危険物取扱者乙種4種の難易度と合格率

危険物取扱者の中でもっとも人気の試験が「乙種4類」です。合格すると、石油会社やガソリンスタンドなどでの業務で活かすことができます。

乙種4類の受験者は非常に多く、他の試験と比べても合格率は低い傾向です。しかし効率よく学べば短期での合格も夢ではありません。

この記事では、危険物取扱者乙種4類の難易度や合格率、合格のための勉強方法についてご説明します。

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危険物取扱者乙種4類試験の概要

危険物取扱者乙種には1類~6類まであり、それぞれ取り扱える危険物の種類が異なります。

乙4種試験に合格すると、ガソリンや重油、軽油、灯油などの引火性液体の取り扱いが認められます。

乙4種の試験日時は、主催サイドである「一般財団法人 消防試験研究センター」の支部によって異なります。

試験方式は、五肢択一式のマークシート方式で、試験3科目の成績が、それぞれ60%以上正解しなければ合格となりません。

危険物取扱者のなかでも、乙種4種はとりわけ人気の高い資格です。

対象となる危険物が石油関係であることから、ガソリンスタンドの従業員やタンクローリーの運転手、化学メーカーの製造者など、求職者受け入れの間口が広く、ニーズも高い資格だからです。

そのため、最初に選ぶ種類として、乙種4種を選択する受験者も少なくありません。

危険物取扱者乙種4類の合格率(2021~2024年)

乙種4類試験の2021年1月~2024年12月までの合格率を見てみましょう。

試験時期受験者数合格者数合格率
2021年1月9,578名4,100名42.8%
2021年2月31,024名11,001名35.5%
2021年3月22,800名8,547名37.5%
2021年4月5,259名2,326名44.2%
2021年5月6,061名2,648名43.7%
2021年6月51,576名18,328名35.5%
2021年7月18,106名5,944名32.8%
2021年8月5,520名2,280名41.3%
2021年9月10,408名4,405名42.3%
2021年10月19,308名6,924名35.90%
2021年11月44,010名14,987名34.10%
2021年12月14,857名5,125名34.50%
2022年1月7,710名2,765名35.90%
2022年2月29,519名10,716名36.30%
2022年3月22,147名8,116名36.60%
2022年4月4,296名1,896名44.10%
2022年5月7,426名3,244名43.70%
2022年6月45,847名12,367名27.00%
2022年7月14,872名4,729名31.80%
2022年8月7,104名2,717名38.20%
2022年9月8,504名3,522名41.40%
2022年10月24,008名7,818名32.60%
2022年11月39,922名11,548名28.90%
2022年12月12,772名4,106名32.10%
2023年1月8,257名2,444名29.60%
2023年2月30,353名9,470名31.20%
2023年3月19,648名6,350名32.30%
2023年4月6,071名2,549名42.00%
2023年5月5,738名2,062名35.90%
2023年6月48,197名14,709名30.50%
2023年7月14,661名4,704名32.10%
2023年8月6,920名2,470名35.70%
2023年9月13,878名4,931名35.50%
2023年10月19,103名5,993名31.40%
2023年11月38,788名11,524名29.70%
2023年12月12,360名4,081名33.00%
2024年1月9,499名3,099名32.60%
2024年2月26,585名8,265名31.10%
2024年3月21,997名7,283名33.10%
2024年4月5,632名2,372名42.10%
2024年5月6,788名2,411名35.50%
2024年6月47,422名15,164名32.00%
2024年7月15,799名5,058名32.00%
2024年8月6,551名2,272名34.70%
2024年9月12,605名4,685名37.20%
2024年10月21,113名6,296名29.80%
2024年11月37,388名10,587名28.30%
2024年12月12,364名3,951名32.00%

危険物取扱者乙種4類の合格率(2017~2020年)

