2026/07/02
7月20日の筆記試験まで、残りわずか18日となりました。仕事の後に机に向かい、休日を返上して論文を書き込んできた皆さまの努力は、今まさに最終的な完成度へと結びつく直前です。
この超直前期、過去問演習を繰り返す中で「内容は悪くないはずなのに、なぜか添削で厳しい評価を受ける」「文字数は埋まるのに、論点がズレている気がする」と悩んでいませんか?
実は、合格率10%の壁を前にして多くの受験生が陥る最大の罠が、「分かっているつもりで出題者の意図(題意)を外す」というミスです。どれほど豊富な専門知識や素晴らしい技術論を並べても、問いに答えていなければ評価は「不可」になります。
残り18日の今だからこそ、もう一度原点に立ち返り、問題文の裏に潜む「イシュー(本質的な問い)」を正確に捉えるための読解力を再確認しましょう。
技術士試験における読解力とは、単に文字を追って日本語を理解することではありません。文章の背景にある社会的意図を読み取り、情報を取捨選択し、出題者が設定した制約条件を正確に解釈する力のことです 。
直前期に知識が頭に詰まってくると、問題文のキーワード(例えば「生産性向上」や「インフラ老朽化」)を見た瞬間に、「あ、あの白書に書いてあったテーマだ」と脳が勝手に判断し、自分が用意してきた得意な解答パターン(一連の知識)をそのまま原稿用紙に吐き出そうとしてしまいます。
しかし、出題者は白書の知識を丸暗記している人を求めているのではありません。
問題文を段落ごとに区切り、設問の要求(問われていること)と条件(制約や前提)を色分けして整理するような、丁寧なステップを疎かにすると、出題者が本当に求めている「イシュー」から知らぬ間に遠ざかってしまうのです 。
試験本番の時間は限られています。「考える」とは、結論を導くために論理的に思考を進めることですが、「悩む」とは、結論が出ないことを前提に無駄に時間を浪費する行為です 。本番で「どう書けばいいか分からない」と悩む時間を最小限にするためにも、最初の数分でイシューを確実に抽出する訓練が必要です 。
問題文を読み解く際は、以下の「3つの理解」を組み合わせて問いを解釈してください。
語学的理解: 設問の構造を分析し、「何を」「どこまで」書くべきかという条件や制約を正確に読み取る 。
精神的理解: 出題者の意図を推測し、その問題が抱える「本質的な問い(イシュー)」を見抜く 。
歴史的理解: 現在の技術や社会の背景、国の政策の方向性を踏まえて、その課題の位置づけを理解する 。
「だいたい分かったつもり」で書き始めるのが一番危険です 。出題者が求めている「正確な理解」に到達できなければ、どれほど論理が立派でも採点者には響きません 。
試験委員に伝わる明確で分かりやすい文章を書くためには、まず「設問の問いに対して、一文一義(50文字以内)で実直に答える結論ファーストの型」を徹底しましょう。
例えば、設問が「〜における技術的課題を抽出せよ」であれば、パラグラフの冒頭(トピック・センテンス)は必ず「〇〇における課題は、××の観点から△△することである」という形で始めてください 。
専門用語を見せびらかすように羅列したり、何が言いたいのか分からない抽象的な表現(「高度化を図る」「明確化する」など)でお茶を濁したりすると、それだけで「問いに答えていない」と判断されます 。わからない部分があっても知ったかぶりをせず、自分が扱える確実なデータや技術の手順をステップバイステップで論理的に記述する誠実さこそが、合格答案の条件です。
試験まで残り18日。新しい知識を覚える必要はもうありません。今やるべきことは、過去5年分の過去問をもう一度机に広げ、「この問題文の1行は、私のどのコンピテンシー(専門的学識、問題解決など)を試そうとしているのか」と、出題者の意図を透視するトレーニングです。
問題の本質(イシュー)を早期に見抜き、解答の計画(骨子)を立てる習慣が身につけば、本番でどのような未知のテーマに出会っても論理の軸がぶれることはありません 。
ここまで歩んできたご自身の努力と、培ってきたエンジニアとしての論理思考を信じてください。あなたの論文が、試験委員の胸を打つ確かな一枚へと仕上がるよう、最後の1日まで実直に、丁寧に牙を研いでいきましょう。
最後の追い込み、あなたの論文の「軸」を確認します
「自分の論文が、本当に題意に正面から答えられているか不安だ」「論点がズレていないか客観的に見てほしい」という方は、ぜひスタディングの添削を活用してください。
試験委員の「問い」に対して、最も美しく、最も説得力のある形で切り返すための最後のチューニングを、一緒に完成させましょう。
| 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。
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