商法-持分会社
予備試験平成27年 第24問

司法試験ピックアップ過去問解説

問題

持分会社に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.法人は,持分会社の社員となることができない。

イ.社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかは,定款の絶対的記載事項である。

ウ.有限責任社員は,信用を出資の目的とすることができる。

エ.合名会社は,計算書類を作成する必要はない。

オ.合資会社の有限責任社員が退社したことによりその会社の社員が無限責任社員のみとなったときは,その会社は,合名会社となる定款の変更をしたものとみなされる。


1.ア ウ  2.ア オ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ エ



解答・解説

解答:4

ア 誤り

持分会社の社員に、法人がなれないとする規定はありません。576条1項4号は「社員の氏名又は名称・・・」と定め、また、598条1項は法人が業務執行社員になることが可能であることを前提とする定めを置いています。

したがって、法人であっても持分会社の社員となることができるため、記述アは誤っています。

イ 正しい

576条1項5号は「社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別」を定款の絶対的記載事項としています。

したがって、記述イは正しいといえます。

ウ 誤り

576条1項6号は「社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準」を定款の絶対的記載事項としています。すなわち、有限責任社員の出資の目的は、金銭等(金銭その他の財産。151条1項参照)に限られ、信用を出資の目的とすることはできません

したがって、記述ウは誤っています。

エ 誤り

持分会社は計算書類を作成しなければなりません(617条2項)。合名会社を除外する規定はありません。

したがって、記述エは誤っています。

オ 正しい

合資会社は無限責任社員と有限責任社員とがある会社ですが(576条3項)、その社員が無限責任社員のみとなった場合には合名会社となる定款の変更をしたものとみなされます(639条1項)。

(有限責任社員のみとなった場合には合同会社となる定款の変更をしたものとみなされます(同条2項)。)

したがって、記述オは正しいといえます。

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