乙種4類試験の2017年4月~2020年12月までの合格率を見てみましょう。

試験時期受験者数合格者数合格率
2017年4月5,118名2,165名42.30%
2017年5月6,726名2,930名43.60%
2017年6月60,146名20,184名33.60%
2017年7月19,229名6,632名34.50%
2017年8月7,883名2,849名36.10%
2017年9月6,805名2,731名40.10%
2017年10月28,433名10,072名35.40%
2017年11月46,997名14,738名31.40%
2017年12月14,708名5,189名35.3%
2018年1月14,370名5,230名36.40%
2018年2月29,362名9,568名32.60%
2018年3月16,810名6,040名35.90%
2018年4月5,898名2,939名49.80%
2018年5月6,617名2,918名44.10%
2018年6月58,647名21,822名37.20%
2018年7月14,378名5,579名38,8%
2018年8月6,084名2,460名40,4%
2018年9月7,090名3,109名43,9%
2018年10月24,685名9,692名39,3%
2018年11月42,361名14,918名35,2%
2018年12月15,391名6,330名41,1%
2019年1月8,772名3,629名41,4%
2019年2月30,907名12,172名39.40%
2019年3月19,272名8,099名42,0%
2019年4月4,711名2,151名45.70%
2019年5月5,331名2,428名45.50%
2019年6月53,270名20,067名37.70%
2019年7月13,856名5,651名40.80%
2019年8 木6,358名2,559名40.20%
2019年9月11,472名5,075名44.20%
2019年10月18,313名7,135名39.00%
2019年11月43,801名15,289名34.90%
2019年12月15,187名5,803名38.20%
2020年1月7,295名2,690名36.90%
2020年2月31,358名11,816名37.70%
2020年3月10,915名5,005名45.90%
2020年4月120名19名15.80%
2020年5月238名110名46.20%
2020年6月17,856名6,961 名39.00%
2020年7月12,091名5,539名45.80%
2020年8月11,587名5,083名43.90%
2020年9月15,692名7,255 名46.20%
2020年10月18,214名7,058 名38.80%
2020年11月44,492名15,318 名34.40%
2020年12月17,175名6,475 名37.70%

乙種4類の平均合格率は30%~40%程度で、甲種試験と同じくらいの合格率です。

甲種試験を受験するには、化学に関する専門高等教育を受けているなど、一定の条件が必要であり、乙・丙種のように誰にでも門戸が開かれている資格ではありません。

8種のなかで唯一、全種類の危険物を取り扱える資格でもあり、ゆえに学習範囲も幅広いのが特徴です。

その甲種と同じくらいの合格率であることを考えると、「乙種4類試験は難しい」と思われるかもしれませんが、合格率が低いのは受験者数が多いことと関係があるのです。

乙種4類でも3つの試験科目それぞれ60%以上を取れれば合格となります。また、合格者の定員などは設けられていないため、足切り点はありません。

受験者数が多ければ必然と個々の学習意欲や勉強量に差が出るため、不合格者も多数出ます。

そのため、乙種4類だけ特別に難しいということではないので、いたずらに合格率に惑わされないようにしましょう。

危険物取扱者 他の乙種試験との違い

先述の通り、乙種4類だけが突出して受験者数が多く、その影響で合格率が低い傾向にあります。

乙種4類以外の合格率は、平均60%程度で、比較的合格しやすいと言えますが、危険物のなかでもニーズの高い引火性液体は取り扱いの対象に含まれません。

乙種4類種以外の試験が合格しやすい理由として、免除科目があるかないかも大きいでしょう。乙種4類の資格を持てば、他の乙種試験では「法令」と「基礎的な物理化学」が免除となります。

免除科目があれば、各種類の「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」を勉強すればいいので、学習範囲も狭まり、よりポイントを絞った試験勉強が可能になります。そのため、合格のしやすさに違いが生まれるのです。

乙種4類の勉強方法は?

乙種4類の合格率が低いとは言え、試験内容自体は特別高度というわけではありません。

危険物の性質や性状、特性、化学や物理の知識を繰り返し学習いていけば、3科目すべてで60%以上正答することはそれほど難しくありません。

危険物取扱者資格に挑む際は、ぜひ乙種4類にチャレンジしてください。

対策のコツを押さえることができれば、短期合格を目指すことは十分に可能です。

試験を攻略するうえで、有効な方法は、問題練習までしっかり取り組むこと。

危険物取扱者の試験では、パターン化された問題が出題されるケースが珍しくなく、ゆえに予想問題を使って多く解くことが有効です。

繰り返し問題を解いて、覚えた知識の使い方の理解も深められれば、合格にぐっと近づくことができます。