技術士は、インフラやものづくりの現場を支えるエンジニアを対象にした難関の国家資格です。
スタディングで技術士講座を主に担当しているのは、技術士二次試験の受験指導とコンサルタントの二足のわらじで活躍する匠習作先生です。
今回は、匠先生に技術士を目指したきっかけや技術士に求められる能力などについてお話を伺いました。
技術士の資格を取ろうと思ったのは、理系のコンサルタントとして独立するときに武器となるものが欲しかったからです。
大学卒業後は、外科用の手術道具や骨のインプラントをつくる医療機器メーカーに就職しました。
当時は、会社が商社からメーカーに転身して間もない頃。私が工学部出身だったことから、新工場を作る話が出たときには入社2年目で工場長に抜擢されました。
新工場立ち上げまでの2年間は文字通り昼夜問わず働きました。新工場が稼働しても、始発から終電まで働く日々が続きます。若い頃は何とか持ちこたえていたものの、40歳を過ぎる頃から身体に変調をきたすようになり「このままではまずい」と思い始めました。
そこで、将来独立することを目指して理系の国家資格のひとつである技術士の資格を取ろうと決意したのです。
2012年の技術士試験で機械部門・総合技術監理部門に同時合格し、2016年に念願の独立を果たしました。
まずは技術士の試験対策講座の運営からはじめたのですが、やがて技術士に合格したエンジニアの起業コンサルも行うようになり、多くのエンジニアの起業家を輩出しています。
今は技術士試験対策講座などで受験指導にあたるかたわら、開発・品質管理のコンサルタントや薬事承認申請のサポートを行っています。
技術士試験の受験期間の1月から7月は技術士講座での受験指導が中心になりますね。
とはいえ、受講生さんはみんな働いていて土日に添削の課題を送ってくる方がほとんどなので、受験期間でも平日の昼間はコンサルタントの仕事をしていることも多いです。
長距離移動が必要なときは、移動時間を利用して趣味で小説も書いています。
コンクールの2次予選突破までは行ったので、その先を目指して小説の執筆のほうもがんばっていきたいですね。
匠 講師の講義風景。スライド内の技術士の多様な仕事にあるように匠講師の活躍の場は広い。
多くの非常に優秀なエンジニアの方と出会うことができることです。
私は日本技術士学会や日本機械学会、失敗学会、人工知能学会の4つの学会に所属しているのですが、そこには研究者のみならずエンジニアも多数在籍しています。学会での研修会やセミナーを通じて、学会員との交流の輪が広がりました。
また、これまで指導してきた受講生には、小惑星探査機「はやぶさ」の開発に関わっている方や、東京湾アクアラインの施工管理をしている方などがいます。
そのような方々の中には、試験が終わっても活躍の様子をメールで報告してくれるもいますね。
あとは、独立したことで自らスケジュールを決めて仕事ができるようになったのも大きいですね。
今は余裕をもって事務所経営ができるようになったこともあり、毎日が楽しいです。
これからの時代、コミュニケーション能力もプレゼンテーション能力もエンジニアには不可欠なものになるからです。
エンジニアだからといって、ただ単にものを作るだけでは責任を果たしたとは言えません。たとえば新製品を開発したいとき、予算を引っ張ってくるために「なぜ今、わが会社でこの製品を開発する必要があるのか」について上司を説得しなければならない場面もあるでしょう。
また、製品に不具合があったとき、それがもとで事故が起こってしまったときには、原因を究明して一般消費者にわかりやすく説明するのもエンジニアの役割です。
そのために、エンジニアでもコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を磨く必要があるのです。
「技術士試験の二次試験に出てくる論文問題はプレゼンテーション資料だ」という方もいます。
技術士を目指す方は、一流大学を卒業された優秀な方が大半です。その方々が7年以上実務訓練を積んで臨む試験なのだから、受験生はみんな能力が高い方ばかりでしょう。
もし、試験委員の方にそれぞれの受験生の職場で仕事ぶりを見てもらえるのなら、みんな合格できると思います。
しかし、実際にそんなことはできませんよね。だから、試験で普段どんな仕事をしているのか、どんな課題を解決しているのかを答案用紙に書かせるわけです。
われわれ技術士の存在意義は、科学技術の向上と国民経済の発展に資することです。
まずは世の中のいろんな社会問題に目を向けて、それに対して意見を持つことがまず必要ですね。
そして、それをロジカルに人にわかりやすく伝えられる能力をこの講座で身につけてほしいなと思います。
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プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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