2024/10/03
有名な本なので、ご存知の方も多いと思います。
前回は、第1章を要約していますので、今回は第2章を要約します。
第2章は「環境」です。
冒頭では以下のように概要を説明しています。
2.1.1 環境の視点
技術士法第45条の2で,「技術士又は技術士補は,その業務を行うに当たっては,公共の安全,環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない.」と規定されており,技術士にとって環境の保全は責務である.
具体的には,技術士倫理綱領の解説(平成23年5月10日)の前文には,「技術士は科学技術が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し,業務の履行を通して持続可能な社会の実現に貢献する」とある(技術士倫理綱領については10章参照).すなわち,技術士は持続可能な社会の実現に貢献することを責務としている.
この背景として,科学技術に関連する事故や不祥事が多発したことから,社会の安全の確保に対する要求が強くなってきたこと,世界人口の増大,大量生産・大量消費型の社会の進展により,深刻な地域的および地球的規模の環境破壊を生じ,社会の環境保全に対する要求が高まってきたなどがあげられる.
技術士は,科学技術を応用して社会に貢献するプロフェッショナルとして,環境保全等の重要課題に対応することが求められている。
以下は、私の要約です。私の視点で要約していますから、ポイントと考える部分は人によって異なるはずです。
第2章: 環境保全と持続可能な社会
第2章では、技術士が持つべき環境保全の責務と、そのための専門技術について説明しています。技術士法第45条の2により、技術士は公共の安全や環境の保全に努める義務があり、持続可能な社会の実現に貢献することが求められています。この章では、環境問題の歴史、現状、持続可能な社会を実現するための技術や対策が詳述されています。
1. 環境問題の歴史
20世紀に入り、科学技術の進歩とともに人類の活動が環境に大きな負荷をかけるようになりました。特に、1950~1970年代にかけて日本では産業活動による公害問題が顕在化し、大気汚染や水質汚濁などが深刻な社会問題となりました。代表的な公害事件として、水俣病やイタイイタイ病、四日市ぜんそくが挙げられます。
その後、1980年代以降、都市化が進む中で、生活排水や自動車の排気ガスによる都市生活型公害、さらに地球規模での環境問題(地球温暖化、オゾン層の破壊など)が重要な課題となりました。これに伴い、規制手法の見直しが行われ、環境基本法が制定されるなど、環境保全に向けた法整備が進められました。
2. 持続可能な社会を目指すための技術
技術士は、持続可能な社会の実現に向けて、以下の3つの社会像を目指す技術を駆使する必要があります。
低炭素社会: 温室効果ガスの排出削減を目指し、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの利用が求められます。具体的には、省エネルギー技術の開発・普及、カーボンフットプリントの削減、炭素捕捉・貯留技術の導入などが挙げられます。
循環型社会: 資源の効率的な利用と廃棄物の最小化が課題となります。3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進や、製品のライフサイクル全体を通じた資源の循環利用を進めることが必要です。
自然共生社会: 生物多様性の保全と生態系の持続可能な管理を図ります。自然環境の保護、エコロジカル・ネットワークの構築、生態系サービスの評価と保全が取り組むべき課題です。
3. 環境アセスメントと環境測定技術
環境保全において、環境アセスメントは開発や建設事業が環境に与える影響を事前に評価し、対策を講じるための重要な手法です。また、環境測定技術は、環境中の汚染物質や生態系の状態をモニタリングし、適切な管理を行うための基礎となります。技術士はこれらの技術を駆使して、持続可能な社会の実現に寄与することが求められます。
4. 市民との協働と環境教育
環境保全は技術的な対策だけでなく、市民の意識と協力が不可欠です。環境教育を通じて、個人が環境問題に対して主体的に行動できるようにすることが求められます。技術士は、市民と協力しながら、持続可能な社会の実現に向けてリーダーシップを発揮する役割を担います。
5. 環境経済と関連法規
経済活動と環境保全は密接に関連しており、環境経済学的な視点からのアプローチが必要です。環境保全に関する法規制の整備と、それに基づく技術的対応もまた、技術士の重要な責務です。
結論
第2章では、技術士が環境保全と持続可能な社会の実現に向けて果たすべき役割を詳細に説明しています。歴史的な背景から現在の課題、具体的な技術や対策まで幅広くカバーし、技術士が社会に対してどのように貢献できるかを示しています。技術士は、専門技術だけでなく、環境に対する深い理解と倫理観を持ち、持続可能な社会の実現に向けて主体的に取り組むことが求められます。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
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