民法-共有
予備試験平成27年 第5問

司法試験ピックアップ過去問解説

問題

AとBが各2分の1の割合で共有する甲土地の法律関係に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。


1.Aは,甲土地の不法占拠者に対し単独で不法行為に基づく損害賠償を請求することができるが,Aの請求することができる損害賠償の額は,Aの持分割合に相当する額に限られる。


2.AB間の合意により甲土地をAが単独で使用する旨を定めた場合,Aは,甲土地を単独で使用することができるが,その使用による利益についてBに対し不当利得返還債務を負う。


3.Aが死亡し,その相続人の不存在が確定するとともに,甲土地がAの特別縁故者に対する財産分与の対象にもならなかったときは,Aの有していた甲土地の持分はBに帰属する。


4.Aが甲土地の管理費用のうちBが負担すべき分を立て替えて支払った後,Bが甲土地の自己の持分をCに譲渡した場合,Aは,Cに対し,その立替金額の支払を請求することができる。



解答・解説

解答:2

1 正しい

判例は、共有物である土地の不法占有者に対して損害賠償を求める場合、各共有者は、その共有持分の割合に応じて請求すべきであり、その割合を超えて請求することはできないとしています(最判S51.9.7)。したがって、記述1は正しいといえます。

2 誤り

判例は、共有物につき、共有者の一人が単独で使用する権原を有するものではないとしつつ、共有者間の合意により単独使用を認めた場合、使用しない他の共有者が、単独使用者に対し、その使用による利益について、不当利得を請求することはできないとしています(最判H10.2.26)。

したがって、記述2は誤っています。

3 正しい

255条は「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」と定めています。他方で、相続人が無い場合、被相続人の遺産は、特別縁故者に与えられる可能性があります(958条の3)。これらの関係について判例は、特別縁故者もいないことが確定したときにはじめて、255条の適用があるとしています(最判H1.11.24)。

したがって、記述3の場合、Aの有していた甲土地の持分は255条により他の共有者であるBに帰属することになるため、正しいといえます。

4 正しい

共有物について、各共有者は、その持分に応じて、管理の費用を支払う義務があります(253条1項)。そのため、共有者の一人が他の共有者の負担すべき分まで立て替えて支払った場合は、事務管理として、他の共有者に対する償還請求権を取得することになります(702条1項)。そして、共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができます(254条)。

したがって、Bの負担すべき費用を立て替えて支払ったAは、Bの持分の譲渡を受けた特定承継人であるCに対しても、その立替金額の支払いを請求することができます。よって、記述4は正しいといえます。

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