通勤時間がなく、一人で働ける在宅ワークに魅力を感じる人も多いでしょう。
在宅ワークはさまざまな業界で導入されるようになりましたが、看護師でも在宅ワークで働ける仕事が増えてきました。
そこで本記事では、看護師におすすめの在宅ワーク7選や、在宅ワークをするメリット・デメリットを紹介します。
副業で在宅ワークをする場合の注意点についても解説しているので、在宅ワークを検討している看護師の方はぜひ参考にしてみてください。
看護師は在宅ワークできる?
看護師は病院や介護施設などで働くイメージがありますが、選ぶ職場や働き方次第では在宅ワークが可能です。
【引用】内閣府「第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
内閣府の「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、2023年3月時点の医療・福祉業界の在宅ワーク実施率は、11.3%です。
実施率30%の全体の数値と比較すると劣るものの、1割ほどの企業で医療業界も在宅ワークを行っていることがわかります。
本業におすすめ|看護師免許を生かせる在宅ワークの仕事4選
看護師として在宅で働く場合、本業向けの仕事と、副業向けの仕事にわかれます。
以下では、看護師免許も生かせる本業におすすめの在宅ワークの仕事を4つ紹介します。
- 治験コーディネーター
- 医療関連のコールセンター
- 保健指導・特定保健指導実施者
- 医療ライター
1. 治験コーディネーター
治験とは、医薬品等の安全性や効果、投与方法などを確認するために実施される臨床試験のことです。
治験コーディネーターは、治験が円滑に行われるよう準備や調整、運営の支援などを行います。
看護師として身につけた医学や薬学などの知識を生かせるでしょう。
また、治験参加者をサポートする仕事であれば、依頼企業や治験関係部門との調整、治験結果の書類作成サポートなどを在宅ワークで行えることがあります。
ただし、治験コーディネーターは被験者の検温や採血を行う業務も担います。
現地に足を運ぶこともあるため、完全に在宅ワークにすることはできない点に注意しましょう。
2. 医療関連のコールセンター
医療系企業や保険会社などが行うコールセンターでは看護師が活躍しており、在宅で仕事ができる場合があります。
具体的な業務は、利用者の健康相談窓口や医療機関の紹介・医療器具の説明など企業によってさまざまです。
年収400万円〜500万円を目指せる求人や完全歩合制の求人もあり、在宅でも看護師の資格を生かして稼ぎたい方向けと言えるでしょう。
3. 保健指導・特定保健指導実施者
看護師の方は、保健指導・特定保険指導の在宅ワークも仕事先の候補になります。
保健指導・特定保険指導は、主に生活習慣病の予防と生活改善を支援する仕事で、電話やビデオ通話を利用してアドバイスや指導を行います。
ただし、面談や訪問によって直接患者さんへ指導を行う場合もあり、すべての仕事が在宅ワークではない点には注意しましょう。
予防医療の専門知識や保健師の資格を生かしたい方は、ぜひ検討してみてください。
4. 医療ライター
医療ライターはメディカルライターとも呼ばれており、健康や医学・薬学に関する文章を執筆する仕事です。
治験関連の資料や症例報告書などを執筆することもあるため、看護師としての知識を存分に生かせます。
医療や美容、健康など専門性が評価される記事を書くライターは、一般のライターよりも報酬面で優遇される傾向があります。
文章を書くことが得意で、完全在宅ワークをしたい場合は医療ライターを検討してみるとよいでしょう。
副業におすすめ|手軽に始められる在宅ワークの仕事3選
在宅ワークであれば、手軽に始められる仕事をしたい人も多いでしょう。
副業におすすめの看護師以外の仕事は、以下の3つです。
- データ入力
- アンケートモニター
- ハンドメイド作品の販売
1つずつ見ていきましょう。
1. データ入力
データ入力の仕事は、PCを使って指定のフォーマットに情報入力する仕事です。
