商法-株主総会の招集
予備試験平成27年 第19問

司法試験ピックアップ過去問解説

問題

株主総会の招集に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,いわゆる全員出席総会が成立する場合及び招集手続の省略について株主全員の同意がある場合は,考慮しないものとする。

ア.取締役会設置会社でない会社においては,株主総会に出席しない株主が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができる旨を定めない場合には,株主総会の目的である事項を定めたときでも,その事項を招集通知に記載することを要しない。

イ.取締役会設置会社においては,会社法上の公開会社であるか否かにかかわらず,株主総会の招集通知は,株主総会の日の2週間前までに発しなければならない。

ウ.会社法上の公開会社においては,株主総会の招集通知は,口頭ですることができない。

エ.大会社においては,株主総会の招集に際して,株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならない。

オ.連結計算書類を作成しなければならない会計監査人設置会社においては,定時株主総会の招集通知に際して,株主に対し,連結計算書類に係る会計監査人の会計監査報告を提供しなければならない。

1.ア ウ  2.ア エ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

解答・解説

解答:1

ア 正しい

株主総会に出席しない株主が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができる旨を定めた場合(299条2項1号)又は、株式会社が取締役会設置会社である場合(同項2号)、株主総会の招集の通知は書面でしなければならず(299条2項)、この書面の通知には、株主総会の目的である事項があるときは、当該事項を記載し、又は記録しなければなりません(299条4項、298条1項2号)。
299条2項の反対解釈により、各号のどちらにも該当しない場合は、株主総会の招集の通知は書面でする必要がなく、株主総会の目的である事項を定めたとしても、通知に記載しなければならないとする規定はありません(「前2項の通知」に該当せず、299条4項の適用がないため)。
そうすると、株主総会招集通知の記載内容の規定がないことになるため、株主総会の目的である事項を定めたときでも、その事項を招集通知に記載することを要しないことになります。
したがって、記述アは正しいといえます。


イ 誤り

株主総会の招集の通知は、株主総会の日の2週間前までにするのが原則です(299条1項)。
しかし、公開会社でない株式会社で、かつ、株主総会に出席しない株主が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができることを定めなかった場合は、1週間前までとされています(同項ただし書き)。
したがって、記述イは誤っています。


ウ 正しい

公開会社取締役会を置かなければなりません(327条1項1号)。そして、取締役会設置会社であった場合、株主総会の招集の通知は書面でしなければなりません(299条2項2号)。
したがって、記述ウは正しいといえます。


エ 誤り

大会社とは、資本金が5億円以上または、負債の合計が200億円以上の会社をいいます(2条6号)。
株主が1000人以上の会社であれば、株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならないとする規定がありますが(298条2項本文)、大会社にはそのような規定はありません。
したがって、記述エは誤っています。


オ 誤り

会計監査人設置会社においては、定時株主総会の招集の通知に際して、会計監査報告を含む事業報告を提供しなければなりません(437条)。ただし、ここでいう会計監査報告は、計算書類に係るものであって、連結計算書類に係るものではありません
そして、連結計算書類を作成しなければならない会計監査人設置会社においては、定時株主総会の招集の通知に際して、株主に対し、連結計算書類を提供しなければなりませんが(444条6項)、連結計算書類に係る会計監査報告を提供しなければならない旨の規定はありません。連結計算書類に係る監査の結果は定時株主総会に報告されます(444条7項)。
したがって、記述オは、定時株主総会の招集通知に際して連結計算書類に係る会計監査人の会計監査報告を提供しなければならないとしている点で誤っています。

基本講座-商法20 会社法(14)株主総会総説、議決権の行使

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