貸金業務取扱主任者勉強のコツは?効率よく合格を目指すには?

貸金業務取扱主任者は貸金業でのキャリアアップには欠かせない国家資格です。

合格率は30%前後なので独学での合格も十分目指せる試験ですが、試験範囲が広く法律用語に苦戦する受験生も多くいます。

また、社会人の場合は、仕事やプライベートで忙しいなかで勉強時間を確保すること自体が難しい面もあるでしょう。

そこで、効率よく合格を目指すために知っておきたい、貸金業務取扱主任者の勉強のコツをご紹介します。

まずは知っておきたい!貸金業務取扱主任者試験の概要

貸金業務取扱主任者試験は、貸金業法に基づく重要な国家資格です。

試験の合格を目指すのであれば、まずはその全体像を把握することから始めましょう。

ここでは、試験のスケジュールや出題形式など、試験に臨む上で知っておきたい基本情報をご紹介します。

貸金業務取扱主任者試験の概要

貸金業務取扱主任者試験の概要は以下のとおりです。

試験スケジュール

令和7年度(2025年度)の貸金業務取扱主任者資格試験のスケジュールは下記のとおりです。

受験申込み受付期間令和7年7月1日(火)~9月10日(水)
試験日令和7年11月16日(日)
合格発表日令和8年1月9日(金)

試験時間

試験時間は13:00から15:00までの120分間です。

限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、時間配分を意識した学習が重要になります。

試験科目

試験科目は大きく分けて以下の4分野です。


分野内容
1法及び関係法令に関すること貸金業法、利息制限法など、貸金業の根幹をなす法律知識
2貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること民法、商法、民事訴訟法、倒産法など、貸付けに関連する幅広い法律知識
3資金需要者等の保護に関すること個人情報保護法、消費者契約法など、顧客保護に関する法令知識
4財務及び会計に関すること家計診断や企業会計原則、財務諸表などに関する基礎知識

中でも「法及び関係法令に関すること」と「貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること」が出題の約8割を占めるため、特に重点的な対策が必要です。

出題形式

出題は四肢択一形式のマークシート方式で、全50問が出題されます。

受験手数料

受験手数料は8,500円です。

試験会場(地域)

試験は札幌、仙台、千葉、東京、埼玉、神奈川、高崎、名古屋、金沢、大阪、京都、神戸、広島、高松、福岡、熊本、沖縄の全国17地域で実施されます。

受験者数・合格者数・合格率・合格ラインの推移

貸金業務取扱主任者試験は、近年30%前後の安定した合格率で推移しています。

年度受験者数合格者数合格率合格基準点(満点は50点)
令和6年度(2024年度)9,250人2,998人32.4%30点
令和5年度(2023年度)9,448人2,928人31.0%31点
令和4年度(2022年度)9,950人2,644人26.6%28点
令和3年度(2021年度)10,491人3,373人32.2%31点
令和2年度(2020年度)10,533人3,567人33.9%33点
令和元年度(2019年度)10,003人3,001人30.0%29点
平成30年度(2018年度)9,958人3,132人31.5%32点
平成29年度(2017年度)10,214人3,317人32.5%34点
平成28年度(2016年度)10,139人3,095人30.5%30点
平成27年度(2015年度)10,186人3,178人31.2%31点

実際の過去10年間の合格率・合格ラインのデータは下記のとおりです。

近年、受験者数は約1万人前後、合格率は30%前後で安定しています。

合格ラインは例年50点満点中30点前後ですので、おおよそ7割程度の正答率であれば合格を狙えるでしょう。

また、受験者の年齢については20代が最も多く、次いで30代、40代と続いており、比較的若い層が積極的にチャレンジしている傾向があります。

貸金業務取扱主任者の難易度と合格に必要な勉強時間

貸金業務取扱主任者試験は、国家資格であるものの、他の難関資格と比較して難易度が高すぎるわけではありません。

初学者の場合でも約180時間の勉強時間を確保できれば、十分に合格を目指せるといわれています。

この「180時間」という目安は、1日2時間勉強するとして約3ヶ月で達成可能な時間です。

もちろん、個人の学習経験や理解度によって必要な時間は変動しますが、計画的に取り組めば、独学でも十分に合格を狙えるレベルだといえるでしょう。

受験生必見!貸金業務取扱主任者試験の特徴とは?