パソコンがあればできるため、自宅でスキマ時間を使って仕事ができます。
データ入力を気軽に始めたいのであれば、簡単な情報入力だけ担当する案件がおすすめですが、時給が低い点には注意しましょう。
医療関連の情報入力のように看護師資格を求められる仕事であれば、時給が高い傾向があります。
手軽に始めつつ、収入面も考慮するのであれば、医療関連のデータ入力を検討してみるとよいでしょう。
2. アンケートモニター
アンケートモニターとは、企業の商品やサービスを利用し、アンケートに回答する仕事です。
最初はアンケートモニターサイトに会員登録をし、興味のあるジャンルの中から応募するのが一般的です。
資格やスキルがなくても対応できる仕事が多く、案件によってはスマホ1台あれば始められる仕事もあります。
多く稼ぐのは難しいものの、スキマ時間を有効活用でき、最初に始める副業としてはおすすめの仕事です。
3. ハンドメイド作品の販売
ハンドメイド作品の販売は、アクセサリーや編み物、雑貨などを自分で作って販売する仕事です。
ハンドメイド販売サイトやフリマアプリを利用すれば、簡単に自分の作品を出品できるため、完全在宅で仕事ができます。
ハンドメイド作品を販売するうえで重要なのは、作品のクオリティやセンスです。
質が悪いものや誰でも作れるようなものでは売れにくいため、自分の得意分野で勝負するとよいでしょう。
自分が一生懸命作った作品を買ってもらえるのは、やりがいがあります。
最初はなかなか売れない可能性もありますが、販売実績やよい口コミが広がれば、徐々に売れるようになっていくでしょう。
看護師が在宅ワークをする3つのメリット
出勤する看護師の仕事ではなく、在宅ワークを選ぶことで、以下3つのようなメリットがあります。
- ワークライフバランスが整う
- 活躍の幅が広がる
- 心身の疲労を軽減できる
それぞれ解説します。
1. ワークライフバランスが整う
在宅ワークは通勤の移動時間がないため、業務にかかる拘束時間を削減できます。
通勤に1日往復2時間かかっていれば、1カ月分の勤務(22日)で往復44時間も移動に費やしていることになります。
その分の時間や労力を省略できれば、プライベートにより多くの時間を振りわけられるようになり、生活と仕事のバランスを保つワークライフバランスが整うでしょう。
また、在宅ワークには勤務時間を自由に設定できる仕事もあり、プライベートを重視したい人にとっては大きなメリットとなります。
2. 活躍の幅が広がる
在宅ワークでは、看護師業務の一部を在宅で行う場合もありますが、看護師以外の仕事を行うケースも多いです。
副業などで看護師以外の職種にチャレンジすることで、新しい知識とスキルを身につけられるでしょう。
医療業界以外の人との交流を通じて、視野が広がることも期待できます。
興味のある業界や職種があれば、まずは副業としてチャレンジしてみるとよいでしょう。
3. 心身の疲労を軽減できる
在宅ワークは、現場での仕事に比べて、心身の疲労を軽減しやすい点もメリットです。
在宅であれば、患者さんに直接ケアや医療処置を行わないため、体力の不安なく働けます。
また、命を守る医療現場では、責任感や緊張感をもって業務をこなす必要がありますが、在宅ワークではそういった仕事は少ないです。
看護師資格を生かした仕事であっても、相談に乗ったりサポートをしたりする業務が多く、自宅で比較的リラックスした状態で仕事ができます。
看護師が在宅ワークをする2つのデメリット
看護師が在宅ワークをする場合、メリットだけでなく、以下2つのようなデメリットもあります。
- 仕事とプライベートが切り替えにくい
- 最初は収入が安定しづらい
在宅ワークのデメリットも把握して、ご自身にあっている働き方か確認をしてみましょう。
1. 仕事とプライベートが切り替えにくい
在宅ワークは、仕事も生活も両方を自宅という同じ環境で行うため、仕事のオンオフを切り替えにくくなります。
家にいると集中力を失いやすく、自分自身を管理できない人にとって、在宅ワークは難しいと感じるでしょう。
