民訴法-共同訴訟
予備試験平成27年 第44問

司法試験ピックアップ過去問解説

問題

共同訴訟に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。


1.入会集落の構成員の一部は,入会地についての使用収益権に基づいて,入会地への立入りを妨害する者に対し,その排除を求める訴えを提起することができる。

2.A及びBが共有する甲土地について,第三者Cに対し,甲土地がA及びBの共有に属することの確認を求める訴えは,Aが単独で提起することができる。

3.A及びBが共有する甲土地について,第三者Cに対し,Aが甲土地の共有持分権を有することの確認を求める訴えは,Aが単独で提起することができる。

4.AがBから甲土地を買い受けた場合において,その所有権移転登記がされる前にBが死亡し,C及びDがAに対して所有権移転登記手続をする義務をBから共同相続したときは,Aは,C又はDのいずれか一方を被告としてB名義で登記されている甲土地につき所有権移転登記手続を求める訴えを提起することができる。

5.Aが所有する甲土地とB及びCの共有に属する乙土地とが筆界(境界)を挟んで隣接する場合において,Aが境界確定の訴えを提起するときは,B及びCの双方を被告としてこれを提起しなければならない。



解答・解説

解答:2

1 正しい

判例は、「入会部落の構成員が入会権の対象である山林原野において入会権の内容である使用収益を行う権能は、入会部落の構成員たる資格に基づいて個別的に認められる権能であつて、入会権そのものについての管理処分の権能とは異なり、部落内で定められた規律に従わなければならないという拘束を受けるものであるとはいえ、本来、各自が単独で行使することができるものであるから、右使用収益権を争い又はその行使を妨害する者がある場合には、その者が入会部落の構成員であるかどうかを問わず、各自が単独で、その者を相手方として自己の使用収益権の確認又は妨害の排除を請求することができる」として、入会権の使用収益権は単独で行使できることを認め、その妨害排除も単独で請求できるとしています(最判S57.7.1)。

したがって、記述1は正しいといえます。

2 誤り

判例は、「一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権(数人が共同して有する一個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解するのが相当である」としています。

よって、甲土地がA及びBの共有に属することの確認を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たるため、Aが単独で提起することはできません。

したがって、記述2は誤っています。

3 正しい

判例は、「各共有者は、その持分権にもとづき、その土地の一部が自己の所有に属すると主張する第三者に対し、単独で、係争地が自己の共有持分権に属することの確認を訴求することができるのは当然である」として、単独による共有持分権の確認請求を認めています。記述2の共有権の確認とは結論が異なるため、注意が必要です。

したがって、記述3は正しいといえます。

4 正しい

判例は、記述4と同様の事案において、「相続によつて承継した前記Aの所有権移転登記義務・・・は、いわゆる不可分債務であるから、たとえ上告人主張のごとく、上告人の外に共同相続人が存在するとしても、被上告人は上告人一人に対して右登記義務の履行を請求し得るものであつて、所論のごとく必要的共同訴訟の関係に立つものではないのである。」として、共同相続人のうちの一人に対する所有権移転登記手続請求を認めています(すなわち必要的共同訴訟ではないという判断です)。

したがって、記述4は正しいといえます。

5 正しい

隣接する土地の一方(または双方)が共有に属する場合の境界確定の訴えは、固有必要的共同訴訟であると解されています(最判S46.12.9)。

したがって、Aが境界確定の訴えを提起するときは、BとCの双方を被告としてこれを提起しなければならないため、記述5は正しいといえます。

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