2025/07/10
技術士試験を受験される皆様、ここまで長い準備期間、本当にお疲れ様でした。
7月20日・21日はいよいよ決戦の日です。
この時期、多くの方が「残りわずかな期間、最後まで追い込みをかけたい」「もう一問でも多く解きたい」と、ついつい夜遅くまで、あるいは早朝から机に向かう日々を過ごしていることでしょう。
しかし、ここであえてお伝えしたいことがあります。それは、「ラスト10日間こそ、体調管理が最重要」だということです。
多くの受験者さんと接してきた中で、試験直前に体調を崩してしまい、持てる実力を十分に発揮できなかった――そんな悔しい声を毎年のように耳にします。どんなに知識を積み上げてきても、どんなに練習問題を解いてきても、試験当日に最高のパフォーマンスが出せなければ、合格は遠のいてしまいます。
技術士試験は午前10時から午後4時半までという長丁場。集中力と気力、そして体力が問われるマラソンのような試験です。試験本番で力を出し切るためには、「いつも通り」の生活リズム、「普段通り」の体調で臨むことが何よりも大切です。
現時点で、夜遅くまで勉強している、あるいは早朝にしか時間が取れないという方も多いはずです。
しかし、体内時計(サーカディアンリズム)は、そう簡単には調整できません。試験当日だけ早起きしても、頭が冴えない、集中できない…といった状態になりがちです。
実際に、夜型の生活を続けている方は、午前中に最高のパフォーマンスを発揮できないケースが多いのです。
この“体内時計のズレ”を防ぐために、今からでも遅くありません。ぜひ、次のポイントを意識して、生活リズムを“試験本番モード”に切り替えてみてください。
1.起床・就寝時間を本番のリズムに合わせる
試験は午前10時開始です。脳が最もパフォーマンスを発揮するのは、起床して2~3時間後といわれています。試験当日は少なくとも朝7時には起きている状態が理想です。
【アクション】
今日から徐々に就寝・起床時間を前倒しし、本番の起床時間に身体を慣らしていきましょう。夜型の人は、一気にリズムを変えるのではなく、毎日15~30分ずつずらすと無理がありません。
2.午前10時~午後4時半に「頭を使う」練習をする
勉強する時間帯を、試験時間に合わせてシフトするのも有効です。例えば、午前10時~午後4時半の間に模擬試験や問題演習を取り入れることで、本番と同じ“時間帯”に頭が働くようにリズムを作りましょう。
【アクション】
休日や直前の数日は、実際に本番の時間割で模擬試験に取り組むのがおすすめです。できない場合も、少なくとも午前10時には難問にチャレンジしてみてください。
3.しっかり食べて、しっかり寝る
直前期は緊張や不安から、食欲が落ちたり、眠れなくなったりすることもあります。しかし、脳も筋肉も「糖分」と「休息」がなければ動きません。食事はバランスよく、朝食も抜かずに。
【アクション】
夜食やカフェイン摂取は寝つきを悪くするので控えめにし、できれば6時間以上の睡眠を確保しましょう。眠れない時は、ベッドでスマホや勉強道具を触らず、目を閉じて深呼吸するだけでも休息効果があります。
4.水分・塩分補給を意識する
真夏の試験会場は、空調が効きすぎて乾燥していたり、逆に換気で暑くなったりします。脱水は集中力低下や頭痛の原因にもなりますので、適宜水分・塩分を補給できるよう、準備しておきましょう。
【アクション】
普段からペットボトルや塩分タブレットを持ち歩き、試験中も無理せず口にする練習をしておくと安心です。
5.「体調日記」で自己チェック
直前期は「あと何日!」と気持ちばかり焦りますが、まずは自分の体調・メンタルの変化を客観的にチェックすることも重要です。
【アクション】
「朝、スッキリ起きられたか」「食事はきちんと取れたか」「勉強した内容を覚えているか」など、一言でも記録してみてください。変化に早く気付くことが、体調悪化の予防につながります。
体調管理の一番の敵は、“不安”です。「まだ勉強が足りない」「もっと詰め込まなきゃ」と思えば思うほど、睡眠や休息を削り、結果的に集中力や記憶力が下がってしまうリスクがあります。
この時期は、今から新しい知識を詰め込むよりも、「これだけは忘れない」という基礎事項や、自分の強みを再確認するほうが効果的です。苦手分野を無理に詰め込もうとせず、得意な分野の「確認」と「体調管理」を優先してください。
「当日はいつも通りの自分」で
技術士試験は、皆さんがこれまで積み上げてきた“努力”を、存分に発揮できる場です。
直前の追い込みも大切ですが、それ以上に大事なのは「試験当日に最高の自分でいられること」。そのためにも、残り10日間は“自分の身体と心を整える期間”として、普段より少しだけ自分を大切にしてみてください。
皆様のご健闘を心より応援しています。
これまでトレーニングで鍛えた自分の力を出し切ってください。
![]() | 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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