ついだらけてしまって仕事が進まなかったり、仕事をしている場所ではゆっくり休めなかったりするケースもあります。
在宅ワークをするのであれば、自宅に仕事用のスペースを作ったり、休憩時間や終業時間を決めたりするなどの工夫をし、メリハリをつけて働くとよいでしょう。
2. 最初は収入が安定しづらい
副業で在宅ワークをする場合は、安定した収入を得られないこともあります。
とくに初めて行う仕事は単価が低く、最初からまとまったお金を稼ぐのは難しい場合があります。
メインの収入源として在宅ワークをするのであれば、看護師の資格を生かした仕事のほうが稼ぎやすいでしょう。
新しい仕事にチャレンジしたい場合は、まずは副業から始めてみて、収入を上げられるように徐々に実績を積んでいくのがおすすめです。
目的や家計の状況にあわせて、在宅ワークの仕事内容を選んでみてください。
看護師が在宅ワークで副業を始める際の注意点
看護師が在宅ワークで副業を始める際は、以下3点に注意してみてください。
看護師ならではの注意点も紹介しているので、副業を検討する前にチェックしておきましょう。
- 就業規則を確認する
- 確定申告が必要か確認する
- 本業とのバランスを考える
それぞれ解説します。
就業規則を確認する
民間の医療施設で働いている場合、副業の可否は勤務先の就業規則によって変わります。
副業禁止にもかかわらず副業をしていることが職場にバレると、減給や休職処分、場合によっては解雇されるリスクもあるので注意が必要です。
職場に黙って副業はせず、就業規則をチェックし、副業しても問題ないかを確認できてから始めるようにしましょう。
また、国立病院や県立の保健所などに所属し、公務員として働いている看護師は「国家公務員法第百三条」や「地方公務員法第三十八条」により、原則として副業が禁止されています。
ただし、営利目的ではない一部の副業は認められており、株式投資や不用品の売却などは行ってもよいとされています。
以下の記事では「公務員看護師」について詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。

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確定申告が必要か確認する
確定申告とは、税金を適切に納めるために1年間の収入を国に申告する手続きのことです。
「本業の給与以外に20万円を超える副業所得がある」または「本業の年末調整をされなかった給与収入分と副業所得の合計額が20万円を超える」場合は、確定申告を行う必要があります。
確定申告では、1月1日から12月31日までの収入について、翌年2月16日から3月15日まで(初日・最終日が土日の場合は日付がずれる)に申告します。
確定申告をしないと、後から税務署に申告漏れを指摘されて、延滞税等を支払わなければならない可能性があるため注意しましょう。
なお、副業所得が20万円に届かない場合でも、住民税の申告はしなければなりません。
本業とのバランスを考える
看護師として働きながら在宅ワークで副業を行う場合は、副業のせいで本業がおろそかにならないように注意が必要です。
副業を頑張りすぎて疲弊してしまい、本業で普段のパフォーマンスが発揮できないといった悪影響が出るような働き方は避けましょう。
本業を普段通りにこなせる範囲内で、無理なく副業ができるバランスを考えて仕事を選んでみてください。
自分に合った看護師向けの在宅ワークを探してみよう
在宅ワークは、自宅でリラックスした状態で働ける仕事なので、忙しい看護師にはぴったりな働き方でしょう。
看護師免許を生かすなら治験コーディネーターや医療関連のコールセンター、手軽に始めたいならデータ入力やアンケートモニターなどがおすすめです。
在宅ワークをする目的や好みにあわせて、自分に最適な仕事を探してみましょう。
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在宅ワークをする際にも役立つ看護師国家試験の資格取得を目指すのであれば、ぜひ受講をご検討ください。