民事訴訟法-請求の併合
司法試験平成26年 第60問

司法試験ピックアップ過去問解説

問題

請求の併合に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。

1.配偶者の不貞行為を理由として離婚の訴えを家庭裁判所に提起する場合には,原告は,被告に対する当該不貞行為による慰謝料請求を併合することができる。

2.土地の所有者が地上建物の所有者に対して建物収去土地明渡しを求める訴えを当該土地の所在地を管轄する裁判所に提起する場合には,原告は,被告に対する貸金返還請求を併合することができない。

3.土地の明渡請求と当該土地の明渡しまでの賃料に相当する額の損害の賠償請求とが一の訴えでされた場合には,裁判所は,各請求について判決をする必要がある。

4.消費貸借契約に基づく貸金100万円の支払請求と,仮に当該契約が無効であるときには不当利得として同額の支払を求める請求とが一の訴えでされた場合において,裁判所は,前者の請求を認容するときは,後者の請求について判決をする必要はない。

5.不特定物の引渡しの請求とその執行不能の場合における代償請求とが一の訴えでされた場合において,裁判所は,前者の請求を認容するときは,後者の請求について判決をする必要はない。

解答・解説

解答:2,5

1 正しい
請求の併合は、同種の訴訟手続きによる場合に限り許されるのが原則ですが(136条)、人事訴訟法17条1項本文は特別の規定を設けており、「人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求とは、民事訴訟法第百三十六条 の規定にかかわらず、一の訴えですることができる。」と定めていることから、不貞行為を理由とする離婚の訴えと当該不貞行為による慰謝料請求とは併合することができます。
したがって、記述1は正しいといえます。

2 誤り
請求の併合は、同種の訴訟手続きによる場合に限り許され(136条)、これに加えて、管轄が認められ、その他併合が禁止されていないことが要件とされます。
建物収去土地明渡請求と貸金返還請求とはどちらも通常の民事訴訟によるものであるため、同種の訴訟手続きによるといえます。また、一つの訴えで数個の請求をする場合による場合は、管轄が認められ(7条)、その他併合が禁止されている事情もありません
したがって、記述2の請求は併合することができるため、記述2は誤っています。

3 正しい
土地の明渡請求と当該土地の明渡しまでの賃料に相当する額の損害の賠償請求とは、どちらも両立する請求であり、どちらの判決も求めるものといえるため、単純併合に当たります。
単純併合の場合、裁判所は、各請求について判決をする必要があります。
したがって、記述3は正しいといえます。

4 正しい
消費貸借契約に基づく貸金100万円の支払請求と、当該契約が無効である場合の不当利得として同額の支払を求める請求とは、前者が契約の有効を前提とし、後者が契約の無効を前提とするものであるため、両立しません。そして、前者を主位的、後者を予備的としているものといえるため、予備的併合に当たります。
予備的併合の場合、裁判所は、主位的請求を認容する場合には予備的請求について判断する必要はありません。したがって、記述4は正しいといえます。

5 誤り
不特定物の引渡しの請求と、それが執行不能になった場合の代償請求とは、少なくとも訴訟手続上においては、両立し得るものといえます。そして、どちらの判決も求めるものといえるため、単純併合に当たります。
単純併合の場合、裁判所は、各請求について判決をする必要があります。
したがって、記述5は、代償請求について判決をする必要は無いとしている点で誤っています。


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