2025/02/13
今回は、インフラの老朽化によるリスク。
もう一つは、DXやデジタル化推進によるリスクを考えてみましょう。
■インフラの老朽化によるリスク
適切なメンテナンスや更新が行われないと、インフラの老朽化が加速し、破損や崩壊のリスクが高まります。
例: 橋梁やトンネルの崩壊事故、老朽化した水道管からの漏水。
事故や災害のリスク:
劣化したインフラが災害時に十分な機能を果たせず、大規模な事故や被害を引き起こす可能性があります。
例: 洪水や地震時にダムや堤防が機能不全になるリスク。
競争力の低下:
インフラの質が低下すると、物流コストの増加や交通の遅延が発生し、経済活動全体の効率が悪化します。
例: 道路や港湾の整備不足による輸送遅延、産業界の国際競争力低下。
投資環境の悪化:
質の低いインフラは国内外の投資家にネガティブな印象を与え、新規投資の減少を招く可能性があります。
例: 道路・鉄道網の未整備が観光産業や産業立地に与える悪影響。
生活の質の低下:
公共交通機関や上下水道などのインフラが老朽化すると、住民の生活の質が低下します。
例: 断水、交通渋滞、公共施設の利用制限。
修繕費用の増加:
定期的な投資を怠ると、インフラの劣化が進行し、後に大規模な修繕費用や緊急対応費用がかかる。
例: 緊急補修のための高額な費用負担。
防災インフラの不備:
減少する投資が防災インフラの整備や更新に影響を及ぼし、自然災害時の被害が拡大するリスクがあります。
例: 古い堤防や河川管理施設が豪雨に耐えられず決壊。
災害復旧コストの増大:
災害時に被害が大きくなることで、復旧や再建のためのコストが増加する。
例: 台風や地震後の道路・橋梁復旧費用。
地方インフラの未整備:
都市部に投資が集中し、地方のインフラ整備が後回しになることで地域格差が拡大します。
例: 地方における公共交通機関の廃止や道路網の整備遅れ。
過疎化の進行:
地方のインフラが不十分なまま放置されると、住民の生活環境が悪化し、人口流出が進む。
人材育成の遅れ:
インフラプロジェクトの減少は、技術者や作業員の育成機会を奪い、将来的に技術力の低下を招く。
例: 大規模プロジェクトの減少による土木技術者や建築技術者の不足。
産業基盤の弱体化:
インフラ整備を支える産業が縮小し、国内の産業基盤そのものが弱体化する。
例: 建設業界や関連製造業の縮小。
エコシステムの悪化:
投資が減少することで、環境に配慮したインフラ(エコインフラ)の整備が遅れ、自然環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
例: 下水処理施設の不備による水質汚染。
■DXやデジタル化推進によるリスク
データ漏洩や不正アクセス:
デジタル化が進むことで、大量のデータがシステム上でやり取りされるようになり、ハッキングや不正アクセスによる情報漏洩のリスクが高まる。
例: 個人情報や顧客データの流出、企業機密の漏洩。
ランサムウェア攻撃:
重要なシステムやデータがサイバー攻撃でロックされ、業務停止や金銭的損失を招くリスクがある。
IoT機器の脆弱性:
デバイスの接続が増えるほど、ネットワーク全体の攻撃対象が広がり、セキュリティ対策が不十分なIoT機器が攻撃の入口となる。
システム障害:
システムの停止やバグにより、業務が長時間停止するリスク。
例: 重要な業務プロセスが自動化されている場合、そのシステムの故障が業務全体に波及する。
技術の陳腐化:
デジタル技術の進化が速いため、導入したシステムが短期間で古くなり、アップグレードや再構築に多大なコストがかかる。
デジタルデバイド:
デジタル技術の習得に差が生じることで、一部の従業員や地域が取り残されるリスク。
例: 高齢者やITスキルの低い従業員が新しいシステムに適応できず、生産性が低下する。
人的ミス:
システム操作ミスや設定ミスにより、データの損失や不正確な情報が発生する可能性。
データの信頼性:
データの収集や分析が適切でない場合、誤った意思決定を導く可能性。
例: センサーから得たデータが不正確で、誤った運用計画を立てる。
データ過多(情報過多):
大量のデータが蓄積される一方で、必要な情報を適切に選別・活用できず、判断が遅れるリスク。
個人情報保護の課題:
データ活用が進む中で、収集された個人情報が適切に保護されない場合、法的問題や社会的信用の喪失を引き起こす。
プライバシー規制(GDPRなど)に違反した場合の多額の罰金。
モニタリングの過剰化:
労働者や消費者の行動を監視する技術が濫用されることで、プライバシー侵害や倫理的問題が発生する。
業務プロセスの複雑化:
デジタル化に伴い、新たなツールやシステムが導入され、業務プロセスが複雑化して混乱を招く可能性がある。
適応の遅れ:
組織全体でデジタル化に適応できない場合、導入された技術が十分に活用されず、逆にコストが増大する。
失業リスク:
自動化が進むことで、一部の仕事が消失し、労働市場に影響を及ぼす可能性がある。
例: 単純作業の代替により、低スキル労働者の雇用が減少。
環境負荷の増加:
データセンターのエネルギー消費や電子機器廃棄物の増加が環境問題を引き起こす。
供給チェーンの脆弱性:
デジタル技術を利用したグローバルなサプライチェーンがサイバー攻撃やシステム障害に対して脆弱になる。
外部ベンダー依存:
ソフトウェアやクラウドサービスの外部ベンダーに依存することで、ベンダー側のトラブルが直接的な影響を及ぼす。
められてると思います。
![]() | 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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