モチベーションの維持が難しいことでしょうね。
択一試験の場合は、やればやるだけ正答率が上がっていくので、その分モチベーションも上がるでしょう。
しかし、技術士二次試験の論述試験は正解がないので、択一試験とは違って「できるようになった」という実感がなかなか持てないんです。こちらから見ると、受験勉強を始めた頃の答案と試験直前期の答案を比べると明らかに後者のほうが出来はよくなっているのですが、自分ではそれがわからない。だから途中でくじけてしまうんですよ。
技術士二次試験は4月に申し込みが開始して7月に試験があります。
約3万人が出願しますが、実際に受験するのは2万1~2千人。つまり、4月から7月までの4か月の間に3割は受験をやめてしまうんですよ。
とてももったいない話だと思います。
自分に合った勉強を続けられるための仕組みを考えて実践することですね。
たとえば私の場合は、1回目の受験で落ちたときに、当時小学3年生だった下の娘に「『勉強しないとまた落ちるよ』ってお父さんに毎日言いなさい」と頼みました。
自分で頼んでおいて、実際に言われると腹が立つんですけど(笑)。でも、そのおかげで合格できて、娘にも「おめでとう」と言ってもらえました。
モチベーションを維持するためには、そういう強制装置のようなものが必要でしょうね。
人間の意志はどうしても弱くなりやすいですから。
講師として受講生さんのためにできるのは毎週ブログを書いたり、メールをお届けするくらいです。
なので、何かモチベーションを維持できる方法を各々考えてほしいですね。
まず、どんな状況であれ、勉強を続けようとする人ですね。
受かる人は、海外出張や土日出勤をしなければならない状況でも、どんなに忙しい状況でも勉強を続けて受かっています。
僕がこの8年間で指導した中に、勉強を一時期中断してその後戻ってきた方が3人だけいました。
いずれも女性で、勉強を中断した理由は出産です。
3人とも、出産後子育てをしながらカムバックされてその後きちんと合格しています。
間違った書き方や考え方をしていることを指摘したときに、それを素直に受け入れて修正できる人ですね。
送られてきた答案は、記憶の新しいうちに見直していただけるよう、できるだけ早く添削して修正コメントを入れてお返ししています。
それを見て、「なぜそのような書き方・考え方をしたのだろう」「このコメントはどういうことだろう」と立ち止まって見直しをすることが必要です。
コメントを見て、「ああ、わかった」と思うだけだと、次にまた同じ間違いをしてしまうんですよね。自分で間違った理由を考えて修正し、「次に答案を書くときはこうしよう」と思える人が受かるのです。
イギリスの政治哲学者エドマンド・バーグが「読書して何も考えないのは、食べ物を食べて消化しないのと同じだ」という言葉を遺していますが、まさにその通りだと思います。
私の場合は、午前2時半に起きて、出勤する朝5時半までを勉強時間にあてていました。そのほか、行き帰りの電車の中でキーワードの暗記をしていました。
勉強するときはポモドーロテクニックと呼ばれる手法で行うことをおすすめします。
ポモドーロテクニックとは、25分間集中して作業を行って5分休憩する、というサイクルを4回繰り返し、その後長めの休憩をとる、という手法のことです。
やはり頭に知識を入れるには集中力が不可欠なので、この方法を使えば効率的に勉強できると思います。
あと暗記物に関しては、寝る前に見ておいて、朝起きたら1回さらっと復習するのがよいそうです。
もちろん個人差はあるので、自分に合った方法を見つけられるとよいかなと思います。
以前、ある受験生の方から「当日はどんな参考書を持っていけばいいですか」と聞かれたことがあります。
そのとき、「参考書はいいから、ご家族の写真を持って行ってください」と伝えました。
技術倫理を語るのに「世のため人のために……」と大きなことを言う人がいますよね。
でも、家族も大事にできない人がどうやって他人のことを思いやることができるのでしょうか?
たまに大手企業の不正やリコール隠しのニュースを見聞きすることがありますが、プロにそのような不正をされると、一般の方が思わぬ不利益を被る可能性がありますよね。
だからわれわれ技術士は、ものづくりに従事するプロとして、世に出回る製品に対して常に倫理的でなければならないのです。それがひいては世のため人のためになるのですが、
世の中の人を大切にしたければ、まずは一番身近な存在である家族を大事にする必要があると思いますね。
私ができるのは、あくまでもみなさんが合格するためのお手伝いだけ。
私がみなさんを合格に導くのではなく、みなさんが自分自身の手で合格を勝ち取るのです。
合格までしっかりサポートしますので、「技術士になりたい」と一度決めたなら、最後まであきらめずにがんばりましょう!
|
|
プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
特典1 合格ノウハウを公開! 受験生必見の合格セミナー さらに「必勝合格法」冊子付! |
特典2 論文対策のポイントを伝授! まずはここから!初めて論文対策をする方に手法を動画でご紹介! |
特典3 添削課題のイメージがわかる! 添削課題(サンプル版)を無料で確認できる!有料版では16部門に対応! |