試験に役立つ本の紹介『技術士ハンドブック (第2版)』・公益社団法人日本技術士会登録技術図書刊行会-4

2024/10/24

試験に役立つ本の紹介『技術士ハンドブック (第2版)』・公益社団法人日本技術士会登録技術図書刊行会-4


有名な本なので、ご存知の方も多いと思います。
前回は、第4章までは紹介していますので、今回は第5章を要約します。

5章は品質マネジメントがテーマです。
上記の本は古本なら、Amazonで購入できます。

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5.1.1 用語の説明にあたって

5・1・1 用語の説明にあたって
品質マネジメント(品質管理)に携わるものにとって、用語の意義と意味を正しく理解していることが重要である。 特にTQMとISO 9000 に関する用語は基本的な用語である。 しかし、 ISO 9000 の用語の定義や、 各種用語辞典に使われている用語は正確性や網羅性に重点が置かれているためにわかりにくい表現になっていることは否めない。
わが国の品質管理は、 1950年代にアメリカから導入されて以降、わが国独自に大きく進化し発展をしてきた。 TQC (のちの TQM) という形に昇華し、 会社全体や製造業を発端とした様々な業界に進展していった。 わが国の高度経済成長の一端を担ったといっても過言ではない。
しかし、その後、 商取引のグローバル化を背景とし、欧米流の品質管理をベースにした国際規格 ISO 9000 シリーズが1987年に制定され、 日本の品質管理に多大な影響を与えてきた。 その間、 JIS や ISO などの規格類による用語の定義付けや、多くの品質管理関係の著作物による言葉の定義の提案等により用語の解釈の多様化が見られるようになってきた。 中でも ISO 9000 シリーズとともに導入された用語や概念が従来の日本の品質管理の用語 概念と必ずしも整合するものではなかったために、品質管理に熱心に取り組んできた各業界において不要な混乱を生み出してきた面も否定できない。
そこで本節では、一つひとつの用語 (太字表記)に対して意義と意味の直感的にわかりやすい説明を行い、 必要により 【解説】を加えることにする。なお、用語の表記で「○○/△△」 とあるのは、○○と△△とが同義語であることを示す。


以下は私の要約です。


1. 品質マネジメントの基礎
品質マネジメントとは、製品やサービスの品質を維持・向上させるための組織的なプロセスです。このプロセスには、品質目標の設定、品質管理、品質保証、品質改善が含まれます。品質マネジメントは、顧客の期待に応えるために非常に重要です。
品質マネジメントとは、製品やサービスが一定の品質基準を満たし、顧客の期待に応えるために、組織が実施する計画的なプロセスや活動を指します。これには、品質目標の設定、品質保証、品質改善、品質管理などの要素が含まれます。品質マネジメントは、顧客満足を達成し、持続可能な競争力を維持するために非常に重要です。また、ISO 9001などの国際規格に基づいたマネジメントシステムが広く導入されています。

用語の解説

品質管理 (Quality Control, QC): 生産プロセスで製品の品質を確保するための管理手法。サンプル検査や統計的手法を用いて、製品が規格に適合していることを確認します。
品質保証 (Quality Assurance, QA): 製品やサービスが顧客の期待を満たすことを保証するプロセス。これは、製品が設計から生産、配送までの全過程において、品質が一定の基準を満たすように管理されます。
PDCAサイクル: これは品質管理において重要な手法で、Plan (計画)、Do (実行)、Check (評価)、Act (改善) の4つの段階を循環的に行うことによって、継続的な品質改善を実現します。


2. ISO 9000シリーズ
ISO 9000シリーズは、国際標準化機構 (ISO) が定めた品質マネジメントシステムに関する規格です。企業が顧客満足を向上させるために、品質マネジメントシステムを確立し、運用するためのガイドラインを提供します。

用語の解説
ISO 9001: ISO 9000シリーズの中でも最も広く使われている規格で、品質マネジメントシステムの要件を定めたものです。顧客のニーズに応じた製品・サービスを一貫して提供するための枠組みを提供します。
適合性評価: 製品やサービスが特定の基準や仕様に適合しているかどうかを確認するための手続きです。これにより、品質の一貫性と顧客満足が保証されます。


3. 品質コスト
品質を確保するためにはコストがかかりますが、逆に品質が不十分であれば、欠陥品やクレーム対応などの形でさらに大きなコストが発生します。この節では、品質コストを理解し、最適なバランスを取ることが重要だと述べられています。

用語の解説
予防コスト: 品質問題が発生しないように事前に対応するためにかかるコスト。例えば、従業員の教育や設備のメンテナンスなどが該当します。
評価コスト: 製品が品質基準を満たしているかどうかを確認するための検査や試験にかかるコストです。
失敗コスト: 品質不良が原因で発生するコスト。内部失敗(工場内の不良品処理など)と外部失敗(顧客へのクレーム対応やリコールなど)に分類されます。


4. 継続的改善
品質管理の分野では、製品やプロセスを継続的に改善していくことが不可欠です。これには、統計的手法やフィードバックループを活用して、問題点を特定し改善策を実行することが含まれます。

用語の解説
カイゼン (改善): 日本発祥の改善手法で、プロセスの効率や品質を少しずつ継続的に向上させるアプローチです。小さな改善を積み重ねることで、大きな成果を上げることができます。
ベンチマーキング: 他の企業や業界で成功している手法やプロセスを参考にし、自社のプロセスを改善するための手法です。


5. 顧客満足とクレーム管理
品質マネジメントの最終目標は顧客満足を達成することです。顧客からのフィードバックを収集し、それを品質改善に反映させることが重要です。

用語の解説
クレーム管理
: 顧客からの不満やクレームを適切に対応し、迅速に解決するためのプロセスです。これにより、顧客満足を向上させ、顧客のロイヤリティを維持することができます。
NPS (ネット・プロモーター・スコア
): 顧客がどの程度その製品やサービスを他人に勧める可能性があるかを評価する指標で、顧客満足度を定量的に測定するために使用されます。



No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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