憲法-内閣及び内閣総理大臣
予備試験平成27年 第9問

司法試験ピックアップ過去問解説

問題

内閣及び内閣総理大臣に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。


ア.憲法第65条第1項は,「行政権は,内閣に属する」と規定している。行政権とは全ての国家作用のうちから立法作用と司法作用を除いた残りの作用であるとすると,立法作用と司法作用以外の全ての国家作用について内閣が自ら行うことが必要となる。


イ.内閣は,行政権の行使につき,国会に対し連帯して責任を負う。これは,特定の国務大臣がその所管事項に関して単独の責任を負うことを否定するものではなく,個別の国務大臣に対する衆議院及び参議院の問責決議も認められるが,それらには法的効力はない。


ウ.内閣総理大臣は,内閣という合議体において,単なる同輩中の首席ではなく,首長の立場にあり,その他の国務大臣の任免権を専権として有する。したがって,文民統制の観点から内閣総理大臣は文民でなければならないとしても,その他の国務大臣が文民である必要はない。


1.ア○ イ○ ウ○  2.ア○ イ○ ウ×  3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ×  5.ア× イ○ ウ○  6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○  8.ア× イ× ウ×



解答・解説

解答:6

ア 誤り

設問の見解は、通説であるいわゆる控除説をいうもので、「行政権とは全ての国家作用のうちから立法作用と司法作用を除いた残りの作用である」とする見解です。

この見解からすると行政権に含まれるはずの国家作用について、憲法上、他の機関が行うことと定められているものがあります。

例えば、天皇の内閣総理大臣の任命(6条1項)は、立法作用でも司法作用でもないため、行政権に属しますが、天皇が行います。

したがって立法作用と司法作用以外の全ての国家作用について内閣が自ら行うとはいえず、設問は誤っています。

イ 正しい

66条3項に「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」と定められており、設問第1文は正しいといえます。

この「責任」は政治責任・連帯責任を意味します。しかし、特定の国務大臣が単独の責任を負うことを否定するものではないと解されています。そして、この単独の責任を追及する問責決議が衆議院・参議院においてされることがありますが、これに法的拘束力はありません。したがって、設問は正しいといえます。

なお、内閣に対しては、衆議院において不信任決議、参議院において問責決議をすることができますが、前者には法的拘束力がある(69条)のに対し、後者には法的拘束力はなく、政治的な意味を有するにとどまります。

ウ 誤り

内閣総理大臣は、首長の立場にあり(66条1項)、その他の国務大臣の任免権を専権として有しています(68条1項)。これらのことから、単なる同輩中の首席ではないといえます。したがって、設問前段は正しいといえます。

66条2項は「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」と定めているため、「その他の国務大臣が文民である必要はない。」とする設問後段は誤っています。

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