無料お試し

賃貸不動産経営管理士試験の難易度、合格率

賃貸不動産経営管理士試験の難易度と合格率

令和5年度試験は28,299名が受験し、合格者は7,972名。合格率28.2%という結果でした。

令和5年度の結果だけ見れば、受験者の4分の1以上の方が合格できる確率です。しかし、この試験は誰でも受験できる環境で実施されるため、不動産業者もいれば未経験の社会人、学生もいるというふうに、さまざまな立場の受験者が含まれます。個人によって力量もモチベーションも異なるため、単純にデータだけで合格の可能性や難易度を判断することはできません。

言うまでもなく、勉強方法と個人の努力次第では、合格の可能性を高めることもできます。大切なのは、試験の特徴や現時点での力量、勉強できる時間などを考慮しつつ、適切な対策を取ること。合格率はあくまで目安と考えて、万全の準備を整える作業に力を傾けましょう。

近年の貸不動産経営管理士試験の合格率、合格点などの推移

年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率 合否判定基準
平成25年度 4,106 3,946 3,386 85.8% 28問
平成26年度 4,367 4,188 3,219 76.9% 21問
平成27年度 5,118 4,908 2,679 54.6% 25問
平成28年度 13,862 13,149 7,350 55.9% 28問
平成29年度 17,532 16,624 8,033 48.3% 27問
平成30年度 19,654 18,488 9,379 50.7% 29問
令和元年度 25,032 23,605名 8,698 36.8% 29問
令和2年度※ 29,591名 27,338名 8,845名 29.8% 34問
令和3年度 35,553名 32,459名 10,240名 31.5% 40問
令和4年度 35,026名 31,687名 8,774名 27.7% 34問
令和5年度 31,547名 28,299名 7,972名 28.2% 36問

※令和元年度までは全40問の出題でしたが、令和2年度より全50問に変更されました。

賃貸不動産経営管理士試験の特徴

賃貸不動産経営管理士試験は、1年に1度実施されます。受験資格はなく、不動産業界で働いた経験のない方や学生でもチャレンジ可能です。

借地借家法、賃貸借契約、あるいは固定資産税といった税制に関する問題も出題範囲となるだけに、合格を勝ち取るには不動産関連法規の基礎知識をマスターすることが大前提です。

賃貸不動産経営管理士試験は、全50問・四肢択一方式で行われます。

賃貸アパート・マンションなどの管理に関する実用的な知識を問う内容で、次の項目の中から問題が出されています(令和3年度の試験概要をもとに作成しています。)

イ.管理受託契約に関する事項
⇒管理受託契約の締結前の書面の交付、管理受託契約の締結時の書面の交付、管理受託契約における受任者の権利・義務、賃貸住宅標準管理委託契約書 等

ロ.管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項

⇒建築物の構造及び概要、建築設備の概要、賃貸住宅の維持保全に関する管理実務及び知識、原状回復 等


ハ.家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項

⇒家賃、敷金、共益費その他の金銭の意義、分別管理 等


ニ.賃貸住宅の賃貸借に関する事項

⇒賃貸借契約の成立、契約期間と更新、賃貸借契約の終了、保証、賃貸住宅標準契約書、サブリース住宅標準契約書 等


ホ.法に関する事項

⇒賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律、サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン、特定賃貸借標準契約書 等


へ.イからホまでに掲げるもののほか、管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項

⇒賃貸不動産の管理業務を行うに当たり関連する法令、賃貸不動産管理の意義と社会的情勢、賃貸不動産経営管理士のあり方、入居者の募集、賃貸業への支援業務 等

はじめてチャレンジする方にとっては難解なイメージを持たれるかもしれませんが、「敷金」や「賃貸借契約」などの用語は日常生活にとって身近なものであり、賃貸契約で家を借りたことがある方は、そのとき調べた経験があるかもしれません。問われるのは法律知識であるものの、生活にとって身近なテーマであれば、比較的頭に入りやすいのではないでしょうか。

★賃貸不動産経営管理士試験に短期合格するコツを動画で解説!

今後、難易度が上がる可能性も

賃貸不動産経営管理士は、令和3年4月21日に発表された国土交通省令で、「国家資格」となりました。より専門性の高い職業となっただけに、その責任も大きくなったと言えます。ますます当資格の価値が高まると同時に、試験をめぐる状況にも影響を及ぼしてくることが考えられるでしょう。

国家資格化によって資格の価値が高まり、試験問題の難易度も上がれば、合格率も抑えられることになるかもしれません。平成29年度試験では、それまでなかった個数問題や組み合わせ問題が出題されるなど、すでに問題が複雑化・高度化しているとの指摘もあります。また、令和2年度の合格率は、平成30年度から13.9%も下降していた令和元年度からさらに7.0%も下降し、29.8%という結果でした。国家資格後の賃貸不動産経営管理士試験の合格ラインや合格率は実際に試験が行われてみないと分かりませんが、これらの情報も一応、念頭に置いたほうがよさそうです。

さらに前述の通り、令和2年度から試験の出題数が従来の40問から50問に出題数が変更されました。(あわせて試験時間も変更されました。)

令和元年度試験…40問90分

令和2年度試験…50問120分

これにより、令和2年度試験からは、
宅地建物取引士や管理業務主任者等の不動産関係の国家資格と同様に出題数を50問、試験時間を120分となりました。

とは言え、合格の可能性は個人の努力で高めることもできます。決まっている出題範囲を徹底的に学習し、その理解に向けて取り組むことが先決です。いずれにせよ、取得を検討されている場合は早めにチャレンジしておくのがよいでしょう。

※上記試験情報につきましては「一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会」ホームページをもとに作成しています。