営管理士講習とは?
初めに賃貸不動産経営管理士講習の概要、5問免除と呼ばれる理由を解説します。
これから賃貸不動産経営管理士試験の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- 賃貸不動産経営管理士講習の概要
- 「5問免除講習」と呼ばれる理由
賃貸不動産経営管理士講習の概要
賃貸不動産経営管理士講習とは、賃貸管理業務に必要な専門知識を習得し、実務能力を高めるための講習です。
賃貸不動産経営管理士試験よりも前に実施されるので、受講することで試験合格に必要な知識を定着させることができるでしょう。
賃貸不動産経営管理士協議会の指定を受けた実施団体が、一定の指針に則った学習過程(講習)を行います。
誰でも受講することができ、「概ね2週間の事前学習」と「スクーリングによる1日の講習」で、すべての講義を受講すれば修了となります。
受講料は実施団体ごとに異なりますが、テキスト代を含め概ね22,000円前後です。
「一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会 受付センター」が公表している令和5年の講習の概要は以下の通りでした。
年度によって実施要領は変更する可能性がありますが、参考にしてください。
学習内容 | ①概ね2週間の事前学習(令和5(2023)年度版「賃貸不動産管理の知識と実務」を使用した自宅学習)
②スクーリングによる1日の講習(令和5(2023)年度版「賃貸不動産管理の知識と実務」を使用、確認テストを含む |
日程 | 令和5年7月26日(水)~令和5年9月21日(木)※予定 |
会場 | 全国47都道府県126会場 |
講習時間 | 9:00~17:30(8:50受付開始) |
受講申込期間 | 申込期間は会場ごとに異なります。 |
受講料 | 受講料は実施団体ごとに異なります。
※令和5年度はすべての実施団体で18,150円(税込) |
受講要件 | 誰でも受講可。
ただし、受講申込方法は、実施団体により定めがある。 |
教材 | 令和5(2023)年度版「賃貸不動産管理の知識と実務」 |
修了の要件 | 概ね2週間の事前学習とスクーリングによる1日の講習全講義を適正に受講すること |
「5問免除講習」と呼ばれる理由
賃貸不動産経営管理士講習は「5問免除講習」とも呼ばれます。
同講習を修了すると、修了年度と翌年度の2年間、賃貸不動産経営管理士試験50問のうち5問が免除されるためです。
120分の試験時間内で解くべき問題が50問から45問になるので、合格の可能性が高まります。
賃貸不動産経営管理士は国家資格となったこともあり、年々難易度が上がっています。
このため、5問免除を目的に受験する方も今後増加するでしょう。
賃貸不動産経営管理士講習を受けるメリット
賃貸不動産経営管理士講習を受けるメリットは、5問免除のほかにも主に3つあります。
賃貸不動産経営管理士試験は国家資格になったことで、今後さらに難化すると予想されています。
受講料は決して安くありませんが、これから試験を受ける予定の方は検討してみても良いでしょう。
- 講習を受けると合格率がアップ!
- 幅広い内容を網羅的に学習できる!
- 初心者の理解に有効!
講習を受けると合格率がアップ!
賃貸不動産経営管理士試験は、120分で全50問を解かなければなりません。
単純計算すると1問あたりに使えるのは2.4分なので、常に時間を気にしながら問題を解く必要があります。
一方、講習を受けた場合は5問が免除され、120分で45問になるので、時間に余裕を持って試験に臨めます。
時間に余裕があれば、焦らず落ち着いて問題に取り組めるので、正答率も向上するでしょう。
実際に講習を受講した人、受講していない人の合格率を比較すると、以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
講習未修了者 |
20,381名 |
5,299名 |
26.0% |
管理士講習修了者 |
11,306名 |
3,475名 |
30.7% |
講習を受けていない人の合格率は26.0%であるのに対し、講習修了者の合格率は30.7%と、4.7%の差があります。
試験の合格率を上げる対策としては、講習受講は有効な手段といえるでしょう。
幅広い内容を網羅的に学習できる!
