乙4種試験の概要
危険物取扱者乙種には1類~6類まであり、それぞれ取り扱える危険物の種類が異なります。乙4種試験に合格すると、ガソリンや重油、軽油、灯油などの引火性液体の取り扱いが認められます。
乙4種の試験日時は、主催サイドである「一般財団法人 消防試験研究センター」の支部によって異なります。試験方式は、五肢択一式のマークシート方式で、試験3科目の成績が、それぞれ60%以上正解しなければ合格となりません。
危険物取扱者のなかでも、乙種4種はとりわけ人気の高い資格です。対象となる危険物が石油関係であることから、ガソリンスタンドの従業員やタンクローリーの運転手、化学メーカーの製造者など、求職者受け入れの間口が広く、ニーズも高い資格だからです。
そのため、最初に選ぶ種類として、乙種4種を選択する受験者も少なくありません。
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乙種4類の合格率は?
乙種4類試験の2021年1月~2022年6月までの合格率を見てみましょう。
試験時期 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年1月 | 9,578名 | 4,100名 | 42.8% |
2021年2月 | 31,024名 | 11,001名 | 35.5% |
2021年3月 | 22,800名 | 8,547名 | 37.5% |
2021年4月 | 5,259名 | 2,326名 | 44.2% |
2021年5月 | 6,061名 | 2,648名 | 43.7% |
2021年6月 | 51,576名 | 18,328名 | 35.5% |
2021年7月 | 18,106名 | 5,944名 | 32.8% |
2021年8月 | 5,520名 | 2,280名 | 41.3% |
2021年9月 | 10,408名 | 4,405名 | 42.3% |
2021年10月 | 19,308名 | 6,924名 | 35.9% |
2021年11月 | 44,010名 | 14,987名 | 34.1% |
2021年12月 | 14,857名 | 5,125名 | 34.5% |
2022年1月 | 7,710名 | 2,765名 | 35.9% |
2022年2月 | 29,519名 | 10,716名 | 36.3% |
2022年3月 | 22,147名 | 8,116名 | 36.6% |
2022年4月 | 4,296名 | 1,896名 | 44.1% |
2022年5月 | 7,426名 | 3,244名 | 43.7% |
2022年6月 | 45,847名 | 12,367名 | 27.0% |
続いて、乙種4類試験の2017年4月~2020年12月までの合格率を見てみましょう。
試験時期 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
2017年4月 |
5,118名 |
2,165名 |
42.3% |
2017年5月 |
6,726名 |
2,930名 |
43.6% |
2017年6月 |
60,146名 |
20,184名 |
33.6% |
2017年7月 |
19,229名 |
6,632名 |
34.5% |
2017年8月 |
7,883名 |
2,849名 |
36.1% |
2017年9月 |
6,805名 |
2,731名 |
40.1% |
2017年10月 |
28,433名 |
10,072名 |
35.4% |
2017年11月 |
46,997名 |
14,738名 |
31.4% |
2017年12月 |
14,708名 |
5,189名 |
35.3% |
2018年1月 |
14,370名 | 5,230名 | 36.4% |
2018年2月 |
29,362名 |
9,568名 |
32.6% |
2018年3月 |
16,810名 |
6,040名 |
35.9% |
2018年4月 |
5,898名 |
2,939名 |
49.8% |
2018年5月 |
6,617名 |
2,918名 |
44.1% |
2018年6月 |
58,647名 |
21,822名 |
37.2% |
2018年7月 |
14,378名 |
5,579名 |
38,8% |
2018年8月 |
6,084名 |
2,460名 |
40,4% |
2018年9月 |
7,090名 |
3,109名 |
43,9% |
2018年10月 |
24,685名 |
9,692名 |
39,3% |
2018年11月 |
