CPDに関して復習してください

2024/09/26

CPDに関して復習してください

「技術士CPDガイドブック」の発刊に当たって」の一部をご紹介します。
口頭試験でほとんどの場合、質問される内容です。
理解を深めて下さい。


1.技術士法上の規定

技術士法第47条の2に技術士の資質向上の責務が、第54条には日本技術士会の設立に関して、全国の技術士の資質の向上のための研修を行うことを目的とすることが規定されています。


2.大臣通知

技術士法上の規定の趣旨を踏まえ、令和3年4月、文部科学大臣は、日本技術士会会長に対し、「技術士の資質の向上に関する継続研さん活動の実績の管理及び活用について(通知)」(令和3年4月26日3文科科第65号)を通知し、技術士のCPD活動の実績の管理及び活用について適切に事務を行うとともに、全ての技術士に本件の周知を図るよう要請しました。

【通知の概要】
・技術士のCPD活動の実績の管理及び活用を可能とする公的な仕組みの事務の実施主体を示す。
・実施主体としては、法の規定に基づき研修等を行っている日本技術士会が適当。
・日本技術士会は、関係団体と緊密な連携の下、以下の事務を行う。


①CPDガイドラインの策定
②技術士のCPD活動の記録の確認及び実績簿の作成
③技術士へのCPD活動の普及啓発
④分科会への技術士のCPD活動の状況の報告


3.技術士法施行規則の改正

令和3年9月、文部科学省は、技術士のCPD活動の履行状況を公的に裏付け、国内外における技術士資格の活用促進を図るため、技術士法施行規則の一部を改正する省令(令和3年9月8日文部科学省令第43号)を交布し、同施行規則第14条の登録事項に「資質の向上の取組状況」を追加するとともに、別記様式第7及び第7の2の技術士登録簿に資質向上の取組状況を記載する欄を追加しました。


4.公的な仕組みの構築

日本技術士会は、大臣通知及び技術士法施行規則の改正に沿って、技術士登録簿に技術士CPD実績を記載するほか、一定以上のCPD実績のある技術士に対して、証明書の発行や技術士の名簿の公表、技術士(CPD認定)の認定等を行う公的な仕組みとして「技術士CPD活動実績の管理及び活用の仕組み」(図-1)を構築しました。


5.実施体制

この公的な仕組みの事務を円滑に推進するため、日本技術士会は事務局に「技術士CPDセンター」を設置しました。また、公的な仕組みの事務は、CPD活動関係団体からの推薦者及びCPD活動に知見を有する日本技術士会の正会員から日本技術士会会長が委嘱した委員により構成される「技術士CPD実績管理委員会」により総括的に管理されます。
さらに、
CPD登録を行っている関係学協会の参加による「CPD活動関係学協会連絡会」(事務局:日本技術士会)が設置され、技術士CPDに関する情報提供や相互協力が行われます。


技術士のCPD活動の基本的な考え方


1.CPD活動の目的及び技術士に求められる資質能力

(1)技術士の責務及びCPD活動の目的
技術士資格は、技術士の専門知識や技術力、高い倫理観といった資質能力を客観的に保証する意義を有しており、個々の技術士は、社会ニーズの変化に的確に対応できるよう、日々自己研さんを積み、最新の知識・技術を身につけて、業務の質を維持する責務があります。技術士のCPD活動は、技術士資格取得後もその資質能力を維持するだけでなく、更に向上させることを目的とするものです。よって、個々の技術士のCPD活動は、各技術士が自身の生涯を通じたキャリア形成を見据えて、自らの意思で主体的に業務履行上必要な知識を深め、技術を修得することが求められます。

参考:技術士法第47条の2(技術士の資質向上の責務)

技術士は、常にその業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。

(2)技術士に求められる資質能力及びCPD活動
技術の高度化、統合化等に伴い、技術者に求められる資質能力は、ますます高度化、多様化しています。平成26年3月の分科会において、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」として、「専門的学識」、「問題解決」、「マネジメント」、「評価」、「コミュニケーション」、「リーダーシップ」、「技術者倫理」が示され、令和5年1月25日の分科会において、改訂が行われ「継続研さん」が追加されました。(表-1)
これらは、技術士であれば最低限備えるべき資質能力です。技術士はこれらの資質能力をもとに、業務履行上必要な知見を深め、技術を修得し資質能力の向上を図るように十分なCPD活動を行うことが求められます。



No Image 匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。


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