個人情報保護士は、はじめてチャレンジする方にとっても比較的合格しやすい試験です。
難易度も、法律系国家資格と比べたら高くありません。
今回は、個人情報保護士の合格率や合格基準の他、試験問題に関する情報と心がけておきたいポイントについてまとめています。
受験希望者の方はぜひ参考までにご一読ください。
個人情報保護士の合格率
「一般財団法人 全日本情報学習振興協会」によると、個人情報保護士認定試験の過去実績に基づく平均合格率は「41.5%」です。
10人受験して、合格者は4人程度ということになります。ちなみにこの数字は知的財産管理技能検定2級などの国家資格と同レベルの合格率です。
問題数と合格基準
個人情報保護士認定試験の問題数はトータルで100問(課題Ⅰ:個人情報保護法とマイナンバー法の理解:50問/課題Ⅱ:個人情報保護の対策と情報セキュリティ:50問)。試験時間は、合計150分になります。
合格基準は課題Ⅰ、課題Ⅱ、各70%以上です。合格基準点はそのときの正答率を見て調整される場合がありますので、ある程度幅を見ておいたほうが良いでしょう。
試験問題は難しい?
個人情報保護士に限らず、法律系の資格は何となく「難解」「とっつきにくい」と言うイメージをもたれがちです。しかし、個人情報保護士の場合、出題される法律の科目は個人情報保護法とマイナンバー法のふたつに限定されるため、他の資格試験と比べて的を絞りやすく、勉強計画も立てやすいと言えます。
すでにビジネスの現場で個人情報保護法や情報セキュリティに触れている方は、問題にもなじみやすく、用語や条文のマスターもそれほど難しくないでしょう。個人情報の概念は日常生活にも密接に関わるため、法律に詳しくない方にとっても比較的頭に入りやすい点が特筆されます。
試験内容
個人情報保護士試験の出題科目を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
課題 | 出題内容 |
課題Ⅰ個人情報保護法とマイナンバー法の理解 |
<個人情報保護法総説>・個人情報保護の法体系・各種認定制度<個人情報保護法の基本法部分>・法の目的と基本理念・用語の定義・国及び地方公共団体の責務や施策等<個人情報に関する義務>・利用目的の特定・変更(法17条)・利用目的による制限(法18条)・不適正な利用の禁止(法19条)・適正な取得(法20条1項)・要配慮個人情報の取得制限(法20条1項)・取得に際しての利用目的の通知等(法21条)<個人データに関する義務>・個人データの正確性の確保と不要な個人データの削除(法22条)・安全管理措置(法23条)・従業者の監督(法24条)・委託先の監督(法25条)・漏えい等の報告等(法26条)・第三者提供の制限(法27条)・オプトアウトによる第三者提供(法27条2項~4項)・「第三者」に該当しない場合(法27条5項各号)・外国にある第三者への提供の制限(法28条)・第三者提供時の確認・記録義務(法29条・法30条)<個人関連情報に関する義務>・個人関連情報の第三者提供の制限等(法31条)<保有個人データに関する義務>・保有個人データに関する事項の本人への周知(法32条1項)・利用目的の通知の求め(法32条2項・3項)・保有個人データの開示請求(法33条)・第三者提供記録の開示請求(法33条5項)・保有個人データの訂正等の請求(法34条)・保有個人データの利用停止等の請求(法35条1項・2項)・保有個人データの第三者提供停止の請求(法35条3項・4項)・法35条5項の要件を満たす場合の利用停止等又は第三者提供の停止・開示等の請求等に応じる手続き・手数料(法37条・38条)・裁判上の訴えの事前請求(法39条)<仮名加工情報取扱事業者等の義務>・仮名加工情報取扱事業者等の義務(法41条・42条)<匿名加工情報に関する義務等>・匿名加工情報に関する義務等(法43条~46条)<実効性を担保する仕組み等>・個人情報の取扱いに関する苦情処理(法40条)・個人情報保護委員会による監視・監督・民間団体による個人情報の保護の推進・罰則(法176条~185条)<行政機関等における個人情報等の取扱い>・行政機関等における個人情報等の取扱い<マイナンバー法の理解>・総則(法1条~6条)・個人番号(法7条~16条)・個人番号カード(法16条の2~18条の2)・特定個人情報の提供(法19条~26条)・特定個人情報の保護(法27条~32条)・特定個人情報の取扱いに関する監督等(法33条~38条)・法人番号(法39条~42条)・雑則(法43条~47条)・罰則(法48条~57条) |
課題Ⅱ個人情報保護の対策と情報セキュリティ |
<脅威と対策>・個人情報保護法と情報セキュリティ・情報セキュリティ・脅威と脆弱性に対する理解・情報セキュリティ関連の対策基準・個人情報保護法のガイドライン<組織的・人的セキュリティ>・基本方針の策定・個人情報の洗い出しと管理・リスクの認識、分析、対策・規程文書(内部規程)の整備・組織的安全管理措置・人的安全管理措置・委託先の監督・事故・苦情等への対応<オフィスセキュリティ>・物理的セキュリティ対策に関する知識・物理的安全管理措置の実施項目・災害対策<情報システムセキュリティ>・技術的セキュリティ対策に関する知識・技術的安全管理措置の実施項目 |
試験項目や問題数だけ見るとボリュームがあり、勉強が大変そうに思えてしまう方も少なくないでしょう。しかし、試験は記述式なしの全問題マークシート方式で行われます。その点だけでも楽な気持ちで試験勉強に臨めるのではないでしょうか。
試験は年に「4回」行われる
個人情報保護士試験は、例年、3月、6月、9月、12月の4回実施されます。そのため、たとえ失敗しても落ちこむことはありません。3カ月もたてば再び合格のチャンスが訪れるのです。気持ちにゆとりを持って学習に臨んでください。
試験日程を見て、「6月の試験は厳しそうだな」と思った場合、9月に照準を合わせて勉強に取り組むのもひとつの方法です。
また、6月の試験は様子見、経験のためと割り切ってチャレンジし、9月を本命に置く、という戦略も良いかもしれません。試験会場の雰囲気を体験することも大事ですし、実際に試験問題に取り組むことで傾向と対策も見えやすくなります。
4回実施されるところがこの試験の特徴であり、メリットでもあります。試験制度の持つ性格を上手に活用することも、合格をたぐり寄せるためのポイントです。
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