42,361名 |
14,918名 |
35,2% |
2018年12月 |
15,391名 | 6,330名 | 41,1% |
2019年1月 |
8,772名 |
3,629名 |
41,4% |
2019年2月 |
30,907名 |
12,172名 |
39.4% |
2019年3月 |
19,272名 |
8,099名 |
42,0% |
2019年4月 |
4,711名 |
2,151名 |
45.7% |
2019年5月 |
5,331名 |
2,428名 |
45.5% |
2019年6月 |
53,270名 |
20,067名 |
37.7% |
2019年7月 |
13,856名 |
5,651名 |
40.8% |
2019年8 月 |
6,358名 |
2,559名 |
40.2% |
2019年9月 |
11,472名 |
5,075名 |
44.2% |
2019年10月 |
18,313名 |
7,135名 |
39.0% |
2019年11月 |
43,801名 |
15,289名 |
34.9% |
2019年12月 |
15,187名 |
5,803名 |
38.2% |
2020年1月 |
7,295名 |
2,690名 |
36.9% |
2020年2月 |
31,358名 |
11,816名 |
37.7% |
2020年3月 |
10,915名 |
5,005名 |
45.9% |
2020年4月 |
120名 |
19名 |
15.8% |
2020年5月 |
238名 |
110名 |
46.2% |
2020年6月 |
17,856名 |
6,961 名 |
39.0% |
2020年7月 |
12,091名 |
5,539名 |
45.8% |
2020年8月 |
11,587名 |
5,083名 |
43.9% |
2020年9月 |
15,692名 |
7,255 名 |
46.2% |
2020年10月 |
18,214名 |
7,058 名 |
38.8% |
2020年11月 |
44,492名 |
15,318 名 |
34.4% |
2020年12月 |
17,175名 |
6,475 名 |
37.7% |
乙4種の平均合格率は30%~40%程度。これは、甲種試験と同じくらいの合格率です。
甲種試験を受験するには、化学に関する専門高等教育を受けているなど、一定の条件が必要であり、乙・丙種のように誰にでも門戸が開かれている資格ではありません。8種のなかで唯一、全種類の危険物を取り扱える資格でもあり、ゆえに学習範囲も幅広いのが特徴です。
その甲種と同じくらいの合格率であることを考えると、「乙種4類試験は難しい」と思われるかもしれませんが、合格率が低いのは受験者数が多いことと関係があるのです。乙種4類でも3つの試験科目それぞれ60%以上を取れれば合格となります。また、合格者の定員などは設けられていないため、足切り点はありません。
受験者数が多ければ必然と個々の学習意欲や勉強量に差が出るため、不合格者も多数出ます。そのため、乙4種だけ特別に難しいということではないので、いたずらに合格率に惑わされないようにしましょう。
他の乙種試験との違い
先述の通り、乙種4類だけが突出して受験者数が多く、その影響で合格率が低い傾向にあります。乙種4類以外の合格率は、平均60%程度で、比較的合格しやすいと言えますが、危険物のなかでもニーズの高い引火性液体は取り扱いの対象に含まれません。
乙種4類種以外の試験が合格しやすい理由として、免除科目があるかないかも大きいでしょう。乙種4類の資格を持てば、他の乙種試験では「法令」と「基礎的な物理化学」が免除となります。
免除科目があれば、各種類の「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」を勉強すればいいので、学習範囲も狭まり、よりポイントを絞った試験勉強が可能になります。そのため、合格のしやすさに違いが生まれるのです。
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乙種4類の勉強方法は?
乙種4類の合格率が低いとは言え、試験内容自体は特別高度というわけではありません。危険物の性質や性状、特性、化学や物理の知識を繰り返し学習いていけば、3科目すべてで60%以上正答することはそれほど難しくありませんので、危険物取扱者資格に挑む際は、ぜひ乙種4類にチャレンジしてください。
対策のコツを押さえることができれば、短期合格を目指すことは十分に可能です。
繰り返し問題を解いて、覚えた知識の使い方の理解も深められれば、合格にぐっと近づくことができます。