賃貸不動産経営管理士は意味ない?資格取得のメリットとは?

賃貸不動産経営管理士は2021年に国家資格になったことで、注目度が増している資格です。しかし、独占業務がないため、宅建士と比較すると「意味がない」といわれることもあります。

そこで、今回は賃貸不動産経営管理士は本当に意味のない資格なのかどうかについて、仕事の内容や取得までの流れなどを紹介しながら解説します。

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賃貸不動産経営管理士が「意味ない」資格といわれる理由

賃貸不動産経営管理士とは、賃貸不動産に関する税務や法律、設備管理等の知識を持つ賃貸住宅管理の専門家です。

国家資格でもあるにもかかわらず、賃貸不動産経営管理士が「意味ない」資格といわれるのには、以下の3つの理由が考えられます。

  • 独占業務がないため
  • 業務管理者は宅建士でもなれるため
  • 必ず就職に有利といいがたいため

それぞれ見ていきます。

独占業務がないため

賃貸不動産経営管理士には独占業務がないため、資格を取得しても「意味ない」といわれる場合があります。


賃貸不動産経営管理士は、専門知識を活かして賃貸不動産に関わる業務を担当します。

代表的な業務は「オーナーと入居者との間の賃貸借契約の更新・解約にかかる業務」や「賃貸住宅の設備の点検・維持・修繕といった保全業務」です。

さらに賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産管理業を営む場合に配置が義務付けられている「業務管理者」の要件とされています。

ただし宅建士も業務管理者になれます。

2023年8月時点において賃貸不動産経営管理士に独占業務がないため、資格を取得しても「意味ない」といわれるのかもしれません。


業務管理者は宅建士でもなれるため

「業務管理者」は宅建士でもなれるため、賃貸不動産経営管理士の資格は「意味ない」といわれている可能性があります。

賃貸不動産経営管理士・宅建士いずれかの資格保持者がなれる「業務管理者」とは、主に以下の業務を担います。

  • 管理受託契約締結前の重要事項説明およびその書面の交付
  • 管理受託契約締結時の書面の交付
  • 家賃、敷金、共益費その他の金銭の分別管理
  • 帳簿の備付け
  • 委託者であるオーナーへの定期報告
  • 賃貸住宅の入居者の苦情処理

※その他、国土交通大臣が定める事項

業務管理者になるには次の要件のうち、いずれかを満たしていなければなりません。

  1. 賃貸不動産経営管理士+2年以上の実務経験(もしくは実務に代わる講習)
  2. 宅建士+指定講習+2年以上の実務経験(もしくは実務に代わる講習)

賃貸不動産経営管理士の場合、2年以上の実務経験もしくは実務に代わる講習を修了すれば、業務管理者になれます。

宅建士の場合、2年以上の実務経験もしくは実務に代わる講習を修了し、さらに指定講習を受講すれば業務管理者になることが可能です。


必ず就職に有利といいがたいため

賃貸不動産経営管理士は「必ず就職に有利」とはいいがたいため、取得しても「意味ない」といわれます。

賃貸不動産経営管理士は賃貸不動産経営に関する専門知識を持っていると証明できる資格ですが、企業によっては必須の資格ではありません。

たとえば、住宅の販売会社といった賃貸不動産経営業務を行っていない企業では、賃貸不動産経営管理士は重用されない可能性があります。

資格を活かして就職したい場合は、賃貸不動産の経営や管理を行う会社を選んだほうがよいでしょう。


賃貸不動産経営管理士の将来性は高い?取得のメリットとは?

賃貸不動産経営管理士は「意味ない」資格といわれる理由が複数あるものの、決して将来性が低いわけではありません。

ここでは、以下4つの項目にそって、賃貸不動産経営管理士の将来性の高さと取得のメリットを解説します。

  • 2021年から国家資格になった
  • 設置義務のある業務管理者になれる
  • 賃貸住宅市場は拡大傾向にある
  • 将来的には独占業務が与えられるという説がある


2021年から国家資格になった

賃貸不動産経営管理士は2021年4月に発表された国土交通省令により、国家資格となっています。

国家資格になった理由は、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が制定されたからです。

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」は、サブリース業者と賃貸住宅所有者との適正な賃貸借契約のための規制措置です。

さらに賃貸住宅管理業者に登録制度を設けることによって「管理業務の適正な運営」および「借主と貸主の利益保護」を図っています。

この法律制定によって賃貸不動産経営管理士は国家資格になり、資格の重要性が増しています。

今後は需要が高まり、活躍の機会も増えていくことが期待できます。


設置義務のある業務管理者になれる

賃貸不動産経営管理士は、設置義務のある「業務管理者」になることが可能です。

賃貸住宅管理業務を行う場合、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」によって「業務管理者」を事務所に配置することが義務付けられています。

