賃貸不動産経営管理士試験の合格ラインと今後の予想

合格ラインは、毎年変わる

賃貸不動産経営管理士試験の合格ラインは、主催団体である「賃貸不動産経営管理士協議会」が一年度ごとに設定しています。つまり、絶対評価の試験ではなく、相対評価の試験です。明確な合格点は決められていないため、今後合格ラインがどのような推移で動いていくか注意深く見守る必要があります。

令和5年度試験は、40問中36問の正解で合格ラインとなりました。7割強の得点で合格ということになります。ちなみに、令和4年度試験での合否判定基準は、34点でした。

参考:直近8年間の賃貸不動産経営管理士試験の合格点、合格率の推移

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格点
H27年度 4,908人 2,679人 54.6% 25点
H28年度 13,149人 7,350人 55.9% 28点
H29年度 16,624人 8,033人 48.3% 27点
H30年度 18,488人 9,379人 50.7% 29点
R1年度 23,605人 8,698人 36.8% 29点
R2年度 27,338人 8,136人 29.8% 34点
R3年度 32,459人 10,240人 31.5% 40点
R4年度 31,687人 8,774人 27.7% 34点
R5年度 28,299人 7,972人 28.2% 36点

「難しくなっている」が周囲の感想

賃貸不動産経営管理士試験は、ここ数年の間に難易度が上がって、合格するのが難しくなった、という見方が大半です。事実、H25年度試験の合格率は85.8%だったのに対し、R2年度は50%以上も下落して29.8%まで落ちこみました。これには受験者数の急増や、など、賃貸不動産経営管理士制度の変更等さまざまな要因が考えられます。また、賃貸不動産経営管理士は、令和3年4月21日に発表された国土交通省令で、「国家資格」となりました。このことにより、さらなる難化がある可能性も十分にあります。

H29年度試験では、今までなかった出題パターンの変化もありました。それまで単に正誤を問う内容だったのが、個数を当てる個数問題や、どの組み合わせが正しいかを問う組み合わせ問題が出題されるなど、突然の変化に受験者の間でも戸惑いの声が聞こえたみたいです。

新しいパターンの問題が出てくると、対策ができていないだけにその場での柔軟対応は簡単ではありません。合格ラインだけでなく、難易度も上がることが予想されれば、勉強方法や試験対策もそれに合わせて見直したほうがよさそうです。

勉強方法の選択が重要になってくる

合格率が高く、内容もそれほど難しくなかった頃は、賃貸不動産経営管理士試験合格も独学で可能だったかもしれません。ところが、合格ラインや合格率、難易度などの要素を見ていくと、ここ数年試験を取り巻く状況は厳しくなっているのが実情です。合格が難しくなれば、勉強方法も柔軟に変えていかなくてはいけません。

独学より、通信講座などの活用を

より充実した内容の学習計画を立てるなら、独学よりスクール系や通信講座での学習がおすすめです。2017年度試験のように、それまで出題されなかった問題パターンの出題も考えられます。となると、今まで以上に正確な知識と深い理解が求められるようになるのです。

書籍の読み込みだけではわかりにくいところも専門講師の講義によって解消できることも多いのではないでしょうか。そのため、講座の利用は、独学よりも理解が深まりやすい学習環境と言えるでしょう。

効率よく学べる講座を選ぼう

忙しいビジネスパーソンであれば、わずかな勉強時間も無駄にしたくないものです。スマホだけで簡単に学べるオンライン講座やeラーニングなどを活用すれば、通勤時間中でも要点整理や用語・条文の暗記などが可能です。

合格ラインが下がってきたとはいえ、おそらく多くの受験者は短期決戦で賃貸不動産経営管理士試験に臨むだろうと思われます。1カ月程度しか勉強する時間がない場合は、それだけ空き時間の賢い活用と効率性の高い勉強方法が望まれます。短期集中で、なおかつ充実した学習プランで知識と理解が深まる勉強方法を選んでください。

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