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弁護士や行政書士にとって個人情報保護士は役立つのか

弁護士が個人情報保護士を持つ意味

多くの相談者から、さまざまな法的トラブルの解決依頼をお願いされる弁護士。その弁護士が個人情報保護士の資格を掲げて活動することの意味は、決して小さくありません。相談者は資格所持を示す認定証を見て、「この法律事務所は顧客の個人情報管理に対して、真摯に取り組んでいる」と言うイメージを持つでしょうし、その安心感から情報提供もしやすくなるでしょう。「顧客からの信頼獲得」「事務所のイメージアップ」と言う貴重な財産も得られるかもしれません。

弁護士たちによって構成される「日本弁護士連合会」は、各会員が個人情報を適切に取り扱いためのガイドラインを示しています。個人情報の収集に関する規定や、安全管理のためのルール、改善措置の義務化、苦情処理対応のあり方など、その内容は多岐にわたります。個人情報保護の考えなしに、健全な弁護活動はなし得ない、と言っても言い過ぎではありません。

また、個人情報を巡る訴訟案件やプライバシー侵害事案を取り扱うケースも考えられます。基本的に弁護士はすべての法律業務が許されるだけに、どんな法律の素養も身に付けているものですが、得意分野・専門分野はそれぞれ異なり、知識の濃淡も法律によって異なります。労働法に強い弁護士もいれば、金融関係の法律を専門的に扱う弁護士もいるでしょう。それまでのフィールドからさらに活動領域を広げて新たな分野に進出しようと考えたとき、弁護士と言えども知識のアップグレードが求められるかもしれません。個人情報保護士の資格を取れば、個人情報保護法やマイナンバー法の深い理解につながり、その方面での相談を積極的に受けられるようになるでしょう。


行政書士にもメリットがある個人情報保護士

書類作成や許認可申請のプロフェッショナルが、行政書士です。取り扱える書類は1万点以上に及ぶことから、業務範囲も幅広いのが特徴です。しかし、行政書士も弁護士同様、限られた得意分野を持って活動しているケースが目立ちます。昨今では、個人情報保護法の改正やマイナンバー法の成立にともない、プライバシーポリシーや秘密保持契約書の作成を主に担当する事務所も増えてきました。

それらの業務を専門とする行政書士の役割は、多くの企業が個人情報を適切に管理・運用するためのスキームを作り、サポートすること。それらの活動を円滑に進めるうえで、個人情報保護士の資格が潤滑油となるのです。

行政書士は法律系の資格であるものの、イメージ的には「書類作成のプロ」という言葉があてはまると思われます。個人情報保護士の資格を取ることで、特定分野における知識の厚みが増し、それが強みとなってよりアグレッシブに活動できることが期待されます。

行政書士もまた、個人情報保護関連を含む「一般知識」を問う資格試験を通過しているだけに、その方面の知識を兼ね備えています。業務と並行しながらの受験もそう難しくないのではないでしょうか。そうであれば、ダブルライセンスでその価値を最大限に生かすと言うのもひとつの方法です。

行政書士に関して言えば、社会保険労務士や宅建士、ファイナンシャルプランナーなど他の資格も取得して、業務範囲を拡大するケースも見受けられます。その意味で個人情報保護士も日ごろの活動をバックアップしてくれる有力ツールとなり得るでしょう。年4回実施と合格チャンスも多いだけに、取得を検討する価値は十分あります。