管理戸数が200戸以上の場合、管理事務所ごとに1名以上登録しなければなりません(200戸未満の場合、登録は任意)。

なお、業務管理者は条件を満たした宅建士も業務可能です。

しかし、不動産取引の専門家である宅建士と比べると、賃貸不動産経営管理士には「賃貸不動産の経営の専門家」という大きな強みがあります。

賃貸不動産経営の専門知識を武器に、業務を行えるでしょう。


賃貸住宅市場は拡大傾向にある

賃貸住宅市場は拡大傾向にあり、賃貸不動産経営管理士の需要は高まると予想されます。

2020年国勢調査によると、国内人口は減少傾向にあり、2020年の人口は1億2,614万6,000人で、2015年より94万9,000人減少しました。

ただし東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府といった都市部の人口は増加しています。


賃貸住宅市場に影響する「世帯数」も全国で増加しています。

2020年の世帯数は5,570万5,000世帯で、2015年の世帯数と比較すると237万3,000世帯の増加です。

人口が減少しているにもかかわらず世帯数が増加しているのは、1世帯あたりの人数が減少しているためです。

世帯を構成する人員は年々減少しており、2000年から2020年にかけて平均2.67人から2.21人にまで減少しました。

全国の人口は減少していますが少人数世帯は増加しており、とくに都市部を中心に賃貸住宅の需要は高まるでしょう。

賃貸住宅市場は拡大傾向にあり、賃貸不動産経営管理士が活躍する機会は増えると期待できます。


将来的には独占業務が与えられるという説がある

賃貸不動産経営管理士は、将来的には独占業務が与えられるという説があります。

現時点では宅建士も「業務管理者」になれますが、賃貸不動産経営管理士と違って賃貸の専門家ではありません。

専門家として、賃貸不動産経営管理士が担当したほうがいいのではという意見もあります。

このため、将来的には、業務管理士が賃貸不動産経営管理士の独占業務となる可能性はゼロとはいえません。

国家資格となって重要性が増した賃貸不動産経営管理士に、新たに独占業務が加わる可能性もあるでしょう。

仮に独占業務が与えられた場合、試験制度が変わって難易度が上がることも考えられます。

賃貸不動産経営管理士に興味のある方は、今のうちに取得したほうがよいかもしれません。


賃貸不動産経営管理士になるには?

将来独占業務が与えられる可能性があり、賃貸住宅の市場も拡大傾向にあるため、賃貸不動産経営管理士は取得するメリットのある資格といえるでしょう。

ここからは、賃貸不動産経営管理士になるための流れを、以下の3つのステップにそって解説します。

  • 賃貸不動産経営管理士の試験に合格する
  • 賃貸不動産経営管理士の登録手続きをする
  • 実務経験がない人は実務講習を受ける


賃貸不動産経営管理士の試験に合格する

賃貸不動産経営管理士になるには、まず賃貸不動産経営管理士の試験に合格する必要があります。

賃貸不動産経営管理士の試験内容や近年の合格率、必要な勉強時間を解説します。


▼賃貸不動産経営管理士試験の概要

賃貸不動産経営管理士試験は年1回、毎年11月に実施されます。

2023年度の賃貸不動産経営管理士の試験概要は、下表のとおりです。

受験要件 日本国内の居住者であれば、年齢、性別、学歴問わず誰でも受験可能
試験日時 2023年11月19日(日)13:00~15:00
結果発表 2023年12月26日(火)※予定
試験会場 全国35地域
受験料 1万2,000円
出題形式 四肢択一・50問

※令和4年度(2022年度)および令和5年度(2023年度)の賃貸不動産経営管理士講習修了者は45問

【参考】令和5年度 賃貸不動産経営管理士試験実施要領(国土交通大臣登録試験)


【あわせて読みたい】2023年度(令和5年度)賃貸不動産経営管理士試験日程と試験実施要領


▼賃貸不動産経営管理士試験の合格率

賃貸不動産経営管理士試験の合格率は、近年は減少傾向にあります。

合格率・合格点の推移は下表のとおりです。

年度 合格率 合否判定基準
2019年度 36.8% 29問(全40問)
2020年度 29.8% 34問(全50問)
2021年度 31.5% 40問(全50問)
2022年度 27.7% 34問(全50問)


2022年度の合格率は27.7%で、受験者数31,687名に対し合格者は8,774名でした。

合格率は近年減少傾向にあるものの、4人に一人が合格しています。


【あわせて読みたい】賃貸不動産経営管理士試験の難易度、合格率


▼賃貸不動産経営管理士の合格に必要な勉強時間

賃貸不動産経営管理士試験のための勉強時間は、初学者であれば200~250時間は確保したほうが安心です。

毎日2時間勉強しても4カ月はかかるため、試験のどのくらい前から勉強を始めればよいか綿密にスケジュールを立てましょう。

すでに不動産に関する知識がある場合は、100時間くらいの勉強でも合格可能といわれています。

しかし2020年度以降は試験問題の設問数が増えたため、以前より多くの知識を定着させる必要があります。

知識に不安があれば、余裕を持って勉強できるスケジュールを組み立てましょう。


賃貸不動産経営管理士の登録手続きをする

賃貸不動産経営管理士の業務を行うには登録手続きが必要です。

試験に合格しても、資格登録をしなければ賃貸不動産経営管理士として活躍できません。

登録には次の要件のいずれかを満たす必要があります。

  1. 管理業務に関し、2年以上の実務の経験を有する者
  2. 1の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者(実務講習の修了者)

登録料は税込み6,600円で、登録の有効期限は5年間です。

有効期限までに更新手続きをしないと資格は失効するため、注意が必要です。


実務経験がない人は実務講習を受ける

賃貸不動産経営管理士の業務を行うには登録手続きが必要であり、登録に必要な要件は「2年以上の実務経験」もしくは「実務経験と同等の能力」です。

「実務経験と同等の能力」は賃貸住宅管理業務に関する実務講習を修了すれば有すると認められるので、実務経験がない人は講習を受ければ不動産経営管理士の登録が可能です。

実務講習を受講する場合、受講料として税込2万円が必要です。テキスト冊子を使った自主学習(18時間)とインターネットを利用したeラーニング講習(7時間)を経て修了試験をクリアすれば修了となります。


まとめ

賃貸不動産経営管理士は独占業務がないため、「意味ない」資格といわれることがあります。

しかし、賃貸不動産経営管理士の専門知識が活かせる賃貸住宅市場は拡大傾向にあり、独占業務が今後与えられる可能性があります。

賃貸不動産管理を専門とする唯一の国家資格でもあるので、取得するメリットは十分にあるといえるでしょう。

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