2024/12/26
『イシューからはじめよ』を解説します
技術試験対策に使える「イシューからはじめよ」の紹介
『イシューからはじめよ』2010年12月初版
安宅和人(あたかかずと)著:英治出版
から、技術士試験対策に使えるイシューを紹介します。
1. 考えるとは何か?
「考える」とは単に思索することではなく、問題に対して建設的にアプローチし、最終的な答えを導くことです。重要なのは、 「答えが出る」という前提で思考を進めること です。一方で、「悩む」とは答えが出ないと分かっている前提で考えても進展がない行為 です。
技術士試験の対策としての意味:
答えがわからないまま悩む時間を減らすこと。試験の問題で、解けないと感じた場合は、悩んでいるだけでは時間の無駄です。むしろ、試験ではどの問題に答えるべきか、核心的な部分(イシュー)を見極め、そのイシューに対して仮説を立て、実行可能な解決策を練ることが求められます。
2. 試験対策でやらなければならないこと
試験で最も大切なのは、出題者が求めている「イシュー」を見極めることです。これは問題を解く上での 出発点 であり、全体の解答の質を決める根本的な部分です。
イシューを見極める
試験問題の全体像を読み解き、その問題がどんな本質的な問いを含んでいるのかを掘り下げて考えることが重要です。
例:問題文に多くの情報が提供されていても、それがすべての問題に関わるわけではありません。どの情報が最も重要かを見極め、それに焦点を当てた解答を導くことが求められます。
具体的な試験対策の方法
問題文を読み、イシューを抽出する: 問題文の中から最も重要なポイント(イシュー)を抽出し、解答の焦点を定める。これにより、冗長な説明を避け、問題の本質に迫る解答ができます。
キーワードに注目する: 問題の中で何度も繰り返し出てくるキーワードやフレーズに注目します。これらは解答に必要な情報を示唆しています。
3. 「考える」と「悩む」の違い
「考える」と「悩む」は一見似ているようで、実は全く異なるものです。試験の準備や問題解決において、この違いを意識することが大切です。
考える:
結論を導くために論理的に進めること。問題に対して、どのようなステップで解決できるかを明確にし、結果に向けて思考を進める。
悩む:
結論が出ないことを前提に無駄に思索を続ける行為で、問題に対する解決策が見えてこないまま時間を無駄にすることになります。
試験対策への応用:
解答に時間をかけすぎて悩んでいる時間が長くなると、試験終了時に時間切れになったり、焦って雑な解答をすることになります。解答に悩んでいる場合は、一旦その問題から離れるか、解答に進める仮説を立て、答えが出る可能性のある方法を選択します。
4. 問題解決のストーリーを構築する
試験で良い解答を出すためには、問題に対するストーリーラインを構築することが大切です。論理的な流れを作り、それに基づいて答えを導いていくことが求められます。
問題の解答の進め方:
まず、問題文を読み、イシューを見極めます。次に、仮説を立て、その仮説を基に解答を組み立てていきます。
ストーリーラインの構築:
問題を解くための手順を、論理的に順を追って書き出すことで、問題解決に必要な過程を確実に踏んでいきます。
5. 試験対策の実践的アドバイス
イシュー抽出の練習: 問題を解く際に、まず「この問題のイシューは何か?」を問い直してみる習慣をつける。試験では時間制限があるため、最初の数分でイシューを見極め、仮説を立てることが成功のカギです。
悩む時間を最小限に: 解答に行き詰まった場合、悩むのではなく、他の問題に取り組むか、問題を簡略化して考える方法を使い、答えが出せるかどうかをすぐに判断します。
結論
試験で最も重要なのは、問題の本質(イシュー)を早期に見抜き、その解答を導くための計画を立てることです。「考える」ことを優先し、「悩む」時間を減らすことで、より効果的に試験準備を進め、結果を出すことができます。