試験に役立つ本の紹介『技術士ハンドブック (第2版)』・公益社団法人日本技術士会登録技術図書刊行会-6

2024/11/07

試験に役立つ本の紹介『技術士ハンドブック (第2版)』・公益社団法人日本技術士会登録技術図書刊行会-6


有名な本なので、ご存知の方も多いと思います。
前回は、第4章までは紹介していますので、今回は第6章の1節から12節を要約します。
6章は建設マネジメントがテーマです。
また、こん回は建設部門の方にも参考になるカ所が多いです。
一般部門の方もぜひ、読んで下さい。

上記の本は古本なら、Amazonで購入できます。
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以下は冒頭部分です。

6.2
ストックとしての施設のマネジメント

①背景とその必要性
アメリカでは,1930年代のニューディール政策により多くのインフラを整備した.しかし,その後のアメリカ政府の予算削減により老朽化が進み橋梁の崩落,道路の損傷,通行止めが相次ぎ「荒廃するアメリカ」(パット・チョート薯,1981年)と呼ばれる状況となった.
日本では,アメリカに遅れること30年,1960~70年代の高度経済成長期にインフラ整備が急ピッチで進められた。これらの施設が建設後50年を迎え,今後公共投資余力が減少する中で社会資本の老朽化対策が喫緊の課題となっている。


以下、私の要約です。

6.2.1 建設マネジメントの背景と必要性

この節では、建設マネジメントの重要性を歴史的背景とともに説明しています。1930年代のニューディール政策後、米国のインフラが老朽化し、予算削減が影響して建設物の維持が困難になった状況を例に挙げています。同様に、日本でも高度経済成長期に建設されたインフラが50年を経て老朽化しており、現在の社会資本の老朽化対策が喫緊の課題とされています。


6.2.2 アセットマネジメントとストックマネジメント

アセットマネジメントは、施設の長寿命化を図るための維持管理と改築を計画的に実施する手法です。公共施設の健全性を評価し、維持補修や改築計画を策定するための予算計画が求められています。また、ライフサイクルコスト(LCC)の最小化も目指し、効率的な資産管理が重要となっています。


6.2.3 建設プロジェクトのコスト削減と効率化

バブル崩壊後の日本では、公共工事のコスト削減が大きな課題として取り上げられました。平成9年に閣議決定された「公共工事コスト縮減対策」により、工事コストや時間的コスト、社会的コストを削減し、効率化を図る施策が実施されました。このような施策は、建設業界全体の効率性向上に寄与しています。


6.2.4 VFM(Value for Money)の概念

公共事業において、VFM(支払いに対して最も価値の高いサービスの提供)が重要視されています。予算内でいかに効率的に公共施設を管理・運営するかが、社会的な利益に直結するため、VFMの概念が広く導入されています。


6.2.5ストックマネジメントの導入と手順

ストックマネジメントは、アセットマネジメントと密接に関連しており、施設の状態を客観的に評価し、中長期的な計画を策定します。これにより、公共施設の維持補修が計画的かつ効率的に行われ、施設の安全性と機能を維持します。また、長寿命化計画に基づき、事業の平準化とLCCの最小化を目指します。


6.2.6 公共施設の長寿命化計画

施設の長寿命化は、予算制約の中で効率的に施設を管理するための重要な方針です。施設の点検や健全性評価を行い、劣化予測に基づいた維持補修・改築計画を策定することで、事故や故障の発生を未然に防止し、施設の安全性を確保します。


6.2.7 計画的な施設管理の効果

計画的な施設管理により、施設の機能を継続的に発揮させ、事故や損害を減少させる効果が期待されます。また、事業の必要性が理解されやすくなるため、予算確保が容易になり、社会的な信頼を得ることができます。


6.2.8 公共施設管理における法制度

公共施設管理には、道路や河川、下水道など、分野ごとに定められた法制度があります。これらの制度に基づいて、施設の管理や維持補修が実施されており、各施設の特性に応じた対応が求められます。


6.2.9 インフラの老朽化対策とメンテナンス時代

日本では、インフラの老朽化が進んでおり、これに対する維持管理・更新のための戦略的な対策が必要です。平成25年には「インフラ長寿命化基本計画」が策定され、戦略的な維持管理が行われることが求められています。


6.2.10 海外の動向とISO 55000シリーズ

ISO(国際標準化機構)では、公共インフラのアセットマネジメントに関する国際規格「ISO 55000シリーズ」を2014年に発行しました。この規格は、道路や鉄道、電力施設などのインフラ管理において、効率的な管理手法を提供するものです。今後、各分野での詳細なガイドライン作成が期待されています。


6.2.11ストックマネジメントの効果

ストックマネジメントは、施設の新規整備や維持管理、改築を一体的に計画することで、ライフサイクルコストの最小化と事業の平準化を実現します。これにより、施設の機能を持続的に維持し、安全性を確保することが可能となります。


6.2.12 今後の方向性

インフラの老朽化が進む中で、今後は維持管理・更新の効率化がますます重要になります。国際的な基準に準拠したアセットマネジメントの導入が期待されており、日本国内でもより効率的な公共施設管理が求められています。



No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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