2026/3/12
Ver3.1時代の試験対策 ― 何を鍛えるべきか
では、今後の試験対策は何を意識すべきでしょうか。
結論から言えば、「PC基準で答案を書く」ことです。
匠註:PCとは「personal computer」ではなく「Professional Competency」のこと。
第3.1版ではPCが15要素に体系化されています。
専門技術能力(IP1〜IP3)、業務遂行能力(IP4〜IP10)、行動原則(IP11〜IP15)です。試験問題はこれらを横断的に問う構造になっています。
例えば問題分析。単に原因を挙げるだけでは不十分です。複合的要因を抽出し、背景条件や制約条件を整理できるかが問われます。これはIP4に相当します。
解決策の提示も同様です。単一案ではなく、複数案を比較し、妥当性を示し、社会的影響や持続可能性まで考慮できるか。これはIP5およびIP11に関わります。
マネジメントはIP7です。品質・コスト・工程だけでなく、リスク、利害関係者調整、情報管理まで含めて論じられるかが問われます。
コミュニケーションと協働(IP8)も強化されています。単に「説明する」ではなく、「多様な関係者と協働する」と書けるかどうかが差になります。
そして最も重要なのが行動原則です。
倫理(IP13)、法律・規制(IP12)、社会保全(IP11)、CPD(IP14)、決定への責任(IP15)。
これらは総監部門だけの話ではありません。全受験者に共通する基準です。
答案対策として意識すべきことは三つです。
一つ目は、答案をPCで自己採点すること。書いた内容がどのIPに対応しているかを確認してください。
二つ目は、Well-beingと持続可能性の視点を必ず入れること。社会的価値への言及は必須です。
三つ目は、自律性を示すこと。「指示に従う」ではなく「自ら判断し責任を負う」と書くことです。
さらに、RPDCを答案構成に活かしてください。現状把握(Review)、課題設定(Plan)、実行策(Do)、評価改善(Check)。この流れは論述構成にそのまま使えます。
Ver3.1は受験者に対して、より厳しい基準を示しています。しかし同時に、何を書けばよいかを明確にしてくれました。
これからの試験対策は、知識整理中心の勉強では足りません。実務経験をPCに変換する訓練が必要です。自分の業務を15のPCで語れるかどうか。それが合否を分けます。
改訂はハードル上昇ではありません。評価基準の明確化です。基準が明確なら対策も明確になります。
今やるべきことは一つです。
自分の業務をPCで再整理すること。
それがVer3.1時代の最短ルートです。
| 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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