-技術士試験直前、全力を尽くしたあなたへ-
技術士試験を受験される皆さん、ここまでの長い道のり、本当にお疲れ様でした、いよいよ本番は7月20日・21日。
そしてこの記事が公開される7月17日はいわば“直前”の時期――多くの方が不安や緊張、あるいは焦りや諦めにも似た感情を抱えているのではないでしょうか。
「これだけやったのに、まだ不安だ」
「もっとできたはず、まだ足りない気がする」
「自分に自信が持てない」
きっと、こんな思いが胸の中を行き来していることでしょう。
けれど、この記事を読んでくれているあなたは、間違いなく“本気でこの資格に挑んでいる人”です。
この技術士試験は、多くの人にとって単なる「試験」ではありません。
キャリアの転機であり、人生の目標のひとつであり、ときに“自分自身への挑戦”です。
今日、あなたに伝えたい言葉は――
「人事を尽くして天命を待つ」
です。
1.「人事を尽くして天命を待つ」――全力のその先に
この言葉は、中国の古典『孟子』が出典とされる格言です。「人としてできる限りの努力をし、それでもなお結果は天に委ねるしかない」という、古くから日本人の精神に根付いた考え方です。
努力の大切さと、結果を受け入れる潔さ。そのどちらもが合わさった、受験生の心にも響く言葉です。
1-1.努力は裏切らない、しかし“結果”はコントロールできない
「人事を尽くして」とは、自分ができる限りのことを、全力でやり切ることです。
この日までにあなたが積み重ねてきた勉強の日々、悩み抜いた答案練習、知識や論理力のひとつひとつは、すべて“人事”の部分です。
一方で、“天命”とは、自分の力ではどうにもならない「運」や「時の巡り合わせ」、あるいは“出題傾向”や“体調”“受験当日の周囲の環境”なども含まれます。
大切なのは、「自分がコントロールできること」と「どうにもならないこと」とを分けて考えることです。
受験勉強は、ときに「もっとやらなきゃ」と追い込まれ、「まだ足りない」と自分を責めてしまいがちです。しかし、直前の今、改めて自分自身に問うてみてください。
――自分は、自分なりに“人事”を尽くしただろうか?
「完璧ではない」と感じている人もいるでしょう。でも、“本気”で頑張ったあなたの努力は、必ず何かの形で身についています。
そして今この瞬間からは、「やるべきことはやった。あとは天命に任せよう」と心を切り替えてみませんか。
2.人生を懸けた受験、その意味
技術士試験を受験する方々の多くは、社会人として働きながら、家庭や職場、さまざまな役割をこなしつつ勉強に取り組んでこられたことでしょう。
時には休日返上で机に向かい、睡眠や趣味を犠牲にし、時に周囲の理解を得られず孤独や葛藤と向き合うこともあったはずです。
この試験に「人生を賭けている」と思っている方も少なくありません。
その思いは、けっして大げさなものではありません。
合格すれば、キャリアが大きく広がるだけでなく、自分自身の「生き方」や「在り方」をも肯定できる瞬間が訪れます。
だからこそ、緊張や不安も大きくなる。それは、本気で人生をかけてきた証です。
2-1.“苦しみ”も“後悔”も、あなたの成長の証
ここまでの道のりは、決して楽なものではなかったでしょう。
・覚えられない知識に苦しんだ日々
・模試や過去問で思うような点数が出ず、落ち込んだ日
・家族や職場に負担をかけてしまい、申し訳なさを感じた瞬間
・「合格したい」と願いながらも、時に「もうダメかも」と弱音を吐いた夜
しかし、そのすべてが“あなたの努力”であり、確かな成長の証です。
辛い思いをした分だけ、あなたの心は強くなっています。
そして何より、「ここまでやりきった」という自信こそが、あなたの最大の武器になるのです。
3.「今さらジタバタしない」――勇気をもって手を止める
直前期になると、多くの受験生が「まだ足りない」「もっとやらなきゃ」と、最後の最後まで問題集やノートを手放せなくなります。
ですが、“人事を尽くした”のであれば、今は「勇気をもって手を止める」こともまた、合格への大切な一歩です。
知識は、直前に詰め込むよりも「しっかりと休養をとり、頭をクリアにする」ことで、より本番で引き出せるようになります。
身体も心も、今こそ整えてください。
もし最後の“あがき”をするならば、不安な分野をざっと見直す程度で十分です。
今は「自分のベストを出せる状態」をつくることに集中してください。
3-1.「不安」や「恐れ」を受け入れる
どれだけ準備しても、不安や緊張がゼロになることはありません。
「不安になるのは、自分だけだ」と思いがちですが、どの受験生も多かれ少なかれ同じ思いを抱えています。
不安や恐れが生まれるのは、“合格したい”という強い思いがあるからです。
どうかその気持ちを否定しないでください。
「不安も実力のうち」「緊張して当たり前」と受け入れることで、心がずっと軽くなります。
4.試験本番、「勝負所」で力を出すために
ここで、実際の試験当日に力を出し切るための「心構え」と「ちょっとしたアドバイス」をお伝えします。
4-1.当日は「今できること」だけに集中する
試験が始まる前、隣の人が難しい本を見ていたり、落ち着いた様子だったりすると、つい気になってしまうものです。
しかし、他人は他人。
「今ここでできること」「目の前の1問に集中する」ことを徹底してください。
過去の合格者も、「本番では頭が真っ白になった」「想定外の問題が出て焦った」など、様々なトラブルに直面しています。
それでも合格できた人たちに共通するのは、**「目の前のことに集中し続けた」**という一点です。
4-2.“諦めない心”が最後の合否を分ける
技術士試験は長丁場です。
途中で手ごたえがなくても、書き進めるうちに答えが見えてくることも多々あります。
「もうダメかも」と思ったら、深呼吸をして、1ページ、1行ずつ前に進んでみてください。
諦めずに答案を書き切ることができれば、思わぬ形で“合格”が舞い込むこともあります。
5.“全力を尽くした”自分を誇ってください
最後に、もう一度強調したいのは、「ここまで本気で努力してきた自分自身を、どうか誇りに思ってください」ということです。
・合格するか、しないか
・期待どおりの点数が取れるか、取れないか
これらの“結果”は、確かに人生の大きな分岐点になるかもしれません。
ですが、結果がどうであれ、「本気でやり切った自分」は、今後の人生のどんな局面でも大きな自信となります。
苦しかった時間、積み重ねた努力、流した涙や汗は、決して無駄にはなりません。
技術士という資格の価値は、合格証だけではなく、「ここまで努力してきた経験そのもの」にもあるのです。
6.「人事を尽くして天命を待つ」――合格の先に待つもの
最後にもう一度、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉を贈ります。
人生には、自分の力だけではどうにもならない瞬間が、必ずあります。
その時に「人事を尽くした」と胸を張れる人だけが、“天命”を受け入れることができます。
合格の先にも、きっとまた新たな課題や試練が訪れます。
ですが、今あなたが“本気で挑んだ”という事実は、必ずあなたの人生を力強く支えてくれるはずです。
どうか、肩の力を抜いて、これまでの自分の努力を信じてください。
自信を持って、試験当日を迎えてください。
そして試験が終わった後は、これまで頑張ってきた自分を思いきり褒めてあげてください。
技術士試験に挑む全ての方々へ、心からのエールを送ります。
「人事を尽くして天命を待つ」――あなたの努力が、必ず実を結びますように。