賃貸不動産経営管理士試験は内容が幅広いため、要所を押さえた学習が求められます。
独学では要所をつかむのが難しく、効率の悪い学習になりがちです。
一方、賃貸不動産経営管管理士講習では講師が重要な箇所を抜粋して指導してくれるので、効率的な学習が可能になります。
概ね2週間の事前学習とスクーリングによる1日の講習を受ける必要があり、公式テキストは約1,000ページにも上りますが、専門の講師による指導があるので実力がつきやすく、結果的に学習時間の短縮にもつながるでしょう。
講師にわからない点を質問をしたり、理解が困難な問題をより詳しく聞いたりすることも可能なので、5問免除が受けられる点だけでなく、試験対策として有効な手段になります。
初心者が理解を深めるのに有効!
賃貸不動産経営の実務経験がない方でも受講できます。
賃貸不動産経営管理士講習では専門の講師がわかりやすく指導するので、初心者の方でも理解が深まるでしょう。
どんな学習でも同様ですが、実務経験がないとテキストや問題集の内容が頭に入りにくく、経験のある方よりも学習時間が多くかかってしまいます。
そのため、特に初心者の方は一人で学習するより、詳しい人から指導を受けたほうが効率的に学習できます。
また、一人で黙々と学習するのが苦手な方にとっては、効果的な学習方法になるでしょう。
賃貸不動産経営管理士講習のデメリット
以上のように賃貸不動産経営管理士講習は試験合格を目指す方にとって、有効な手段になります。
しかし、良い点ばかりではないので、メリットとデメリットをよく理解したうえで検討することが大切です。
以下に管理士講習を受けることによるデメリットを2つ紹介します。
- 費用が高い
- 講習に行く必要がある
費用が高い
賃貸不動産経営管理士講習を受ける場合の一番のデメリットは、高額な費用がかかる点です。
講習実施機関によって講習料は異なる場合がありますが、18,000円前後の費用がかかります。
さらに講習で使用するテキストが税込4,048円(令和5年度時点)かかるので、合計で22,000円前後の費用を負担しなければなりません。
一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会が指定する3つの実施機関、令和5年度におけるそれぞれの講習料を紹介します。
実施機関 |
令和5年度の講習料(税込) |
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 | 18,150円 |
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会 | 18,150円 |
公益社団法人全日本不動産協会 | 18,150円 |
以上のように現在は3つの実施機関すべて共通です。
ただし、今後実施機関によって金額が変わる可能性もあるので注意しましょう。
講習に行く必要がある
講習に行く手間がかかる点も、デメリットの一つといえるでしょう。
賃貸不動産経営管理士講習はオンラインでは実施していないので、必ず会場まで出向く必要があります。
空き状況によっては、遠くまで出向く必要があるので、交通費の負担なども考えなければなりません。
また、講習は土日も行っていますが、予約が遅れ土日の定員が埋まってしまうと、平日が仕事の社会人は日程を合わせるのが困難になる場合もあるでしょう。
講習当日の 14 日前までは手数料を支払えばキャンセルできますが、講習当日の 13 日前を過ぎて当日出席ができなかった場合、キャンセルはできません。
講習は急な欠席、遅刻や途中退席が認められないため、体調はしっかりと整える必要があります。
予約した日に受講できなかった場合は、高い受講料を棒に振る可能性もあるので注意しましょう。
まとめ
最後に賃貸不動産経営管理士講習の特徴、メリット・デメリットについて、ポイントをおさらいしておきましょう。
- 賃貸不動産経営管理士講習を修了すると、賃貸不動産経営管理士試験が5問免除される
- 講習を修了した人の合格率は、講習を受けていない人よりも高い
- 要所を抑えた指導が受けられ、効率的な学習ができる点がメリットである
- 受講料が高額で、講習会場まで出向く必要がある点がデメリットである
ただし、賃貸不動産経営管理士は年々難易度が上がっているので、講習を修了した方も決して油断できません。
勉強時間はしっかりと確保する必要があるでしょう。
忙しい社会人の方はスキマ時間を活用することが合格への近道です。
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