憲法-憲法25条
司法試験平成27年 第7問

司法試験ピックアップ過去問解説

問題

憲法第25条に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには〇,誤っているものには✕を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

ア.憲法第25条第1項で定める救貧施策においては国民の最低限度の生活を保障しなければならないが,同条第2項で定める防貧施策においては広い立法裁量が認められると解する立場によっても,救貧施策は生活保護法による公的扶助に限定されないと解することはできる。

イ.憲法第25条第1項は,将来に向けた政策の指針を定めたもので,国民の権利を保障するものではないと解するプログラム規定説によっても,裁判所が同項に基づいて個々の法律について国民の生存権を侵害するか否かを判断できる。

ウ.いわゆる朝日訴訟においては,生活保護法に基づく生活扶助を廃止するとともに医療扶助を変更する旨の保護変更決定について,これを認容した厚生大臣の裁決自体の裁量権の逸脱・濫用が争われたのではなく,生活保護法自体が憲法第25条第1項に違反するとして争われた。

1.ア〇 イ〇 ウ〇  
2.ア〇 イ〇 ウ ✕  
3.ア〇 イ ✕ ウ〇
4.ア〇 イ ✕ ウ ✕ 
5.ア ✕ イ〇 ウ〇 
6.ア ✕ イ ✕ ウ ✕
7.ア ✕ イ ✕ ウ〇 
8.ア ✕ イ ✕ ウ ✕


解答・解説

解答:4

ア 正しい
憲法25条2項を事前の積極的防貧施策をなすべき努力義務を、1項は2項の防貧施策の実施にもかかわらず、なお落ちこぼれた者に対し、補足的かつ個別的な救貧施策をなすべき責務のあることを宣言したものと解した堀木訴訟控訴審判決は、救貧施策は生活保護法による公的扶助に限定しました。しかし、このような見解を採ったとしても、生活保護法だけが救貧施策に当たると解さなければならない理由はなく、同判決が否定した障害福祉年金や児童扶養手当も、場合によっては救貧施策に当たると解することもできます。
したがって、設問は正しいといえます。

イ 誤り
プログラム規定説は、国に政治的・道義的責任を課すだけで、それ以上の法的意味は無いと考えるものです。この見解からは、憲法25条は裁判規範とならないため、裁判所が同項に基づいて個々の法律について判断することはできないことになります。
したがって、設問は誤っています。

ウ 誤り
朝日訴訟は、それまで認められていた生活扶助が打ち切られ、実兄から送金された金員の一部を負担させる保護変更決定をしたため、これに対する不服申立ても認められなかったことから、当該不服申立却下裁決の取り消しを求めたものです。
したがって、生活保護法自体が憲法25条1項に違反するとして争われたとする設問は誤っています。


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