貸金業務取扱主任者試験に向けた学習を効率的に進めるためには、まず試験の特徴を理解することが大切です。

ここでは、特に重要な要素である出題範囲とその傾向について詳しく解説していきます。

出題範囲のほとんどが「法令関係」なので難しい

貸金業務取扱主任者試験の大きな特徴は、その出題範囲のほとんどが「法令関係」で占められている点にあります。

法律に関する文章は長文が多く、専門用語が多用された複雑なものとなっているため、初学者にとっては難解に感じられるかもしれません。

意味を理解しないまま無理に読み進めようとするのは非効率ですので、まずは落ち着いて、一つひとつの条文や用語の意味を正しく理解し、読み慣れていくことが大切です。

過半数の問題が「貸金業法」から出題される

貸金業務取扱主任者試験のもう一つの大きな特徴は、「貸金業法」からの出題が圧倒的に多いことです。

全50問のうち、およそ30問弱、つまり過半数の問題が貸金業法から出題されます。

さらに、次に出題数が多い「民法」と合わせると、この2つの法律だけで試験全体の7割以上を占めることになります。

この傾向は、試験勉強を進める上で必ず押さえておきたいポイントです。

貸金業法と民法を重点的に学習することで、効率的に得点アップを目指せるようになるでしょう。

合格者が語る!合格を勝ち取るための勉強のコツ

貸金業務取扱主任者試験の合格は、正しい戦略と効率的な学習にかかっています。

ここからは、実際に合格を掴んだ方々の体験談から見えてくる勉強のコツをご紹介します。

貸金業法に集中!法律の趣旨を理解する!

貸金業務取扱主任者は試験範囲が広いのが特徴です。

しかし、合格者の多くが出題の半分以上が貸金業法から出題されていることに気付き、そこに集中的に取り組んでいました。

「まずは貸金業法に集中することが合格への最短ルート」と語る合格者もいます。

貸金業法は法律用語が難しく、初学者は戸惑ったり覚えきれず途方に暮れたりすることもあるようです。

貸金業務取扱主任者試験合格者の多くが「法律用語は単純に暗記するのではなく、実務場面を想像しながら法律の趣旨を理解することで知識を定着させることが大切」と言います。

このように知識を定着させると、応用問題にも対応ができるようになります。

頻出問題をたたき込む!過去問を何度も繰り返し解く!

貸金業務取扱主任者試験には、毎年形を変えて出題されることの多い頻出問題がいくつもあります。

このため、過去問演習で解いた問題と同じ問題が本番の試験で出題されることもあるのです。

合格者の多くは「過去問演習に最も力を入れた」と言います。

「間違えた問題は解答とテキストの解説に戻り、丁寧に確認する」

「正解した問題も、解答の理由を説明できるように振り返る」

このように過去問演習を繰り返すことで、徐々に問題文を読み解くスピードが上がり、知識が定着していきます。

スキマ時間を有効活用!社会人は勉強時間確保が合格のカギ!

社会人は仕事やプライベートが忙しく、勉強時間を確保することが難しいこともあります。

貸金業務取扱主任者試験に合格した社会人受験者は「スキマ時間を徹底的に有効活用することが合格のカギ」と言います。

通勤電車内や昼休み、あるいは寝る前の数分間など、ちょっとした時間を積み重ねることで学習時間を確保したという合格者が多くいました。

スキマ時間を有効活用するためには、教材選びも大切だと言います。

重い参考書は持ち歩くのが大変なので、移動中に勉強をするのには向いていません。

スマホで学べる教材を積極的に活用したり、動画講義で耳からも情報を入れたり、間違えた問題をアプリで復習したりできると、スキマ時間に勉強することが可能になります。

いつでもどこでも勉強できる教材を選ぶことが、忙しい社会人の合格へのカギといえるでしょう。

まとめ

今回は、貸金業務取扱主任者の試験概要や勉強のコツについて解説しました。

  • 貸金業務取扱主任者試験は年1回(11月)、マークシート50問で実施される国家資格
  • 合格率は30%前後、合格ラインは50点中30点前後が目安
  • 初学者は約180時間の学習が必要と言われている
  • 出題のほとんどが法令関係で、特に貸金業法と民法が全体の約8割を占める
  • 「頻出範囲を重点的に学習する」「過去問の反復演習」「スキマ時間の有効活用」などが、効率的に合格を目指すためのコツである

独学での勉強が不安な方には、「スタディング 貸金業務取扱主任者講座」がおすすめです。

スキマ時間を最大限に活用できるよう設計された講座で、合格への道のりを力強くサポートします。

気になった方は、無料体験をぜひお試しください。