危険物取扱者は、消防法で定められた危険物を取り扱う際に必要な国家資格です。年間約30万人が受験する人気の資格です。
危険物取扱者になるには、危険物取扱者試験に合格し、都道府県知事から免状の交付を受けなければなりません。同試験は、取り扱い(立会いも含む)できる危険物の種類により、8種類に分かれます。危険物取扱者になると、定められた期間内に必ず講習を受け、危険物の取り扱いに関する新しい知識や技術を習得していきます。
危険物取扱者は、消防法で定められた危険物管理に許可を与える国家資格です。ガソリンスタンドや工場などで危険物と指定されたものを取り扱う場合は、必ず危険物取扱者の資格を有する従業員が担当しなければなりません。
消防法では、ガソリンや石油類、金属粉など、火災の危険性の高い燃焼物を「危険物」として指定しています。それらを大量に製造・貯蔵・管理・活用する職場は、塗料メーカーや燃料工場、印刷工場、薬品会社、ガソリンスタンドなど。危険物を取り扱う業種は幅広く、有資格者は多方面で活躍しています。
危険物取扱者試験は大きく「甲種」「乙種「丙種」の3つに分けられます。乙種・丙種の受験に学歴や経歴などの特別な制限はありませんが、甲種を受験する場合、次の条件のうちどれかひとつを満たす必要があります。
甲種に合格すると、全種類の危険物が取り扱えるようになります。乙種・丙種は認められた危険物以外の取り扱いはできません。
大学で化学を専攻していた受験者は、甲種試験の受験資格が得られると同時に、予備知識があるため試験勉強も優位に進められるでしょう。ただ、消防法などの法律知識も必要なことから、条文を理解するスキルも求められます。
甲種・乙種・丙種いずれも3つの試験科目でそれぞれ60%以上正解しなければなりません。3科目中1科目でも合格基準に達しなければ不合格となります。
危険物取扱者の合格率は、甲種、乙4種で30%程度です。乙種のそのほかの種類は、いずれも60%程度。4種のみ合格率が低いのは、受験者が多く、個人の学習意欲やレベルに差があるためと見られます。また、乙1種・2種・3種・5種・6種では、乙4種に合格すると「法令」および「物理と化学」の2科目が免除されるため、合格しやすい面は否めません。
資格の取りやすさを重視する場合は、比較的難易度の低い乙種の1類・2類・3類・5類・6類もしくは丙種を受験するのがいいでしょう。一方で、資格の有効性で考えれば、甲種は別として、もっとも取得をおすすめしたいのは乙種4類です。乙種4類で学ぶ第4類危険物は、危険物全体の約80%を占めています。つまり、この試験にクリアすることで、ほとんどの危険物を取り扱えるようになります。さらに、ガソリンや灯油、軽油、重油などの「引火性液体」を扱うことも可能です。
「乙種4類を取得したい!」という方は、学習時間を確保し、学習計画を立てたうえで、試験勉強に取りかかってください。合格率30%と甲種並みに低いものの、取得すれば就職活動の選択肢が広がります。
大学の化学部出身の方は、ぜひ甲種にトライしてみましょう。すべての危険物が対象範囲となり、化学工場やガソリンスタンド、薬品メーカーなどでの就職・転職が有利に運びます。。
受験申込方法 | ●申込書を、一般社団法人消防試験研究センターの中央試験センターか消防署にて直接受け取り、記入の上期限内に提出。 ●一般社団法人消防試験研究センターのホームページ上から申請 |
試験日程・試験会場 | ●各都道府県によって試験日は異なる。東京都は毎月実施される。 ●各都道府県の指定された会場 |
受験資格 | 甲種: ①化学系の大学を卒業している ②大学で化学系の授業科目を15単位以上取得いている ③乙種1類~6類のいずれかに合格し、実務経験が2年以上ある ④乙種1類か乙種6類、乙種2類or乙種4類、乙種3類、乙種5類の4種類以上の交付を受けている ⑤ 修士・博士の学位を有する 乙種:受験資格なし 丙種:受験資格なし |
出題形式 | 甲種・乙種:5肢択一 丙種:4肢択一 |
試験形式 | マークシート方式 |
受験料 | 甲種:5,000円 乙種:3,400円 丙種:2,700円 |
試験時間 | 甲種:2時間30分 乙種:2時間 丙種:1時間30分 |
合格基準 | 60%以上 |
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就職、転職に有利!昇給昇進にも繋がる!危険物取扱者は法令で定められた専任業務のため、就職・転職する際に大きな武器になります。危険物取扱者の資格を所有していることから、自然と企業からの信頼度は高まり、昇給昇進にも期待ができます。 また、パート・アルバイトで働く方にとっても、危険物取扱者の資格があれば時給アップに繋がる可能性が高まります。特にガソリンスタンドで働く際、乙4の資格があれば時給を上げてもらいやすくなります。 |
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活躍の場が広がる!危険物取扱者の資格を取得するとどんな就職先で活躍できるのでしょうか。1.ガソリンスタンド 引火性液体であるガソリンの知識が役に立ち、ガソリンスタンドには必ず甲種か乙4の危険物取扱者を置かなければいけません。無人ガソリンスタンドでも、事務所内からモニターで危険物取扱者が遠隔監視を行っています。 2.タンクローリー運転手 タンクローリーの運転手になるは、大型免許と乙4の資格が必要になります。丙の資格でもタンクローリーの運転手になることができますが、求人には乙4以上の資格保有者が求められている場合が多いです。 上記以外にも、化学工場や製薬会社、印刷業界など幅広い職場で必要とされているのが危険物取扱者なのです。 |
合格を狙いやすい試験!危険物取扱者試験は、各都道府県で受験でき、乙種4類は少ないところでも年に2回、東京都では毎月試験が行われています。試験回数が多いので国家試験と言えども比較的合格を狙いやすい試験です。 また、自分の学習ペースや都合に合わせて受験ができるので、忙しい社会人にとって非常に受けやすい試験とも言えます。 |