2026/3/27
技術士第二次試験合格を目指す受験生のみなさん、こんにちは。
令和8年度(2026年度)の試験から、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)が改訂されることが発表されました。
受験生の間では「試験制度がガラリと変わるのではないか?」と不安の声も聞こえますが、結論から申し上げます。
「筆記試験の問題文」や「提出する業務の詳細」といった試験形式そのものに変更はありません。
しかし、だからといって「今まで通りでいい」と考えるのは危険です。
なぜなら、採点官があなたの解答を評価する際の「物差し(評価基準)」がアップデートされるからです。
今回は、この改訂が具体的に「解答の書き方」や「評価」にどう影響するのか、特に重要度の高い「問題解決」を中心に詳しく解説します。
日本技術士会の発表にある通り、筆記試験の内容や、口頭試験の枠組みに変更はありません。
しかし、コンピテンシーの定義文には重要な「下線部(追加要素)」が加わっています。
これは、社会情勢の変化(DXの進展、多様性の尊重、複雑化する社会課題)に伴い、「現代の技術士なら、これくらいのアプローチは当然できてほしい」という期待値が上がったことを意味します。
試験形式が変わらないということは、同じ問いに対して、より「現代的な技術士像」に合致した解答を記述した人が合格に近づくということです。
最も注目すべきは「問題解決」の項目です。旧定義と比較すると、解答の構成に直結する2つのキーワードが追加されました。
「データ・情報技術(IT・AI等)の活用」
改訂版では、問題解決のプロセスにおいて「データ・情報技術を適切に活用して分析し」という文言が明文化されました。
解答への影響:これまでの論文では「ベテランの経験や勘」に基づいた現状分析でも通用したかもしれません。しかし今後は、「どのようなデータを収集し、それをどう情報技術で解析して、エビデンスに基づいた課題抽出を行ったか」という論理構成が、専門的学識と問題解決能力の両面で高く評価されるようになります。
「多角的な視点(多様なステークホルダーの意見等)」
単に技術的な正解を導き出すだけでなく、「多角的な視点(多様なステークホルダーの意見等)による検討」を経て解決策を提案することが求められるようになりました。
解答への影響:必須科目Ⅰや選択科目Ⅲにおいて、解決策を提示する際、「技術的に可能か」だけでなく、「地域住民、発注者、協力会社、あるいは将来世代といった利害関係者にどう配慮したか」という視点が、論理的な妥当性の評価に直結します。
「問題解決」以外にも、解答の端々に盛り込むべきニュアンスが変化しています。
コミュニケーション:
「明確かつ効果的」から「明確かつ包摂的(インクルーシブ)」へ。また、ここでも「情報技術を活用し」という文言が追加されました。口頭試験や論文の「調整」の記述において、一方的な伝達ではなく、相手の立場を包含し、デジタルツールを駆使して協働する姿勢が評価ポイントになります。
リーダーシップ:
「利害を調整する」だけでなく、「多様な価値観を活用する」という表現に変わりました。チームの個性を活かし、イノベーションを起こすマネジメント力が、より高い次元で問われるようになります。
令和8年度以降の試験を見据えるなら、学習の段階で以下の3点を意識した「答案の型」を身につけましょう。
「根拠はデータ」を口癖にする:
課題抽出の際、「〇〇が不足している」で終わらせず、「統計データやセンサー情報等を活用して〇〇の傾向を分析した結果、××という課題を特定した」という記述を心がける。
「ステークホルダー」を登場させる:
解決策を論じる際、技術的な手順だけでなく、「〇〇協議会での合意形成を図る」「ユーザーのフィードバックをデジタルプラットフォームで収集する」など、関係者を巻き込むプロセスを1行加える。
情報技術を「当たり前」の手段にする:
IT部門でなくても、BIM/CIM、リモート監視、AIによる劣化診断など、自身の専門分野における最新の情報技術活用を、標準的な解決策としてストックしておく。
コンピテンシーの改訂は、一見するとハードルが上がったように感じるかもしれません。
しかし、評価基準が明確になったということは、「何を具体的に書けば加点されるか」というヒントが増えたということです。
スタディングでは、こうした新しい評価基準に基づいた添削・指導を徹底していきます。
試験問題の「文面」に惑わされることなく、その裏側にある「技術士に求められる新しい資質」を論文に投影していきましょう。
時代が求める技術士へ。
新しい物差しを味方につけて、合格を勝ち取りましょう!
| 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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